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青空のようなブルーの花を咲かせるネモフィラは、別名「瑠璃唐草(ルリカラクサ)」という、4〜5月頃の春に開花する一年草の草花です。ひたち海浜公園をはじめとした名所がたくさんあることでも知られていますよね。栽培期間は長いですが、育て方も簡単なので初心者にもおすすめの、春のガーデニングにぴったりな花です。
今回はそんな人気のネモフィラの育て方について詳しくご紹介します。
ネモフィラは水やりの手間があまりかからず、こぼれ種でも育つなど育てやすい植物です。より美しく咲かせるには、手入れとチェックを心がけましょう。
ネモフィラの花が咲いている時期は、花がらや枯れた葉をこまめに摘み取り、剪定も行うようにしてください。
また、ネモフィラは湿気がこもり蒸れるのを嫌うため、密生し始めたら下草の部分を刈り込んで風通しを良くしましょう。冬には霜柱などで苗が浮き上がらないように、霜よけやマルチングも必要です。
ネモフィラは基本的に日当たりの良い場所を好みます。
ネモフィラを花壇で育てたい方は、なるべく周囲に樹木があまりない環境で育ててみると良いでしょう(ただし、少々の日陰でもきちんと育ってくれます)。
また、ネモフィラはもともと北アメリカ原産の一年草なため、比較的耐寒性は高く、霜や凍結さえなければ屋外でも育てることができます。花壇などの屋外で育て、室内には取り込まないでおきましょう。
ネモフィラは水はけのよい、乾燥気味の土であれば、とくに問題ありません。そのため、市販の草花向けの培養土でも育成は可能です。ただし肥料分の多いものは、使わないほうが美しく生長させられるでしょう。
なお自力で配合してみたい場合は、鉢植えのときは赤玉土小粒6・腐葉土4の割合の配合土にしてください。
ネモフィラの種まき時期は、9〜10月頃が適期です。ただし、冬の寒さが厳しい北日本などの寒冷地では、3月以降の春に種まきをします。
また、地植えで過去にネモフィラを育てていた場所には、種が落ちている場合が多く、こぼれ種で育ちやすいので勝手に生えてくることもあります。
ネモフィラは直根性という、根が地中深くにまっすぐ伸びる性質をもっているため、移植すると根が傷つき、弱ってしまう可能性があります。
そのため、ネモフィラを種から育てる場合は、花壇や庭、プランターなどに直播きしていきます。
ネモフィラの種は嫌光性のため、発芽までは日光を当てないようにして、乾燥させずに育てましょう。
プランターや鉢植えなら日陰に移動し、地植えならネットを張るかやダンボールをかぶせるなどして遮光してください。
1〜2週間ほどして発芽したら、徐々に日当たりのいい場所へ移動させましょう。
また、地植え栽培でばらまきした場合は、本場4〜5枚ほどになったら株間隔15cmほどになるように間引きしてください。
ネモフィラを苗から育てる場合は、地植えなら15〜20cm間隔、鉢植えプランターなら10〜15cm間隔で植え付けていきます。根を傷つけないように、根鉢は崩さず植えてください。
また、苗の深植えも避けましょう。苗が不安定になるときは、株元にバークチップや小砂利を置くことで固定してしまいましょう。
なお、ネモフィラの苗の植え付けに最適な時期は、冬が来る前の秋10〜11月頃です。
ネモフィラの苗は10月以降から年末までは、花が咲いていない状態で出回っています。移植を嫌いますので小さいサイズの苗から育てて花を楽しむイメージを持っておくと良いでしょう。
ネモフィラは季節ごとに水のやり方を変える必要はありません。また、ネモフィラは秋まきの一年草のため、夏には枯れてしまうので夏の水やりは必要ありません。
ただし、ネモフィラは乾燥を好むため、花の時期の水のやりすぎには注意しましょう。
プランターや鉢植えでネモフィラを育てるときは、土の表面が白く乾いてきたら、水を与える程度にしておきます。基本的に乾燥気味にしておくのがベストです。
冬は鉢の土の表面が乾いたら、都度水を与える程度で問題ありません。
花壇や庭に地植えしているネモフィラの水やりは、種まきから発芽して安定するまで、もしくは植え付けから安定するまでは、乾燥しないように水やりをします。
その後、根を張ったら基本的に水やりせずに育ててください。
ネモフィラに水やりをする場合は、可能な限り株元にお水をあげるようにして、葉の間に水が貯まらないように気をつけましょう。蒸れて腐ってしまう原因になります。
ネモフィラは、水や肥料が多すぎると茎葉が異常に茂り、背丈が高くなり草姿が大幅に乱れるなど、軟弱に育ってしまいます。そのため、肥料を与える場合には少量ずつということを心がける必要があります。
鉢植えやプランターでネモフィラを育てる場合には、緩効性化成肥料を置き肥として、葉の色がよくなくなった際には液体肥料を足す程度で問題ありません。
地植えの場合には、肥料は元肥も控えめに与えておいたうえで、植え付けましょう。
その後は葉色が悪くなったときにだけ、即効性化成肥料を足すぐらいで大丈夫です。頻度としては年2回ほど。もしくは春・秋に月1〜2回液体肥料を与えるのもよいでしょう。
ネモフィラは花が終わると、種をつけて夏頃に枯れてしまうので、植え替えは不要です。
ネモフィラが育つのに適した温度は5℃〜20℃です。比較的冷涼な気候を好む耐寒性一年草なので、特別な防寒なども必要ありません。暖地ならばむしろ露地植えでも、十分に冬越しが可能です。
また、前年のこぼれ種で発芽することもよくあります。
ただし、寒冷地でマイナス5℃以下になる場合は、霜には弱くないですが霜柱に弱いため、霜よけをはじめとした防寒が必要になります。軒下で育てるか、もしくは霜が降りなくなる春に植えてしまいましょう。
ネモフィラを育てる際に注意すべき病気は、ウドンコ病、灰被病です。
ウドンコ病というのは、葉や茎の表面が白い粉にみえるカビで覆われる病気です。発見したら早い段階で、殺菌剤をまいて病気の広がりを抑制しましょう。一方の灰色カビ病は、多湿状態で起こりやすい病気になっています。菌による病気であり、茎や葉が溶けるようにして腐っていきます。
その都度、茎、葉が混み合っていれば間引き、傷んだ花をこまめに取り除くことが対策となるでしょう。
ネモフィラを増やす方法は、「種まき」が基本です。詳しい種まきの方法については前述の通りです。
ネモフィラの花が枯れる5月〜6月頃に種を取り出し、それらを秋まで乾燥し貯蔵しておきます。そして9月〜11月の間に秋まきしましょう。ネモフィラの種は2mmくらいで、発芽適温は20℃ほどですので、ポットなどにいれて温かい場所で発芽させてください。
種の採取方法については、下記の記事をご参照ください。
luckyandlien
geranium
このように「一年前育てていたネモフィラがいつの間にか咲いてた。」や「枯れたと思ったら、しばらくして一株だけ復活していた。」といった経験がある方も多いようです。そのサプライズ感もネモフィラを育てる楽しみになりそうですね。
ネモフィラは秋まき一年草ではありますが、地植えにすればこぼれ種からよく育つので、毎年気づけば咲いている宿根草のような感覚で楽しむ方もいらっしゃいます。
草丈は10〜20cmほどと低めで、よく枝分かれしてこんもりと茂ります。プランターや鉢に植えるとあふれるように咲いてとても美しいです。
また、ほふく性もあるので地植えすれば横に這うように広がっていき、見事な花畑やグランドカバーとして楽しめますよ。
爽やかなブルーが一般的なネモフィラですが、それ以外にもさまざまな品種が出回っています。春のお庭をイメージして品種選びをしてみてもいいかも知れませんね。
松原真理子
GreenSnap編集部