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太い幹と上向きの葉を茂らせるユッカは、中米から北米にかけて多く分布しています。観葉植物や贈り物としても人気が高く、特に男性へのプレンゼントとして贈られる植物でもあります。別名、「青年の木」としても親しまれています。
ユーモラスで力強い印象のユッカの魅力を知り、育てていきましょう。
ユッカはやや寒さに弱く、耐寒温度は5℃と低めなので、冬の時期は室内で管理して越冬しましょう。春から秋まで外に出しておいても大丈夫です。
ユッカは日当たりの良い環境をとても好みます。日陰や室内など日が当たらない場所でも育ってくれますが、日光が少ないと葉付きが悪く、弱々しい細い葉になってしまいます。
また、ユッカは「青年の木」とも呼ばれるだけあり、なるべく元気な葉を茂らせてあげたいところ。
屋外で育てるのが好ましいですが、耐寒性があるとはいえ霜があたると凍傷になることもあるため、12月~3月上旬頃の間は室内で育てるのが安全です。インテリアとしても人気があるので、室内ならば午前中に日が差し込む窓際のそばだと、生長が早くなります。
レース越しに光が差し込む窓辺だと、爽やかに晴れ晴れとした気持ちになりますね。光が差し込みやすい日当たりのよい場所で育てましょう。
春頃〜秋半ば頃まで室内でユッカを育てるならば、窓ガラスとレースのカーテン越しの柔らかい光が入る窓辺に置いてあげるといいでしょう。
晩秋〜来年の春までは、窓ガラス越しの光を取り込んであげれば、日照時間の少ない冬の時期でも十分に育ちます。
屋外でユッカを育てる場合、マンションならばベランダなどに置いてあげると、元気な株へと生長してくれます。ただし、屋外で育てるときは、真夏の時期にユッカをコンクリートの上に直置きしないよう注意しましょう。
日差しの照り返しで、思った以上に温度が急上昇してしまうことがあります。そのため、コンクリートの直置きを避け、風通しのよい半日陰などに置くなど、工夫を凝らしてみるとよいでしょう。
4〜10月の時期は、土の表面が乾燥したら、鉢底から水があふれるくらいたっぷりと水を与えます。ただし、ユッカは乾燥に非常に強いという特徴がありますので、逆にあげすぎて、根が腐ってしまわないように注意してください。
指で土を触って、乾燥具合を確かめてからあげるのがよいでしょう。また、割り箸を鉢に挿して、土の乾燥具合の目安として計ってみるのも一つの手です。
10月下旬頃から、徐々にユッカの活動が鈍くなってきます。さらに、ユッカは寒さにやや弱いため、気温の低下によって吸水率が下がってくるので、冬場の水やりは控えた方がよいでしょう。土が乾いてから、さらに4日ほどあとが水やり時期の目安です。
ただし、真冬だと暖房が入り、室内であっても乾燥しやすくなります。霧吹きを定期的に葉にかけてあげると、葉のツヤが全体的に保たれます。
春に向かうにつれて活動が徐々に活発になってくるので、水やりの量を増やしていきましょう。
ユッカの生長期間である初夏(5月)から秋口(9月)まで、1ヶ月に1回の割合で緩行性の固形肥料を与えます。
肥料を与えすぎると、まれに肥料過多で枯れることがあるため、常に適量が好ましいです。肥料が多めだと、勢いがつきすぎて、草姿が乱れて不格好になります。肥料のラベルを読み込み、標準量を守って与えてください。
植え替えをしたのならば、あらかじめ植え替える用土に化成肥料を混ぜておくことで、2ヶ月ほどは追肥をなくてもよくなります。
ユッカの栽培は、水はけがよい土を選択すれば、特に気をつけることはありません。一般的に市販されている観葉植物の培養土や、赤玉土(小粒タイプ)と、腐葉土を7︰3の割合で混ぜてつくってみてもよいでしょう。
植え替えの時期に、あらかじめ鉢底石を入れておくと、水はけがよくなります。
ユッカは生長に勢いがあるので、2年か3年に1度のサイクルで植え替えしましょう。小さな鉢で育てていると、一年で目の見張る生長をとげたりします。冬を迎える前に、早めに植え替えましょう。
ユッカの植え替えに適切な時期は5月〜9月の間とされていますが、梅雨入りする前の5〜6月が作業しやすい気候でおすすめです。
ただし、土の水はけが悪くなってきたり、鉢底から根が出て根詰まりを起こしていたりすると、適性時期に関係なく、植え替えのサインになります。
植え替え方法は、抜いた元株の土をはらい、この時黒ずんだ根を切り落として根腐れを防ぎます。新しい鉢に入れ替えたら植え替え完了です。植え替え後はようすをみてあげましょう。
観葉植物ユッカの増やし方は「挿し木」や「幹挿し」が一般的です。
植え替え時期にあたる5月〜9月の、温かい気温の時期にしましょう。理想をいえば、5月から6月中旬ぐらいまでの間が良いでしょう。
まず新しい鉢と鉢底ネット、バーミキュライト土(挿し木用の土でも可)を用意します。必要ならば、発根を促す薬剤も用意しましょう。
枝を8センチほどのところで切り落とします。薬剤を使うならば、切り口に塗りましょう。挿し木用の鉢に鉢底ネットと土を入れます。このとき、鉢底石をいれてもかまいません。
水をあげて土を濡らしたら、指で穴を掘り、切りとった枝を挿します。土が乾かないように水やりをして日陰に置いておくと、約1ヶ月ほどで根が生えてきます。根が生えてから、鉢上げしましょう。
ユッカの栽培では、高温な乾燥の時期になると、ハダニが発生しやすくなります。ハダニは葉の裏にひっつき、大事な養分を吸引していく、厄介な害虫です。葉の裏面に透けたような白い斑点や、かすり状の傷を無数につけてしまいます。
また、花弁からも養分を吸収するので、折角咲いた花の開花期間が、短くなってしまうこともあります。被害が拡大すると、落葉して枯れてしまうことがあるので、見つけ次第、殺虫剤や殺ダニ剤などの薬剤をまいて駆除しましょう。
ハダニなどを発生させないためにも、冬の時期であっても、常に霧吹きなどで葉を湿らせておくことが必要です。家にホースと庭があるならば、水圧でざっと洗い落とすことも可能です。
まだハダニの数が少ない場合であれば、セロテープやガムテープをひっつけてはがすことで、薬を使わずに駆除ができます。
薬剤を使用するならば、天然性のベニカマイルドスプレーや、でんぷんスプレーを使用しましょう。主成分が天然のものだと、自然に優しいものなので、化学成分が気になる方は、これらを使用してみてもいいでしょう。
また、家庭の害虫駆除にかかせないキンチョールは、あまり知られていませんが、観葉植物の害虫にも効きます。ぜひ、併用してみましょう。なるべく観葉植物全体にかかるようベニカマイルドスプレーやでんぷんスプレー、キンチョールを散布してください。
今回はユッカという、男性らしい植物の魅力と育て方を紹介しました。
葉が上へと鋭く尖っていることから、一見すると近寄りがたい雰囲気を持つも、プレンゼントとして贈られることが多い身近な観葉植物です。
贈り物としてもらったら、大切に育てることで、毎年きれいな花を咲かせます。すると、オフィスにじゃんじゃん仕事が舞い込んでくるかもしれませんよ。風水的にもよいとされる植物なので、お手入れはかかさずしましょう。
榊原斗武
GreenSnap編集部