warning
error
success
information
不夜城(フヤジョウ)は、ユリ科アロエ属に分類される多肉植物です。火傷跡や健康食品としても有名なあのアロエの1品種ですが、残念ながら食用ではなく観賞用となっています。葉は美しいロゼット状を形成し、その高さは30cmくらいになります。葉の形は三角状で白い棘があります。そんな不夜城の育て方をみていくことにしましょう。
不夜城は日光を好みます。日光不足に陥ってしまうと、極端に色合いが悪くなってしまいます。そのため、一年を通じて日当たりが良い場所、もしくは半日陰になる場所で管理して育てることが大切です。
フヤジョウはアロエの仲間ですので、日当たりにも強いという性質が元々ありますが、園芸店などの店内に長い期間に渡って置いてあったり、まだ出荷してまもない頃では、いきなり強い真夏の直射日光に当ててしまうと、さすがに葉焼けをしてしまうことが多いです。
そして本来は少々の冬の時期の霜に当たっても枯れることはないのですが、この場合も急に室内から屋外へと出してしまうと、すぐ枯死してしまうことがありますので、少し注意が必要です。
逆に冬の時期にずっと室内に置いたままだと日光不足になり、そのまま春になっていきなり日光浴をさせてしまうと、葉焼けを起こす原因となります。ですので、冬の時期でも日中の暖かい時間帯を見計らって適度に日光浴をさせてあげましょう。
春〜夏の時期については、不夜城が真夏の強い日差しで葉焼けを起こして弱ってしまうのを避けるため、室内もしくは戸外でも日当たりがある程度確保できる場所か半日陰になる場所で管理を行うようにします。
冬の気温が低くなる時期には、戸外よりも室内の日当たりが良いリビングや明るい玄関先などに置いて管理するのがおすすめです。
育てる地域によっては、霜や寒さによりすぐに枯死してしまいますし、仮に枯れない状態であっても、その見た目が悪くなってしまいますので注意するようにしましょう。
また、不夜城は鉢植えだけでなく、庭に地植えすることもできます。その場合には、ある程度暖かい場所かつ水はけが良い場所であることが条件となります。
屋外でもよく生育してくれますが、問題は冬の寒さとなります。少々の霜に当たったくらいではすぐに枯れたりしませんが、それが頻繁になると枯れる原因となります。
株が大きく生長した後では耐寒性がUPしますので、子株を鉢植えで育てたあとで、庭に移植するなどすると安心です。
不夜城は、基本的には土が乾いていたら水やりを行うようにします。多肉植物に分類される事からもわかるように、あまりにも頻繁に水を与えてしまうと根腐れを起こしてしまう事があるので気をつけましょう。
夏の水やり目安としては、土の表面部分が濡れる程度でOKです。水やりをして1周間以上も土が湿っているのは水のやり過ぎです。
不夜城は暑さや寒さともに結構丈夫で強い性質を持っていますので、水やりをうっかり忘れてしまった程度ではすぐに枯れてしまうような事はありません。
冬の寒い時期には、不夜城の水やりは半月〜1ヵ月に1回程度で十分です。冬場でも水やりは必要ですがやや乾燥気味を念頭に入れておくようにして下さい。
不夜城の肥料についてですが、春〜夏の時期には、2周間に1回を目安に液体肥料を施すようにします。もしくは、月に数回程度肥料をあげるとよく育ってくれます。
それ以外には、緩行性の化成肥料や固形タイプの油かすを置き肥として与えるようにします。こうすることにより、株の根本部分から子株が生え易くなるだけでなく、株全体も元気に順調に生育してくれます。
ただし、寒い冬の時期は不夜城の休眠期となるため、特に肥料は必要としませんので控えましょう。
不夜城を育てるときは、水はけが良いだけでなく、保水力と有機質を持ち合わせた土を使うようにしましょう。
初心者の方は、園芸店などで販売されている多肉植物専用の土かサボテン専用の土を利用するととても簡単で便利です。もし自分でつくる場合には、「赤玉土3:鹿沼土1:腐葉土2:砂4」の割合で配合した土がおすすめです。
不夜城の植え替えは、根が張って詰まってきてしまった場合に行うようにします。
植え替え方法ですが、鉢から不夜城を抜いてから土を落とします。その際に大株と子株を分けます。大株の根本の傷んでしまっている葉などを丁寧に取り除きます。下の方からむしり取るのがコツです。
次に大株と子株の根を短かくカットして、それらを1周間〜10日程度日陰の場所でよく乾かします。切断部分が乾いているのが確認できたら、それぞれの株の大きさに合うような鉢に植え替えます。
鉢は汚れたものだと雑菌などが付きやすいため、できるだけきれいな清潔な鉢の中に植え替えるようにしましょう。
植え替え時期の理想としては春がおすすめですが、真冬の寒い時期以外ならばいつでも植え替えする事ができます。
植え替え用の土は新しいもの使うようにして下さい。鉢は8号鉢くらいまでが扱いやすいため、それ以上大きくさせたい方でしたら、庭に地植えする方が良いとは思います。
不夜城を上手に管理して育てていると、子株がどんどんと出てきます。不夜城を庭に地植えしている場合には、この子株が生長して辺一面が放っておいても、アロエの森のような感じになります。
鉢植えの場合には、子株が増えすぎると親株の生育が極端に悪くなってしまいますので、1年に1回を目安に植え替えと同時に「株分け」を行って、子株を別の鉢へと植え替える増やし方が良いでしょう。
株分けの方法ですが、子株をハサミを使って下の方から丁寧に切り取ります。それを日陰で1周間程度を目安として乾燥させます。色が少し悪くはなりますが、それで枯れる事はありませんので心配しなくてOKです。
必ずこの陰干しを行わないと、植え付ける時に、根付きが悪くなってしまったり、全く根付かなかったりするので重要なポイントです。
乾燥させたら子株を鉢に植え付けます。この時に、最初の2週間程度は水やりは行わないようにして下さい。しばらくの期間は、葉の色が悪くなる場合がありますが、根気強く待ってみましょう。そのうちに葉の緑色が戻ってきます。そうなったら根付いた証拠です。
この際に使用する土には肥料は特に必要ありませんが、園芸用で売られている土は、最初から肥料が含まれているものがあるので注意して下さい。自分でつくる場合には、「赤玉土・腐葉土・砂」を混ぜて作った土がおすすめですが、この際には、腐葉土は少なめに、砂は多めにするのがポイントです。
不夜城につく害虫は特にありませんが、ごくごくたまにカイガラムシやアブラムシが付く事があるようです。そのときは、発見次第すぐに洗い流すか拭き取るようにして除去します。
病気についてですが、過湿環境であったり、風通しが悪い場所で育ててしまうと、根腐れを起こしやすくなるカビ類に侵食され易くなってしまうため、その点は注意が必要です。
不夜城は、冬の寒い時期には5℃前後の気温が必要です。しかし、断水をする場合には、0℃〜3℃くらいまでは耐えることができます。
もし不夜城を育てる場所が暖かい地域なら、冬場でも屋外で育てることも可能となります。
寒さで弱ってくると葉のフチの部分が、茶褐色へと変化します。また根詰まりや過湿でも同じような現象が起こりますので注意するようにしましょう。冬に屋外で鉢植えしていて、葉のフチが茶褐色に変色してしまった場合には、そのままにせず室内へ移動させましょう。
不夜城は、現在日本では色々な交配パターンでつくられたもの流通しています。その葉姿や色味も株によって違っていて個性的です。
例えば、葉の緑の部分が多いものであったり、葉の幅が広い縞斑が入ったものなどがあります。そのため、選ぶ楽しみがある多肉植物です。肉厚の葉が放射状になって広がる様が美しく人目を引きます。
全体的な特徴としては、葉のフチに白い鋭い棘が突き出ていて、濃緑色の葉を持っています。葉には斑模様が入っています。薬効もあるとはいわれていますが、食用には向かず、どちらかといえば観賞用のアロエとして知られています。
棘は触ると痛いので、小さなお子さんが居られる家庭で育てる場合には特に注意が必要です。
不夜城の花の色は、一般的にはオレンジ色をしています。1つの花軸に、数十以上の花がついているのが特徴です。花の形態は、筒状の形となっています。花軸は長く葉の上に伸びて途中で何本かに分岐したり、そのまま一本であったりします。
不夜城の花が咲く6〜7月頃の時期になると、葉の濃緑色とオレンジ色の花とのコントラストが目を引き楽しめます。ただし、冬の時期の日照時間が短すぎると花芽が付きにくいので、冬場でもある程度の日光浴は必要です。
甘い蜜が出ますので、屋外に置いていると、メジロなどの鳥やカマキリなどの虫が蜜を吸いに来たりもするようです。
また、開花したからといってそれ以降、毎年開花するとも限らないようです。再び開花した不夜城の花は、下向きに垂れていくのが特徴です。
不夜城の花言葉には、「健康」「信頼」「迷信」があります。
今回は不夜城の育て方についてご紹介してみました。
ちょっと怖い名前が付いているイメージとは違って、斑入りの濃緑色の葉と、葉のフチを取り囲むようにある白い棘とのコントラストがとても美しい多肉植物です。
葉も花も観賞用としてもピッタリで、またポイントを押さえれば初心者の方にも育てやすいのでぜひ一度この記事を参考にして育ててみて下さいね。
GreenSnap編集部