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寒い冬、お花がなくて寂しいと思っている人におすすめなのが「シャコバサボテン」です。11月頃から咲き始めクリスマス頃にも花を楽しめるので別名「クリスマスカクタス」ともいわれています。
今回は、花が美しいシャコバサボテンの育て方について、植え替えや剪定方法などを詳しくご紹介します。
シャコバサボテンの育て方のポイントは、季節に合わせた置き場所と、開花中は断水気味に育てることです。そのほかにも花を確実に咲かせるには、芽摘みや短日処理というお手入れが必要な場合もあります。
あとは花が終わったら剪定と植え替えをしてあげれば、初心者でも元気に毎年花を咲かせられるので、気軽に挑戦してみましょう。
シャコバサボテンの開花時期である11月から2月までは、室内の日当たりのよい場所鉢を置くようにしてください。耐寒温度は10度ほどと寒さには弱いので、温度に気をつけましょう。
花が終わった4月〜10月までは、気温も高いので鉢を屋外に置きます。7月~9月の暑い時期は、半日陰の場所に置いて直射日光を避けるようにしましょう。
屋外に鉢を置く4月~10月までは、土を乾燥をさせないようにたっぷりと水やりをします。とくに気温が高い夏の季節は、鉢の底から水が流れるくらいたっぷり水やりをします。根っこからしっかりと水分補給ができるようにしてあげましょう。
ただし、30度以上にもなる真夏の時期は、シャコバサボテンにとっては暑すぎるので生長が緩慢になります。この時期に水やりしすぎると根腐れする可能性が高いので、真夏は少し控え目にしましょう。
気温が低くなってきたら、水やりは少なめにします。シャコバサボテンの蕾が出てくる10月頃は、土を触ってみて乾燥していると感じたらたっぷり水やりをするようにしてください。
開花中はほぼ水やりなしでも育ちます。雪が降り始めてから桜が咲くまでの期間は断水したほうがいい場合もあります。
花が枯れてきたら水やりを再開しますが、それでも水やり頻度はかなり低めにして乾燥気味に育ててください。気温が低い時期に水やりをし過ぎると、根腐れを起こして「冬越し」ができなくなるので気をつけましょう。
水やりの頻度を低くしても、水やりの基本は「鉢のそこから水が流れ出るまでたっぷりと」です。水やりの回数を減らしても量は減らさないようにしましょう。株を弱らせる原因になります。
シャコバサボテンに肥料を与える時期は、4月〜6月頃までです。夏以降は追肥の必要はありません。
そもそもシャコバサボテンは基本的にかなり強健な植物なので、肥料を必要としません。ただし、花つきをよくしたいときや早く大株にしたい場合は、株の様子を見ながら施肥するようにしましょう。
シャコバサボテンにおすすめの肥料は、サボテン用の緩効性肥料です。製品表示の効果持続期間にしたがって、1〜2ヶ月に1回の頻度で与えましょう。
ただし、サボテン用の肥料では花を咲かせる栄養成分であるリン酸が少ない場合もあるので、株の様子をみながら草花用液体肥料を規定量よりも薄めに希釈して与えるといいでしょう。
なお、肥料の与えすぎは「肥料焼け」の原因になるので注意してください。
園芸店に行くと土のほかに、石灰や肥料を加えた培養土が販売されています。シャコバサボテンを育てるときは、サボテン・多肉植物用の培養土を選ぶとよいでしょう。
自分で配合して土づくりをするときは、通気性がよい小粒軽石や川砂を混ぜるのがおすすめです。下記の配合例を参考にしてみてください。
シャコバサボテンの植え替え時期は4〜6月頃です。植え替え頻度は1〜2年に1回を目安にしましょう。
シャコバサボテンは多年草なので、夏越しと冬越しができれば翌年以降も花を咲かせることができます。ただし、成長をするとそれだけ根も張りますので、土の中にある水分や栄養が吸収しにくくなります。そのため定期的に植え替えをして、いい栽培環境を保つ必要があります。
シャコバサボテンの増やし方は「挿し芽」が一般的です。シャコバサボテンの生育期である4月~6月頃に、切り戻しの手入れででた葉茎の切れ端を使って増やしましょう。
シャコバサボテンの花が終わったら、切り戻し剪定をして植え替えをしましょう。シャコバサボテンの開花時期は1〜3月ごろなので、気温が15度以上になった春ごろに作業するといいです。
切り戻し剪定は、株の全体が1/3〜1/2ほどのボリューム感になるように切り戻しをしましょう。シャコバサボテンは平たい茎が連なるように伸びるので、茎節のところでひねるだけでポロッと取れます。
小さい株の場合は地際から3〜5節ほど残して、その先の茎を切り戻すようにしてください。切り戻しをすることで茎の分岐が増えて、より大株になっていきます。
植え替えの方法はこちらの項目を確認してくださいね。
ガーデンプランナー 松原真理子
シャコバサボテンの寿命は20〜30年ほどと言われています。栽培環境によってはもっと短くなったり長くなることもありますが、育てて数年なのにもかかわらず花が咲かないのは、日当たりと温度に原因があります。
シャコバサボテンは短日植物といって、1日の日照時間が12時間以内と短くなることで花を咲かせます。開花適温は10~15℃ほどなので室内で育てる場合が多いですが、そうなると室内灯の影響を受けて開花条件に満たないことがあるのです。
このようなときは、段ボールなどを被せて日照時間を短くする短日処理をする必要があります。10月ごろのつぼみをつけ始めた時期から、夕方17時〜朝7時くらいまで株全体が隠れるように段ボールを上から被せて遮光してあげましょう。
ガーデンプランナー 松原真理子
シャコバサボテンの花をたくさん咲かせたいなら、秋になってから伸びてきた赤く柔らかめの新芽を摘み取っておく「芽摘み(葉摘み)」という剪定作業をしましょう。
シャコバサボテンは成熟した茎にしか花を咲かせないので、この時期の新芽に花をつけることはありません。芽摘みをすると栄養がより成熟した茎に回り、花つきがよくなりますよ。
ガーデンプランナー 松原真理子
もともとシャコバサボテンの新芽は赤っぽい色をしていますが、もともとあった葉(茎)が夏場に葉っぱが赤くなるのは、水分が不足して乾燥していたり、根がうまく栄養と水分を吸い上げられていない可能性があります。
このまま放っておくと枯れてしまったり、花がつかなくなるので、早急に植え替えをして新しい土に植えてあげましょう。黒っぽい根があれば必ず切り落としてください。
ちなみに冬に葉が赤くなってしまうのは、休眠期に水やりをしすぎて根腐れしてしまったか、寒さで凍結している可能性があります。この場合の復活方法はかなり難しいのですが、できるだけ暖かい場所に移動させて様子を見てください。
ガーデンプランナー 松原真理子
ぐったりしおれている、元気がないという状態の原因は一概にはこれとは言えないので、下記の基本の育て方をもう一度おさらいして振り返ってみましょう。
ガーデンプランナー 松原真理子
葉が落ちるときも、シャコバサボテンのなんらかのSOSなので一つ前の回答を確認してみてください。なお、夏の終わりに葉が落ちるときは夏バテの可能性が高いです。
ちなみにつぼみが落ちてしまうときは、環境の変化が原因の場合が多いです。秋頃になってつぼみをつけ始めたころ、寒いからといって急に暖かい室内に取り込んだりすると、気温の変化でつぼみを落としてしまうことがあるので気をつけましょう。
ガーデンプランナー 松原真理子
害虫で注意したいのが、ケムシ、ナメクジ、ヨトウムシです。シャコバサボテンの生育期である4月~10月にかけて発生し、葉っぱを食い荒らします。虫を見つけたら取り除くか、薬剤をかけて駆除するようにします。
このほかにもカイガラムシがつくと、葉っぱや茎が白くなります。放っておくと枯れる原因になるので、虫の付いた部分を取り除いたり、薬剤をかけて虫がつかないようにします。
シャコバサボテンは比較的病気に強いといわれていますが、茎の部分に黒い斑点が出る「炭素病」やカイガラムシがウィルス媒介して起こる「スス病」にかかることがあります。病気にかかってしまったときは、できるだけ病気の箇所を早めに取り除くようにしてください。
花言葉の「ひとときの美」のように、花が少ない冬の季節を楽しませてくれるシャコバサボテン。温度管理と乾燥に注意をすれば、何年でも冬に花を見せてくれます。
挿し芽をすれば鉢を増やすこともできるので、クリスマスシーズンから翌年の春にかけてたくさんの花を見られますよ。
松原真理子
GreenSnap編集部