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椿(ツバキ)は冬から春に咲く花木で、赤・白・ピンクの花や、絞り・覆輪のある品種を楽しめます。ヤブツバキやユキツバキをはじめ、多彩な種類・品種の特徴を写真とともに紹介します。
花の色や咲き方、見頃の時期を手掛かりに、お気に入りの椿を探してみましょう。
多くのツバキは冬から春に花を咲かせますが、開花時期は種類・品種や地域の気候によって異なります。赤い花だけでなく、白やピンク、複数の色が入る花もあります。花色に加え、一重・八重・千重などの咲き方を比べると特徴を捉えやすくなります。
本文で紹介する椿の中から、花色と咲き方で選びやすいものを挙げました。
| 花色 | 種類・品種 | 特徴 |
|---|---|---|
| 白 | 加茂本阿弥 | 一重の抱え咲き〜椀咲き |
| ピンク | 乙女椿・太郎冠者 | 乙女椿は千重咲き、太郎冠者は一重 |
| 濃い赤 | 藻汐・黒椿 | 藻汐は濃紅色、黒椿は暗紅色 |
| 紅白の模様 | 岩根絞・玉之浦 | 岩根絞は白斑、玉之浦は白い縁取り |
日本に自生する代表的なツバキにはヤブツバキとユキツバキがあります。ここでは野生のツバキと、花の形や色が多彩な園芸品種を紹介します。
ヤブツバキはツバキの原種です。本州・四国・九州・朝鮮半島南部に分布し、樹高が高いのが特徴です。
ユキツバキもツバキの原種です。本州の日本海側に分布し、雪が多く降る地域に生息するので樹高が低いのが特徴です。
雪に耐えられるしなやかな枝をもち、日本海側の多雪地に生えます。春に花を咲かせ、花びらが平らに開くのが特徴です。
ユキツバキはヤブツバキの変種や亜種として扱われることもありますが、別種として扱う分類もあります。
リンゴツバキは屋久島などで見られる、果実の大きいツバキです。リンゴのように大きな実が名前の由来で、ヤブツバキの変種として扱われることもあります。
侘助はツバキの仲間で、小ぶりで控えめに咲く花が茶花として親しまれています。一般に「侘助椿」と呼ばれるものには複数の品種があり、一つの品種だけを指すとは限りません。
名前の由来には諸説があります。由来の伝承と植物の分類を分けて考え、品種名や花の特徴を確認すると見分けやすくなります。
加茂本阿弥は京ツバキを代表する品種のひとつです。白い花が一重の抱え咲き〜椀咲きになり、太い筒状のおしべが目立ちます。
岩根絞は濃い紅色の花びらに白い斑が入る品種です。八重咲きの大輪で、紅白の模様が目を引きます。
玉之浦は長崎県五島列島が誇る名花です。紅い花弁を白く縁取ったような花姿がとても美しく、幻の椿と呼ばれています。
玉之浦は昭和22年炭焼き業者によって偶然に発見され、幻の椿として一躍愛好家の注目を浴びました。相次ぐ乱獲により原木は枯死し失われてしまいましたが、子孫は世界中に広がっています。
太郎冠者は別名「有楽(うらく)」と呼ばれる古典品種です。紫を帯びた桃色の一重の花を咲かせ、茶花として親しまれています。
玉霞は「抱え咲き」「玉咲き」と呼ばれる咲き方が特徴です。花弁が雌しべをくるんで守るように咲きます。白地かピンク地の花弁に小さな絞り模様が入り、蕾が咲きかけの時期は特に愛らしい姿を見せてくれます。
藻汐は江戸時代からある古典品種です。濃い紅色でレンゲ状に八重の花を咲かせます。バラのような雰囲気の咲き方が特徴的です。
蝦夷錦は「椿伊呂波名寄色附」(1859年)に記載がある、代表的な江戸ツバキです。白地か淡いピンクの花弁に濃い紅色の絞りが縦に入るのが特徴です。
草紙洗は江戸時代からある古典品種です。淡い桃色の花弁に吹きかけたような紅色の総絞りの花を咲かせる名花です。花つきがよく、庭木に適しています。
「草紙洗」という名前はこの花の流れるような絞り柄が、小野小町が草紙に書き加えられた新たな墨を洗い落とす様子を連想させたことにより名付けられました。
卜伴は江戸時代からの名花で別名は「月光」です。泉州貝塚の茶人卜伴によって植えられたと伝えられています。濃い紅色の外側の花弁と、雄しべが変形して花弁のようになった内側の花弁のコントラストが美しい品種です。
菱唐糸は関西で古くから栽培されてきた江戸ツバキの品種です。蓮華咲きと呼ばれる咲き方をすることが特徴で、立体感のある端正な形の小さな花が咲きます。
村下は島根県奥出雲で発見されたヤブツバキの枝変わりです。村下とは製鉄に従事する職人のことを指します。燃えるような朱紅色が製鉄の火色に似ていることから命名されました。
黒椿は4〜5月になると、暗紅色の花を咲かせる八重咲き品種です。花はもちろん株全体も暗色調となっており、見る者に優雅な印象を与えます。
乙女椿は春にやさしいピンク色の花を咲かせます。幾重にも花びらが整って重なる千重咲きで、卵形の葉はヤブツバキよりも小さめです。
整った花姿が親しまれ、公園などにも植えられています。
日本原産の明石潟は江戸時代以降盛んに栽培されてきた椿の一種です。日本在来の椿のなかでも最大級の花径を誇る大輪を咲かせます。
天ヶ下は紅色の花びらに白い斑点が見られる大輪を咲かせる品種です。枝が横に広がる性質があるため、植える場所には枝を伸ばせる余裕をもたせましょう。
王冠は熊本県で創り出された肥後椿の一種として知られています。黄色い花芯と紅白の花びらのコントラストが美しく、実に見応えのある椿です。
唐錦は江戸椿の銘花とされている歴史ある椿の一種です。桃色の花びらに薄い絞りが密に入っており、じっくり観賞すればするほど楽しめる椿となっています。
唐獅子は12〜翌3月に開花期を迎える椿です。花びらが幾重にも重なることで全体的にこんもりとした花姿となります。
光源氏は縦絞りの淡紅色の花びらに白い覆輪が入った花を咲かせる品種です。花の美しさゆえに、古くから人気を集めている江戸椿を代表する存在でもあります。
古金襴は3〜5月にかけて開花する品種です。白を基調とした花びらに紅色の縦絞りが入り、全体的に立体感のある花姿をしています。
アザレアツバキは中国原産の低木の椿で、葉っぱも花びらもやや細長い形なのが特徴的です。
バラ色の花を咲かせます。冬から春に咲く多くの椿とは異なり、夏にも花を楽しめる種類です。
カイドウツバキはベトナム原産の常緑小低木です。
花径3cmほどのかわいらしい赤い花を咲かせます。10月から4月頃まで花を楽しむことができます。

ナツツバキはツバキ科ナツツバキ属の落葉樹で、ツバキ属の椿とは別の仲間です。6〜7月ごろに椿に似た白い花を咲かせます。
まだら模様の美しい樹皮をもつ幹はまっすぐに伸び、花は花径5センチほどの白い花で、ふちが波打ちギザギザしているのが特徴的です。
ツバキは古くから日本人に愛され、日本の園芸品種だけでも相当たくさんの種類があります。一重、八重、千重咲き、絞りなど、花の形や模様も千差万別です。
白い一重の花なら加茂本阿弥、ピンクの千重咲きなら乙女椿、紅白の模様を楽しむなら岩根絞や玉之浦など、花色と咲き方を比べてみましょう。見頃は地域や年によって前後するため、鑑賞に出かける際は現地の開花状況も確認してください。

GreenSnap編集部