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ブラックプリンスはロゼットをつくる多肉植物で、エケベリアに属しています。通常は黒緑色ですが、紅葉期まで育てたときの赤黒い色は鮮やかで、育てがいも十分にあります。今回は、そんなブラックプリンスの育て方を紹介していきます。
ブラックプリンスは中南米が原産の植物のため、日光が大好きな植物です。
陽当りが悪いと、葉の色はだんだんとくすんで薄い緑色になってしまい、樹形は崩れて台無しになってしまいます。また、最悪の場合、腐ってしまうこともありますので、日当たりの良い場所で育てましょう。
ただし、日光が必要とはいってもブラックプリンスは高山植物のため、高温には弱いです。夏の暑い時期には、直射日光を避けて半日向に置くのが理想的です。
ブラックプリンスは日当たりのほか、風通しのよさも重要となります。
また、ブラックプリンスは高山植物のため、寒さに耐えることはできますが、夏の高温多湿の環境が苦手です。夏は、直射日光を避けて風通しがよく、日陰の涼しい場所においてあげましょう。
もしブラックプリンスを室内に置く場合は、風通しが良い場所を選び、エアコンの風が直接当たることのないようにしてあげましょう。
ブラックプリンスは春・秋の生長期とそれ以外の季節とで水のやり方が変わってきます。
まず春・秋ですが、鉢の中にある土が乾いてきたら水やりをします。葉っぱに水がかかると、しおれてしまう恐れがあります。できるだけ生え際に水を注ぐようにします。
それ以外の夏・冬ですが、生長が止まってしまうため根から水を吸収できません。そのため、葉っぱのハリがなくなってきたと感じられたら、水やりをする程度に乾かし気味に育てて大丈夫です。過度に水を与えてしまうと、根が腐って葉が落ちてしまうのでご注意ください。
ブラックプリンスを含めた多肉植物は、元々水と栄養を葉にめ込むことができるという特徴があります。そのため、たくさん肥料を与える必要はありません。
ブラックプリンスの成長期にあたる春・秋の時期に、10〜15日に1回程度、水やり代わりに液体肥料を与えてあげることで、生長のサポートになります。
それ以外の季節は休眠期に入っているため、あんまり元気がないからといって肥料を与えるのは厳禁です。逆に、根元からうまく栄養を取り込むことができず、最悪の場合、枯れてしまう恐れがあります。
ブラックプリンスを含めた多肉植物は、通気性・排水性がよく、保肥力・適度な保水性もあって粒が均等で細かな大きさのものが最適とされています。
これらの条件を満たすように配合するには、赤玉土と鹿沼土をそれぞれ3割(小粒のもの)、腐葉土を4割の割合で混ぜることで理想的な土をつくることができます。もちろん、市販に売られている多肉植物用の土でも問題ありません。
ブラックプリンスの植え替え頻度は、1〜2年に一回が理想です。植え替え時期としては、生長期に入ろうかという時期がベストタイミングです。
ブラックプリンスは春秋型の生育タイプであるため、3〜4月に植え替えをするのがいいでしょう。この時期なら、根も付きやすくなります。もしくは秋の生長期でも構いません。
ただし、休眠期である夏・冬に植え替えをしてしまうと、枯れてしまうことがあるので、その時期はできるだけ避けたいところです。
ブラックプリンスの増やし方には、「株分け」と「葉挿し」の2種類があります。株元から出てくる新しい株を、株分けで増やしてあげる方が、葉挿しより定着率が高いといえます。
葉挿しの場合はより根付きやすくするために小さめの葉っぱを選びます。殖やす時期は春か秋に行います。
ブラックプリンスにつきやすい害虫は、数ミリ程度の小さな虫であることが多いです。ワタムシと呼ばれる1ミリ程度の小さな虫は、多肉植物の樹液を吸って生長を阻害してしまいます。ほかにも、ネジラミやアブラムシなども多肉植物につくことが多いです。
こうした小さな虫は、遠目の確認では見落としがちなため、細かくチェックしてあげることが大切です。また、予防するために多肉植物の近くに草花を置かないことも重要です。草花についていた害虫が、多肉植物へと移ってくることを防げます。
ほかには、暗くてジメジメと湿っているナメクジやカタツムリも、ブラックプリンスにつく害虫として挙げられます。ベランダや庭先のスペースに置く場合に、被害に遭いやすいです。鉢の下に潜んでいないか確認してあげましょう。
また、ブラックプリンスを生育させるときに気をつけたい病気が2つあります。
土が湿った状態で1週間以上置いておいたり、風通しの悪い場所にあると、根腐病にかかってしまい、カビ類が発生します。適度に乾燥させること、陽当たり・風通しがよい場所に置いてあげましょう。
このほか、梅雨時期から夏場にかけては、黒斑病が発生しやすくなります。高温多湿や曇天といった、多肉植物にとって悪条件が続くことで発生します。残念ながら黒斑が出てしまった葉が治ることはないため、秋以降に綺麗で新しい葉が開くのを待つしかありません。
ブラックプリンスは高山植物であるため、耐寒温度は−1℃と厳しめの環境でも生き抜くことができます。そのため越冬温度は、0〜3℃とされています。ただし、霜がかからないように注意が必要です。
一方で夏場の高温多湿を嫌います。直射日光の厳しい時期には避けて半日向に置いてあげましょう。
ブラックプリンスは、ベンケイソウ科のエケベリア属に属しています。エケベリア属は元々約180種類の原種が知られており、そこから数多くの園芸用交配種が存在しています。
ブラックプリンスもその一つです。シャビアナとブラックナイトの交配でできています。
シャビアナの持つ短く丸い、綺麗なロゼッタと、ブラックナイトの気高く鋭い葉っぱの特徴を、それぞれ受け継いでいます。流通名は「黒助(クロスケ)」です。
ブラックプリンスは全体的に黒色が特徴ですが、イエローの斑があり、光沢のあるブラックプリンス錦という品種もあります。こちらは紅葉すると黒というよりはブラウン染みて、全体的に赤みがでてきます。
ブラックプリンスは、花茎を伸ばして、たくさんの赤色の花を着けます。ただし、まだブラックプリンスが小さい間は花を切り取って、株に体力を着けた方が育ちが良くなります。
ブラックプリンスの花の開花期は2月から8月となっています。
ブラックプリンスそれ自体のものではありませんが、属している種のエケベリアが持つ花言葉は「穏やか」、「優美な」、「風雅な」となっています。
今回は、ブラックプリンスについて紹介しました。
南米の厳しい環境を生き抜くために、黒緑と季節の変化に合わせて、色鮮やかに葉っぱの色を変えていくのが特徴的です。
手間があまりかからないものの、生長期の黒と赤のコントラストは綺麗で育てがいがあり、初心者向けとされています。ぜひ、一度育てて見てほしい植物です。
GreenSnap編集部