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シュロチクは、中国南部から南西部原産の植物で、江戸時代に日本にやってきました。漢字では「棕櫚竹」と書きますが、竹ではなくヤシ科の植物です。シュロチクは、別名「緑の宝石」ともいわれるほど、ツヤツヤした濃い緑色の葉っぱをつけ、高さ2メートルから4メートルほどの大きさに育ちます。
ここでは、そんなシュロチクの育て方についてご紹介したいと思います。
シュロチクは日差しが苦手で、基本的には半日陰に置いて育てますので、室内向けの植物だといえます。とはいえ、日当たりの良くない暗い室内に置いたままにしておくと育ちませんので、直射日光の当たらない明るい場所を選びましょう。
夏場は特に、直射日光が当たらないように注意が必要です。ただし、冬場はガラス越しに日の当たる窓辺を選んで置いてください。ただし、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
シュロチクに直射日光が当たると、葉っぱが変色して枯れてしまいます。一度変色してしまった葉っぱは元には戻らないので、色が変わってしまった葉っぱはカットして取り除いてください。
シュロチクは、観葉植物の中では比較的耐寒性がありますので、霜さえ付かなければ屋外で育てることも可能とされています。屋外に置く場合は、強風の当たらない半日陰を選び、10度を下回る頃から屋内に入れるとよいでしょう。地植えなら、霜がつかないよう株元に藁を置くなどして保護してください。
シュロチクには、鉢土が白っぽく乾いたら、たっぷりと水やりをします。
特に夏場は高温で乾燥しますので、毎日欠かさず水やりをしましょう。ただ、土が濡れているのに水やりをし続けると、根腐れを起こしやすくなります。土の表面が乾いているかどうかチェックしてから、水やりをしてください。受け皿に水が溜まったままにならないようにしましょう。
冬場については、シュロチクへの水やりを控えて乾燥気味に管理します。10度を下回るようなら、あまり水分を必要としなくなるので、土が乾燥してから3日程度あけて水やりをします。
また、シュロチクには1年を通してこまめに霧吹きで葉水をし、湿度を保ちましょう。シュロチクは水やりが不足して乾燥しすぎると、葉っぱが傷んで枯れてきますので注意してください。
シュロチクには、春から秋の時期にかけて肥料を施します。5月から9月頃に、緩効性化成肥料を2か月に1回程度を目安に、置き肥します。有機肥料ですとコバエが発生しやすいので、化成肥料の利用がおすすめです。
冬場は生育がストップするため、肥料は必要ありません。冬に肥料を与えると肥料焼けを起こしてしまうので、置き肥は取り除いてください。
シュロチクには、水はけがよくてある程度水もちもよい土を使います。例えば、赤玉土4:鹿沼土3:腐葉土3の混合土などがおすすめです。
市販の観葉植物用の土でも大丈夫ですが、赤玉土を少し混ぜておくと水はけがよくなります。水はけが悪いと根腐れを起こしてしまいますのでご注意ください。
シュロチクは2年から3年に1度、定期的に植え替えをしましょう。
また、シュロチクは根詰まりや根腐れを起こすと、根っこから十分水分を吸収できないため、葉先が枯れることがあります。葉先が枯れるようなら、植え替えが必要です。
シュロチクの植え替え時期は、5月から6月頃が適期ですが、株分けをしない場合は9月頃まで可能です。ただし、真夏の猛暑日などは避けましょう。
シュロチクの花が咲いたときも、植え替えのサインの可能性があるので、根詰まりに注意してください。
シュロチクの増やし方は「株分け」が一般的です。
株分けに適している時期は5月から6月頃ですので、植え替えと同じタイミングで行うのが良いでしょう。
株をあまり細かく分けると見栄えもよくないですし、再生に時間がかかってしまいますので、少なくともそれぞれの株に3本くらいの幹と枝を残して株分けをしてください。
まず、鉢のふちをたたいて鉢から株を抜いたら、古土を落とします。根鉢ごと水に入れて洗うようなどしてください。このとき、傷んだ根っこは切り落としてくださいね。
シュロチクの根茎を幹3本程度に切り分け、それぞれの株を新しい鉢に植え付けて、水を与えればOKです。植え付けの際は、水はけをよくするため、土を入れる前に鉢底石を入れておきましょう。
植え付け後2週間程度は、日陰で管理しながら様子を見てください。
シュロチクは枯れた葉の除去や鉢底から伸びた根っこの切り落としなどをしながら、手入れします。
シュロチクの葉や茎が自由に伸びっぱなしになると不格好で、かつ風通しも悪くなってしまうので、伸びすぎた葉や茎は、適宜剪定します。不要な葉っぱや茎を剪定するときは、新芽が出てくるように根元からカットしてください。
また、シュロチクの葉先だけが枯れて変色している場合は、その部分だけ剪定すればOKです。
シュロチクは比較的病気に強い植物ですが、カイガラムシなどの害虫には注意が必要です。見つけたらすぐに殺虫剤を散布して駆除してください。成虫には殺虫剤が効きにくい場合がありますので、歯ブラシなどでこすり落としてもOKです。
ほかに、アブラムシやハダニが発生することもあります。葉水をすることでハダニなどの害虫を防ぐこともできます。
また、カイガラムシがつくと、その排泄物が原因で葉っぱが黒く変色する、すす病を引き起こすことがありますのでご注意ください。
シュロチクの花言葉には、「思慮深い」「向上心」「成功」といった意味がつけられています。
ここでは、江戸時代に日本にやってきたヤシ科の植物、シュロチクの育て方についてご紹介しました。
アジアンや和モダンな空間によく合うシュロチクは、耐陰性があるので室内で育てることができ、インテリアに彩りを添えてくれます。また耐寒性があることから屋外で育てることも可能です。
シュロチクは比較的育てやすくて丈夫ですので、初心者にもおすすめできます。ぜひ育ててみてください。
※トップ画像はe-RANさん@GreenSnap
GreenSnap編集部