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南天はメギ科ナンテン属の植物で、日本では縁起のよい植物として知られ庭木としても人気があります。常緑低木で、自然に育てると2〜3mほどに伸びます。ただし、枝先に実をつける性質があり、実際はもう少し大きく大きく見えることも多いため、だいたい1.5mほどの高さの株立ち樹形で育てることがほとんどです。
成長速度はやや遅く、1年で15cmほどしか伸びませんが、地面・根元から芽吹く力は旺盛で、初心者にも育てやすい植物といえます。
ここでは、そんな南天の性質にふれつつ、剪定の時期やその方法のほか、実がならない原因などについてもご紹介していきます。ご自宅で南天を育てている方はぜひ参考にしてみてください。
南天は前述の通り、縁起のいい植物として扱われることから、庭の鬼門対策として植えられることがあります。鬼門とは「北東」の方角のことで、風水的には邪気が出入りする場所といわれています。
このことから、「南天を切る(伐採する)と災いが起こる(邪気が入ってくる)」といわれるようになったと考えられます。
ただし、同じ木を切る作業でも「伐採」と「剪定」は、目的も仕上がりも全く異なるので、「剪定」は定期的に行い、美しく保つようにしましょう。
南天は必ずしも剪定を必要とする木ではありません。ただし、剪定することで下記のようなメリットがあるので、1年に1回は剪定をしてあげると良いでしょう。
南天の実がならないといった声も多いですが、その原因のひとつは間違った剪定かもしれません。
そもそも南天は、初夏に花を咲かせてそのままそこに実がなりますが、新しい枝に花芽をつけるまで1〜2年かかりますし、一度実をつけた枝には1〜3年花芽をつけません。
そのため、剪定をする時期や切る枝を間違ってしまうと、実がつくはずだった枝を切ってしまったり、実らせるためのエネルギーが分散してしまって、実がつかない原因となってしまうのです。
そのほかにも、そもそも実がならない品種があったり、日照条件によって実がならないこともありますが、実らせるためにも南天の剪定は時期と切る枝の選び方がとても大切になっていきます。
南天の剪定時期は、実が見頃を終える2〜4月です。
南天の剪定はいつ行ってもよいというわけではありません。とくに南天は花後の7〜8月あたりに花芽分化といって、翌年花を咲かせるための花芽をつけ始めます。
そのため、2〜4月以外の時期に剪定をしてしまうと、実がなるはずだった枝を切ってしまったり、翌年の花となるはずだった花芽を誤って切ってしまう可能性が高くなるので、気をつけましょう。
南天の剪定では、おもに「間引き剪定(透かし)」という手法で作業します。
間引き剪定とは、必要な枝に栄養が行き渡るように枝数を減らす剪定です。具体的には古い枝や切って株の更新を促します。
それでは詳しいやり方をご紹介していきます。
南天は「株立ち樹形」が一般的です。
地面から伸びる主枝が多すぎると蒸れる原因になるので、主枝は6〜7本ほどになるように適度に根元から切りましょう。
古くなった主枝を切っても寂しくならないように、次の主枝候補となるひこばえ(地面から伸びる新しい枝)を伸ばしていくと、うまく株の更新ができます。
また、剪定するときは株の向こう側が透けて見えるくらいの葉数・枝数になるように剪定しましょう。
早春に剪定しても、その後なんだか南天の枝葉が伸びすぎてしまったというときには、切り戻し剪定をして高さを調整することもできます。
ただし、必ず切り戻し剪定は梅雨の時期(花芽分化の前)までに行ってください。
切り戻し剪定をすることで、伸びすぎた南天の樹形を調整できるほか、新芽も増やすことができるので、翌年の花付きがよくなる可能性もありますよ。
南天の切り戻し剪定の仕方は下記の通りです。
南天の剪定は難しいことはありません。よく成長する植物ですので、ちょっと切りすぎてもまたしっかりと成長しますので、神経質にならなくても大丈夫です。ただし、剪定時期は守るようにしましょう。
株を更新するために枝を切る場合は根元から。時期を守って、根元からカットすることさえ守っておけば問題ありません。
しかし、よく成長する植物ですので、株が大きくなって剪定時期ではない時期にカットしたいこともあるかもしれません。切り戻し剪定のように大きく切らずに、形を軽く整える程度であれば剪定時期でなくても剪定は可能ですので、見栄えが悪いときはやってみてください。
南天の剪定は特に難しいことはありません。残す枝とカットする枝を決めて、剪定するだけ。残すものと切るもので悩むかもしれませんが、元気なものを残して、弱っている枝や傷ついている枝は根元から切ると覚えるといいですよ。
お客様のお庭でも、伸び過ぎて大きくなってしまった南天を見かけることが多々あります。何年も放置している南天がある方は、是非この機会に一度すっきりと剪定してみてはいかがでしょうか。
松原真理子
GreenSnap編集部