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醜男
2024/03/23
杏子(アンズ)
バラ科アンズ属の落葉小高木。ウメの近縁種で英名はアプリコット。中国北部の山岳地帯原産で奈良時代に渡来した馴染み深い果樹。樹皮に細かい縦筋が入り、樹形はウメより直立した形。花期は3~4月。花は葉よりも先に開くが、香りはない。花弁は5枚で淡紅色、紫色の萼片が反り返る。葉はウメより幅が広く葉柄も長い。果実は核果。6月ごろ黄色〜橙色に熟す。縦に溝が入り、表面にはビロード状の毛が密生する。古くは熟した果実を土の中に埋めて果実を腐らせて堅い内果皮の殻を叩き割って種子(仁)を採った。植栽は長野県、青森県など冷涼な地域に多い。
栽培の歴史は古く、中国北部から中央アジア、イラン、トルコなどを経てヨーロッパへ達したグループと、中国北部から日本に伝えられたグループがある。前者は乾燥条件に適応し酸味が少なく甘みが強い。後者は湿潤条件によく耐えるが、酸味が強く、生食にはやや不適で加工されることが多い。日本では明治時代からジャム、干しアンズ、缶詰に利用するようになった。種子(仁)には苦味が強いものと甘いものとがあり、前者は薬用(鎮咳・鎮痛効果)に、後者はナッツとして利用されるが、日本の品種は苦味が強い。小粒の苦いアンズ『苦杏(クーシン)』の種子(仁)を『杏仁』といい、これを原料にして杏仁豆腐が作られる。
奈良時代に唐(中国)から渡来したことから、当時は唐桃(カラモモ)と呼んでいた。その後、中国では『杏』『杏子』と書き、唐音で『アンズ』ということが分かったのでカラモモを改めアンズとした。現在もアンズと呼ばれるが、カラモモの別名も残る。
出典『食材図典』『樹木 見分けのポイント図鑑』『里山の花木 ハンドブック』『薬草の呟き』『樹木の名前』
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栽培の歴史は古く、中国北部から中央アジア、イラン、トルコなどを経てヨーロッパへ達したグループと、中国北部から日本に伝えられたグループがある。前者は乾燥条件に適応し酸味が少なく甘みが強い。後者は湿潤条件によく耐えるが、酸味が強く、生食にはやや不適で加工されることが多い。日本では明治時代からジャム、干しアンズ、缶詰に利用するようになった。種子(仁)には苦味が強いものと甘いものとがあり、前者は薬用(鎮咳・鎮痛効果)に、後者はナッツとして利用されるが、日本の品種は苦味が強い。小粒の苦いアンズ『苦杏(クーシン)』の種子(仁)を『杏仁』といい、これを原料にして杏仁豆腐が作られる。
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