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ピーターパンでもおなじみの、妖精のティンカーベルが着ている服に似たような形をした花のカンパニュラ(正式にはカンパヌラとされています)。可愛らしい小さなベルを想像してしまい、絵本や童話でその姿はたびたび登場しますね。
そんな可愛らしい花を咲かせる、カンパニュラの育て方を見てみましょう。
カンパニュラは寒さに当てないと花を咲かせない性質を持つので、冬は霜避け対策をしてから屋外で管理してあげることが大切です。一方、夏の高温多湿の時期は苦手とするので、夏場に温度があがりすぎないよう温度管理してください。
また、カンパニュラの花が終わったら、こまめに花がらを摘み取り、切り戻りをしましょう。そうすることで、長く花を開花させることができますよ。
カンパニュラは太陽の光を好みます。
日当たりが悪いと生長が鈍くなり、花つきが悪くなるどころか、最悪だと花が咲かなくなってしまいます。日陰では育たないので、日当たりのいい場所で生長させましょう。
カンパニュラは日当たりだけでなく、風通しの良い場所に置いて育てましょう。
しかし、夏の高温時期の直射日光はカンパニュラにはきつすぎるので、そのままにしておくと葉が枯れてしまいます。
鉢植えでカンパニュラを育てるならば、真夏は風通しの良い半日陰で管理し、カンパニュラの温度があがりすぎないように気をつけましょう。地植えでカンパニュラを育てるならば、遮光板で太陽の光を遮断するなど工夫して高温にならないようにしましょう。
また、カンパニュラは寒さに当てないと花芽をつけないので、冬は屋外で管理しましょう。一定の耐寒性があるので、土が凍らないかぎりは外に出していても大丈夫です。大体5℃前後の気温程度だと、花芽がつきやすいです。
カンパニュラに限らず、植物は霜に弱いので霜対策をしっかりしておきましょう。
夏は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。受け皿の底に溜まった水は蒸れ防止のために、早めに捨てるよう心がけてください。
カンパニュラは高温と多湿に弱いため、梅雨から夏にかけて蒸れて腐ることが多くなるので、夏超えするためにも涼しさと風通しが重要となります。
カンパニュラを剪定し、枯れた葉や茎は取り除いてあげることで、カンパニュラに隙間をつくり、風通しもよくなります。
冬はカンパニュラの生育がゆるくなるので、水やりは控えてください。土が乾いた2、3日後に水をやるようにしましょう。
また、夕方に水をやると夜の間に気温が下がって水が凍る場合もあるので、冬場は朝に水やりするのがベストです。
カンパニュラを育てるときは、緩効性のある粒状肥料をあらかじめ土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。冬は生長が止まるため追肥しなくてもよいです。
それ以外の期間は月に2回から3回のペースで、液体肥料を2000倍ほど希釈して施します。
カンパニュラは酸性の土で育てると生育が弱くなるので、庭土に石灰を混ぜるなどして弱アルカリに近い用土をつくっておきましょう。
カンパニュラを地植えする場合は、日本の土は全体的に弱酸性に近いので、植える前に予め中和させておくことをおすすめします。
鉢植えならば、腐葉土や堆肥などの有機物がふんだんに含まれた用土を使用しましょう。草花用の培養土であれば、予め有機物が含まれています。また、小粒の赤玉土6と腐葉土を4の割合で混ぜた用土を使用してもかまいません。
また、水はけのよい用土であることも大切です。
ピートモスを加えると排水性がよくなりますが、調整されていないピートモスは強酸性になるためカンパニュラと相性がいいとは言い難いので、鉢底石を使うなどして排水性を高めましょう。
カンパニュラは、花が咲いたあとに枯れてしまいます。そのため、植え替える必要はありません。
種まきは品種によって時期が違ってきます。二年草のタイプであれば初夏の5月から6月頃に、カンパニュラのメイシリーズやチャンピオンシリーズと呼ばれる品種は、8月から9月頃に種を撒くのがよいとされます。
種まきの仕方として、湿らせた川砂に種を撒き、発芽まで水を切らさないように日陰で管理します。発芽して本葉が2、3枚生えてきたら、そこで鉢上げします。3号ポットが手頃な大きさになります。
またセルトレーに移植してもいいので、ここから苗を育てていきます。苗が育って根が回ってきたら、いよいよ庭か鉢に定植します。このとき、根を傷つけないようにしましょう。
カンパニュラのようなキキョウ科の直根性植物で、太い根が一本生えます。この根が傷つくと、最悪枯れてしまうの可能性が高くなるので気をつけましょう。
カンパニュラの生長した苗は、9月か10月上旬までに鉢か庭に植え付けします。この時期までに移植を完了させなければ、冬の寒さに触れることができないので、花芽がつきません。
地植えならば、苗同士の間隔は30cmほど開けておくと、隙間が開くので株同士で多湿になりにくいです。また、花茎を支えるために、支柱を立てておくとよいでしょう。
カンパニュラのタイプによって違うので、種まきと植え付けに適切な時期はしっかり把握しておきましょう。
カンパニュラの開花時期は、6〜7月頃です。
キキョウ科に属するため、主に紫の花を咲かせます。おとぎ話に登場するように、ベルのような形をしているため、絵本や童話などでは、妖精が住んでいる家のベルとして挿絵などで描かれるほどです。
紫のほかに白色の花を咲かせることもあるため、すずらんにも似ています。小さな釣鐘状の花が密集して咲くため、グランドカバーとしても人気が高いです。
カンパニュラの花が終わったら、こまめに花がらを摘み、全ての花が終わったところで切り戻しを行います。
全体的に2/3〜1/2くらいまで切ってしまって問題ありません。
カンパニュラの増やし方は、「種まき」が基本です。カンパニュラは種を撒いても発芽率が高いので、増やしていくことは比較的楽な花の種類になります。種まきの方法は先ほどの通りです。
また、「株分け」でも増やすことができます。花の咲いていない秋の9月10月か、春の3月4月頃に行いましょう。
カンパニュラを鉢植えするならば、根が鉢いっぱいに回ったタイミングで株分けすると手間が省けます。
親株の大きさによりますが、小さい株は手で2、3株ほどわけれますし、大きければナイフなどで5、6株ほどまで分けられるでしょう。あまり細かくなりすぎると、難しくなるので注意しましょう。
カンパニュラが注意すべき主な病気として、細菌によって引き起こされる菌核病や斑点病、白絹病や根腐病や灰色かび病が挙げられます。
病気に感染した株は、根っこごと取り除くと他に連鎖しません。普段から風通しをよくし、水はけのよい環境にしておくことを心がけましょう。
また、白絹病は放置しておくと、土中にいつまでも細菌が生き続けるので毎年繰り返し発病します。早めの処置が大切になります。
害虫はナメクジやヨトウムシの被害が多く、特にヨトウムシは葉を食い荒らします。4月から5月、初秋の頃に発生しやすいので殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ヨトウムシは名の通り、夜に活動する幼虫なので、夜回りパトロールをして捕殺するのも一つの手かもしれません。
カンパニュラには隠された悲話もあり、ファンタジーにぴったりな花です。また、比較的初心者でも育てやすいので、種を買っても苗を買ってきても、栽培が楽な花になります。暑さ対策をしっかりすれば、きちんと花期を楽しむことができますよ。
下から花を覗き込めるように、ハンギングバスケットで栽培しても楽しいでしょう。グランドカバーとしても人気なので、庭いっぱいに植えてみても楽しいこと間違いなしです。
一面カンパニュラで覆いつくすと、もしかしたら妖精が遊びにくるお庭だ、なんてことになるかもしれませんね。
GreenSnap編集部