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ツルウメモドキは、ニシキギ科のツル性樹木です。北海道から沖縄までの日本全域のほか、朝鮮や中国にも分布しています。山野に自生する丈夫な品種で、耐寒性と耐暑性に優れ、樹高は2m~3mであることから、鉢植えだけでなく地植えにも適しています。また、ほかの樹木や柵などに巻き付いて成長し、花や実の鑑賞を楽しむことができます。そんなツルウメモドキの育て方を説明します。
ツルウメモドキは、日なたや半日陰にある柵などに巻き付けるように育てるといいでしょう。土質はそれほど選びませんが、水はけのよい場所で育てるのが向いています。
ツルウメモドキへは、こまめに水やりをする必要はありません。
ただし、夏の暑さで土が乾燥しやすいときには、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。夏の時期には水が熱くならないよう、朝か夕方に水やりをしましょう。
ツルウメモドキの成長期にあたる3月~4月頃と9月~10月頃には、月1回程有機肥料を与えます。ただし、肥料を与えすぎると実がつきにくくなるので注意しましょう。
ツルウメモドキはとくに用土を選びませんが、水はけが悪くならないように注意します。水はけの悪い場所に植えるときには、土に腐葉土を混ぜ込んで水はけのよい用土をつくってから植え付けましょう。
ツルウメモドキの植え付けは、落葉期である11月~3月頃に行います。水はけをよくするために、植え穴を大きめに掘ってから腐葉土を多めに混ぜた用土に植え付けましょう。
雌雄異株なので、赤い実がついている雌株の苗木を購入して植えると、実のなる枝を楽しむことができます。よりツルウメモドキの実をつけやすくするには、雌株と雄株を両方購入して近くに植えるといいでしょう。
ツルウメモドキを鉢植えで育てているには、根詰まりを防ぐためにも、1年~2年に1回程度植え替えを行ってください。
植え替えに適した時期は3月頃で、根鉢のからんでいる部分を切り、ひと回り大きい鉢植えに赤玉土に腐葉土を混ぜた用土を入れて植えます。植えたあとには、たっぷりの水を与えましょう。
ツルウメモドキの増やし方には、「種まき」や「挿し木」という方法があります。
挿し木の場合には、前年に実ができた枝の先を切った中央部分を取り、数時間水揚げをして挿し木をつくります。水はけのよい山砂や腐葉土を用土に用いて、上からビニールをかぶせる密閉刺しにすると根がつきやすいでしょう。
種まきの場合には、熟した実を秋に採取して種を取り出しておきます。種はよく水洗いし、乾かさないように保存しておいたものを、2月~3月頃に水はけのよい用土にまき、発芽するまではしっかりと水やりをしましょう。
ツルウメモドキはツルが伸びすぎると絡まって、枝の風通しが悪くなるので、伸びすぎている部分は2月~3月に剪定します。
また、4月~5月頃に新芽を切っておくと、残った枝葉腋から二番芽が出てくるので、伸びている新芽はこの時期に芽摘みをします。
さらに、5月~6月の開花の時期には、雄花を使って自分で雌花への受粉を行うと、実がたくさんつきやすくなります。
ツルウメモドキを育てるときは、アブラムシやウドンコ病などに注意が必要です。風通しが悪く、水はけの悪い場所では、病気や害虫が発生しやすくなるので、植える場所の土壌や水やりなどに気をつけましょう。
アブラムシは葉や茎について吸汁したり、病気の原因になったりします。窒素系の肥料を多く与えすぎると発生しやすいといわれています。アブラムシを見つけたら、増殖する前にブラシで落としたり、薬剤で駆除するようにしましょう。
ウドンコ病は葉や茎などに白い粉のようなカビが広がる病気です。そのままにしておくと葉や茎、実の形が悪くなります。病気にかかった葉や実を見つけたら早めに取り去って周りに広がらないようにしましょう。進行が進んでいたら、薬剤で治します。
ツルウメモドキは、5月~6月頃には黄緑色の目立たない小さな花を咲かせます。
ツルウメモドキには10月~12月には丸い実がなります。雌雄異株のため、雌花をつける雌株と雄花をつける雄株にわかれていて、実が雌株につきます。たくさんの実をつけたいときには雌雄両方の株を植えるといいでしょう。
ツルウメモドキの丸い実は、秋に黄色く熟してから3つに割れ、中から丸く赤い種子が顔を出します。その黄色と赤色のコントラストが鮮やかで美しく、観賞用として人気があります。
ツルウメモドキの花言葉は、「真実」「大器晩成」「強運」です。
「大器晩成」という花言葉は、遅い時期に美しい実が熟することからついていると考えられます。ほかにも、真実や強運のように素敵な花言葉がつけられています。
ツルウメモドキは、黄色の仮種皮が3つに割れて、中に見える赤い種との色のコントラストが美しい樹木です。
ツタの自然な造形を生かしたリースや、アレンジ、生け花などに使われます。また、自然にドライフラワーになるので、水に活けなくてもきれいに飾ることができます。
今回はツルウメモドキの育て方や植え替え、増やし方などをご紹介しました。
用土を選ばず、耐暑性、耐寒性がある丈夫な植物なので、日本国内のどのエリアでも育てることができます。日の当たる水はけのよい場所を選んでいれば、生命力が強いので育て方はそれほど難しくありません。
赤や黄の実がなるウメモドキは、その趣のある枝がリースや生け花などの花材としても人気があります。育てたあとにきれいに飾れるツルウメモドキなら、美しい植物をさまざまな方法で楽しむことができそうですね。
※トップ画像はななぱふさん@GreenSnap
GreenSnap編集部