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ナンテンは縁起がよいとされており、お正月に飾られることでも有名です。比較的育てやすいので、初心者向きな樹木です。
そんなナンテンの最大の魅力は、小さくてかわいい実です。観賞用としてだけでなく、医療にも用いられることもあるそうです。ここではそんなナンテンの育て方について詳しく解説してあります。ナンテンをこれから育てたいという人はチェックしてみてください。
ナンテンを育てるときは、植え付け場所の日当たりが大切になります。
ナンテンは日光に当たることで実付きがよくなります。午前中は日光に当たり、午後は半日陰となるような場所を確保してあげましょう。
ナンテンには数々の種類や品種あります。特に人気なのは、園芸店などでも多く出回っている「オタフクナンテン」で、樹高が50cm程度と低いため鉢植えにおすすめです。
また、秋になると葉の紅葉が美しい「オリヅルナンテン」や、お正月飾りにぴったりな赤い実がなる「チモトナンテン」、葉の紅葉はないものの黄色い実が楽しめる「シロミナンテン」などもありますので、目的別で種類や品種を選びましょう。
ナンテンは、日当たりが良い場所もしくは半日陰となる場所で育てることができます。日光にしっかり当てることによって、実や花のつきがより良くなります。
また、ナンテンは暑さにも寒さにも強いため、地植えでの栽培が可能です。とはいえ、どちらかといえば温暖な気候を好みます。東北より北の寒い地域の場合は、冬に室内に取り込みやすい鉢植えでの栽培がおすすめです。
なお、地植えする場合には、西日があまり当たらないところに植えましょう。
ナンテンは水はけの良い土を好みます。
自作する場合は、「赤玉土4:腐葉土3:黒土3」の割合で配合した土に、元肥として有機肥料を混ぜておきましょう。
ナンテンは、苗を植え付けるのが一般的ですが、種まきから育てることもできます。種まきから育てる場合は、植えつけから開花までに4年以上かかり、栽培もやや難しくなります(ただし、種でしか手に入りにくい品種もあります)。
ナンテンの種は、園芸店で購入するか熟した果実から採取することができます。種まきの時期は、4月頃です。
種をポットや鉢に撒いたら、水をかけて日陰で管理しましょう。その後、発芽するまで土を乾燥させないようにします。
ナンテンの植え付け時期は、4月もしくは9月頃です。苗を購入してきたら、一回り大きい鉢に植えましょう。
ナンテンの鉢植えの場合には、水切れしない適度に、土が乾いたら水を与えます。
地植えの場合には、水やりは不要で、基本的には自然雨だけで問題ありません。ただし、暑い時期に雨が降らない日が続く場合は、たまに水やりしておきましょう。
ナンテンは、肥料なしでも育つ丈夫な植物です。しかし、しっかり実をつけさせたい場合には9月頃に緩効性肥料を与えると良いでしょう。
ナンテンを鉢植えで育てている場合は、2年に1回程度、植え替えが必要です。植え替えをすることで、根詰まりを防止することができます。
地植えの場合は、植え替えは特に不要です。
ナンテンの花の開花時期は、5〜6月頃です。この時期になると、白い花びらで中心が黄色の花を咲かせます。
ナンテンの実がなる時期は、11〜2月頃です。基本的には小さな赤い実をつけますが、種類によっては黄色の実がなるものもあります。
ナンテンの実は鑑賞するだけでなく、咳止めとして用いられることもあります。ちなみに、ナンテンの葉は解熱作用があるともいわれています。食品の防腐効果もあるため、弁当などにナンテンの葉が用いられるそうです。
ただし、薬効があると言われていても、ご自宅で個人の判断で飲むようなことはお勧めしません。
ナンテンは乾燥には弱いため、土が乾燥してしまうと実がつきにくくなります。また、肥料を与え過ぎて窒素分過多になるのも、実のつき方に影響を与えます。
ナンテンの実をしっかり実らせるため、受粉を促すために花にビニール袋をかぶせておくのもおすすめです。これにより良い雨除けになり、実がつきやすくなります。
ナンテンの剪定は、絶対に必要というわけではありません。品種によってはそこまで大きくならないので、まったく剪定しなくとも問題ないです。
とはいえ、剪定すると形が整うので、しておくと良いでしょう。剪定する際には、育ちすぎた枝などを取り除いておきます。葉なども適度に刈り取ります。
ナンテンの挿し木は、3月頃が適期です。
枝を15cm程度の長さに切って赤玉土などに植え付けましょう。乾燥させないように水を適度に与えて管理します。根が出てきたら鉢などに移します。
基本的には挿し木のほうが簡単で早く育つので、挿し木で育てると良いでしょう。
カイガラムシの幼虫が発生することがあります。カイガラムシの幼虫が成虫になると対処も難しくなります。カイガラムシを放って置くと、すす病などの病気にもなる場合があるので気をつけましょう。カイガラムシは小さいうちは薬剤で、大きくなったらブラシでこそぎ落とします。
カイガラムシなどの虫の排泄物が原因です。すす病になると葉に黒いすすみたいなものが付きます。これによって葉が光合成などできなくなります。
ナンテンの実が鳥に食べられてしまうこともあります。しかし、ナンテンの実はあまり美味しくないためか、食害される頻度は少ないです。
ナンテンは育てやすい花の一つ。ナンテンは花だけでなく紅葉する葉や実なども楽しめるので一石三鳥です。ナンテンは品種も多く、鉢や庭の雰囲気にあった品種も必ず見つかることでしょう。
松原真理子
GreenSnap編集部