胡瓜草(キュウリグサ)

ムラサキ科キュウリグサ属の二年草。道端や田畑の周辺に生える。ロゼットで越冬し、春にロゼットの中心から茎が立ち、葉が互生する。下部の葉は長い柄があり長さ1～3㎝の卵円形、上部の葉は無柄。茎や葉に細かい毛があり、触るとざらつく。花期は3～5月だが、秋にも見かける。つぼみのうちは茎の先端が巻き貝のように丸まるサソリ形花序を出し、花が咲き進むにつれて真っ直ぐになる。茎の上部に直径2㎜ほどの淡青紫色の小さな花を次々と咲かせる。花冠(かかん💬花びらがひと続きになっている場合、花弁ではなくこう呼ぶ)の先は5裂して5枚の花弁のように見える。花の中心は黄色い副花冠が目立つ。民間薬として不思議な作用が得られる。生の全草を採集したら、水で丁寧に洗い流し、水気を取り除いてから少量の食塩を加えてよく揉む。手足に軽いしびれがある時にこれを直接患部に貼りつけると緩和されるという。

葉内花(ハナイバナ)や勿忘草(サスレナグサ)に似る。本種は茎の先端が丸まり花の中心は黄色い。ハナイバナは茎の先端が丸まらず花の中心は白色。ワスレナグサは全体に大形で、花も直径6～9㎜で本種より大きい。

葉や茎をもむとキュウリに似たにおいがするのが名前の由来。

出典『野に咲く花』『春の野草』『都会の草花図鑑』『帰化＆外来植物見分け方マニュアル 950種』