warning
error
success
information
ヒヤシンスは、茎の先端に多くの香りの良い、独特な形状の花を咲かせるユリ科の球根植物です。とても簡単に育てられ、花壇に植えたり、室内のインテリアとしても楽しめるので、初心者にもおすすめの花です。
今回はそんな育てやすい球根植物、ヒヤシンスの育て方をご紹介していきます。
ヒヤシンスは、基本的には日当たりのいい場所で育てましょう。
なお、花には芳香性があり、蜂が寄ってくるため、屋外に置くときはドアなどの人の出入りの多い場所は避けた方が良いでしょう。
鉢植えヒヤシンスを室内に置くなら、花が咲く12〜1月ごろまでは、暖房の効いた部屋に置くのは避けましょう。できれば気温10度くらいの環境で、窓ガラス越しの日光に当ててください。
ヒヤシンスはしっかりと寒さにあてないと開花しません。1日中暖房が効いている部屋で夜間も室温が下がらないと、花が咲きにくくなるので注意しましょう。
水耕栽培で育てる場合は、球根の根の生えてくる部分だけ水につかるようにセッティングします。水が減ったら足す。水が濁ってきたら新しく入れ替えるといったお世話が必要です。
水栽培については、以下の記事を参照ください。
ヒヤシンスは、基本的に水はけの良い土を好みます。ヒヤシンスを鉢植え(土植え)する場合は、水はけの良い土を選びましょう。
また、ヒヤシンスは酸性の土壌を苦手とするため、酸性土壌の場合は石灰などを撒いて酸性を中和しておきましょう。酸性やアルカリ性がよくわからない場合や、実際に土を手作りするのが面倒な場合には市販の「花と野菜の土」でも問題ありません。
鉢植えの場合は、鉢底に鉢底ネットと鉢底石を入れます。
ヒヤシンスの球根を土に植え付ける場合は、9月〜11月上旬頃が植え付け時期の適期です。
4〜5号程度の鉢に、球根1つを植えるようにします。球根の頂点が地表から少し出る程度の深さに、穴を掘って植え付けます。
一度寒さに当てることで花をつける性質があるので、花が咲くまでは屋外で寒さにあえて当てましょう。
夏の時期は、ヒヤシンスの休眠期となります。葉が枯れる時期ですので、水やりを控えます。
ヒヤシンスの生育期は9〜4月となっています。そのため、冬の時期は、土の表面が乾いていたらたっぷり水やりをします。
ヒヤシンスを土で栽培する場合は、植え付けの際にゆっくりと効果を出すタイプの肥料を混ぜておきましょう。
その後、発芽してから花が咲いている期間は液肥を使用します。1周間から10日に1度のペースで、液肥を追肥として使用するのが良いでしょう。
市販の培養土で育てる場合は、最初から「元肥」が入っていますので、追加で肥料をあげる必要はありません。
ヒヤシンスは耐寒性が高く、むしろ一定の寒さを必要とする花です。
冬に気温が高すぎる場所で管理すると、かえって花がつかなくなってしまうので、ある程度寒い場所に置いておくことも重要です。
ヒヤシンスの花が終わったら、次の花を長持ちさせるためにも、花がらをこまめに摘みましょう。
花がらをそのまま放置しておくと、その花に栄養を与えようと本体が枯れた花に栄養を回そうとします。それではほかの花の持ちが悪くなったり、蕾が栄養不足になってしまうので、枯れていると感じたら適宜花がらは取り除くようにしましょう。
ヒヤシンスのすべての花が終わったら、花がらと花茎を根本からカットしてください。葉はそのまま残しておきますが、次第に黄色く変色してくるので、その状態になったら取り除きましょう。
鉢植えでヒヤシンスを育てている場合、毎年のように花を長年咲かせたいのであれば、植えっぱなしはNGです。
できれば1〜2年に1回は、6月の梅雨の時期に入る前に球根を掘り起こして、秋に新しい土に植えましょう。
庭に地植えしている場合は、数年植えっぱなしにしておいても問題ありません。年々花数や大きさは衰えていきますが、毎年きちんと花を咲かせてくれます。
ただし、花つきが悪くなってきたと感じる場合は、分球をかねて3〜4年に1回を目安に掘り起こしましょう。
ヒヤシンスの球根からはかぶれる物質が分泌されているので、このとき素手で球根を触らないように、軍手やゴム手袋を使用してください。
一度掘り上げたヒヤシンスの球根は、自然に分球しにくいです。そのため、増やしたい場合にはあえて人為的に球根を傷つけて増やす方法があります。
掘り上げた球根は、7月を過ぎたら半分の深さに従事の切れ目を入れましょう。そして保管しておくと、切れ目の部分に小さな球根がつきます。
このミニサイズの球根をそのまま土に植え、育てていくと2〜3年で花を咲かせるサイズの球根に成長します。ちなみに、傷をつけた親の球根はもう花は咲きません。
比較的強い植物として知られているヒヤシンスですが、病気に罹ることもあります。
その中で多いのが軟腐病です。軟腐病は細菌性の病気で、球根の傷口から入り込むと言われています。この軟腐病は発病すると球根が腐り、溶けていきます。この病気にかかってしまうともう治すのが難しいので、被害に遭った球根やその株は廃棄します。
また、まれにアブラムシがつくこともあるので、そのときは取り除くか、市販の殺虫剤を使うなどして駆除してください。
ヒヤシンスの育て方を中心に水やりや生育環境、温度管理のコツなどを紹介しました。
球根から育てるのは時間もかかるので花が咲くまでとても待ち遠しいですよね。上手に育てることで次の年にも再び花を咲かせてくれることがあります。
ヒヤシンスは耐寒性の強い植物なので、ポイントさえ抑えれば、そこまで育て方が難しい花ではありません。初心者でも育てやすいので、環境を把握しながらチャレンジしてみましょう。お部屋の中で、ヒヤシンスの花の成長を楽しんでみてもいいですね。
松原真理子
GreenSnap編集部