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醜男
2024/07/02
南天(ナンテン)
メギ科ナンテン属の常緑低木。温暖な山野に自生するが、中国からの渡来植物ともいわれる。庭や公園に植えられる。小さな葉が3枚ずつついているように見えるが大きな葉の一部で、1枚の葉は50㎝にもなる。これは、3回3出複葉(💬3出複葉が3回繰り返し生え羽状になったもの)と呼ばれる珍しい形。常緑だが冬に紅葉することもある。花期は5~7月。白い小さな花が円錐状にたくさん咲く。黄色い雄しべが6本ある。果実は液果。径約7㎜の球形で、晩秋に赤く熟す。果実がなった枝は翌年開花しない。 『難を転じて福をもたらす』との縁起担ぎで玄関に植えられる。敷地の鬼門に災難から免れるようにという意味を込めて植えられる。冬の庭を彩る赤い果実は、正月の床の間に飾られたり雪ウサギの目になったりする。果実や枝は有毒な一方で薬や消毒に使われ、手水に浮かべたり料理に添えたりする。食あたりを防いで長寿になるという意味で南天の箸が使われる。葉に含まれる毒素が熱い赤飯の上で熱と水分により腐敗防止作用のあるチアン水素に分解されるため、熱い赤飯などの上に置いて飾りと同時に腐るのを防ぐのに使われる。赤い果実を乾燥させ生薬にしたものを鎮咳剤に用いる。乳白色の白実南天(シロミナンテン)や薄紫色の藤南天(フジナンテン)、橙色に熟すウルミナンテン、支那南天(シナナンテン)などの園芸種がある。
中国の中部以南に産するので南天といい、株立ちの姿が竹に似るから南天竹という。中国名が南天竹で、乾燥果実の薬名が南天実。名前はこれを和音読みしたもの。
正月を飾る赤い果実といえば千両、万両、南天だが、他にも猿捕茨、黒鉄黐、黐の木、藪柑子(十両)、青木、飯桐、七竈、野茨、ピラカンサなど、冬は赤い果実が目につく。これらの植物は鳥に向けて信号を送っている。鳥の視力は鋭い。その目は人間と同様、赤い色を最も刺激的に捉える。鳥に食べてほしい果実は競って赤い色で装う。次いで多いのは黒い果実だが、鳥には紫外線領域も見えているので、人の目に黒く見える果実の中には、紫外線を反射して鳥には色付いて見えるものも含まれる。
これらの果実は、鳥の口にぴったりの飲み込みやすい形に作られている。果実を丸ごと飲み込んでもらい種子を運ばせようという魂胆。赤い果実の内部には柔らかな果肉にくるまれてこっそり種子が仕込まれている。種子は硬くて丈夫な材質に包まれていて、鳥の消化管を通過しても消化されないよう工夫されており、そのまま糞の中に出される。植物は動けないが、果実を食べた鳥が移動した後で糞をしてくれれば、種子は親植物から遠く離れた場所で芽を出せる。
香りに乏しいのも共通の特徴。鳥は嗅覚が鈍いため香りで誘ってもほとんど意味がない。また、冬に多いのは、虫が少ないため食べられる心配がないから、あえて冬に果実をぶつけて誘惑する。
これらの果実は苦かったり渋かったりしてまずく、毒を含むものもあるが、それにも理由がある。もしも果実が美味しければ、鳥がその場で食べ続けてしまい、種子があちこちにばらまかれない。植物は果実をわざとまずくしたり毒を含むことによって鳥が1回に食べる量を制限している。こうして種子は何度かに分けて少しずつあちこちに運ばれる。
冬の赤い果実には植物の思惑が隠されている。
出典『身近な木の実・タネ』『日本有用樹木誌』
ユミ
2024/07/02
こんにちは、この花が赤い実になるなんて不思議ですよね
我が家にも難点がありました
今は枯れてありません
虫が入ってみたいです
庭の鉢の中に南天がいつのまにか根付いています、鳥さんのプレゼントかもね😊
いいね
1
返信
醜男
2024/07/02
@ユミ
さん
こんにちは☔
南天は、知らないうちにこんな所に…ということがよくありますね🤔
いいね
1
返信
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中国の中部以南に産するので南天といい、株立ちの姿が竹に似るから南天竹という。中国名が南天竹で、乾燥果実の薬名が南天実。名前はこれを和音読みしたもの。
正月を飾る赤い果実といえば千両、万両、南天だが、他にも猿捕茨、黒鉄黐、黐の木、藪柑子(十両)、青木、飯桐、七竈、野茨、ピラカンサなど、冬は赤い果実が目につく。これらの植物は鳥に向けて信号を送っている。鳥の視力は鋭い。その目は人間と同様、赤い色を最も刺激的に捉える。鳥に食べてほしい果実は競って赤い色で装う。次いで多いのは黒い果実だが、鳥には紫外線領域も見えているので、人の目に黒く見える果実の中には、紫外線を反射して鳥には色付いて見えるものも含まれる。
これらの果実は、鳥の口にぴったりの飲み込みやすい形に作られている。果実を丸ごと飲み込んでもらい種子を運ばせようという魂胆。赤い果実の内部には柔らかな果肉にくるまれてこっそり種子が仕込まれている。種子は硬くて丈夫な材質に包まれていて、鳥の消化管を通過しても消化されないよう工夫されており、そのまま糞の中に出される。植物は動けないが、果実を食べた鳥が移動した後で糞をしてくれれば、種子は親植物から遠く離れた場所で芽を出せる。
香りに乏しいのも共通の特徴。鳥は嗅覚が鈍いため香りで誘ってもほとんど意味がない。また、冬に多いのは、虫が少ないため食べられる心配がないから、あえて冬に果実をぶつけて誘惑する。
これらの果実は苦かったり渋かったりしてまずく、毒を含むものもあるが、それにも理由がある。もしも果実が美味しければ、鳥がその場で食べ続けてしまい、種子があちこちにばらまかれない。植物は果実をわざとまずくしたり毒を含むことによって鳥が1回に食べる量を制限している。こうして種子は何度かに分けて少しずつあちこちに運ばれる。
冬の赤い果実には植物の思惑が隠されている。
出典『身近な木の実・タネ』『日本有用樹木誌』