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爽健美茶のCMで初めて知ったこともあるでしょう、食べられるエディブルフラワーのチコリ。名前だけでも可愛らしい感じが伝わりますね。お料理としても彩りを与えるチコリの育て方をご紹介します。
チコリは日向から半日陰で栽培します。春や秋など、温かい日照りの時期は日なたで育て、夏はきつすぎる直射日光を避けるため、半日陰で育てるといいでしょう。
鉢植えなら置き場所を変えると日光が調整できますが、地植えの場合だと移動は難しいので、遮光板や寒冷紗を施すことで日光を調節してみるといいでしょう。
またエディブルフラワーであるため、日当たり量を調整することでチコリの味を変えることができます。
軟白栽培と呼ばれる栽培方法は、日に当てないで育てることをいいます。チコリは緑の葉や赤の葉が通常ですが、軟白栽培をすることで薄黄色になります。
日光量が少ないので栄養価は低くなりますが、すっきりとした味わいで食感が柔らかくなり、食べやすくなります。料理に使いたいのであれば、軟白栽培で育ててみるといいかもしれません。
チコリは高温多湿を嫌うため、風通しのよい涼しい環境で栽培させるとベストです。どう育てるかによって鉢の置き場所は変わるので、観賞用なら通常通りに日なたでもいいですが、料理に使うなら軟白栽培で育ててもいいでしょう。
いずれにしても、基本は風通しのよい涼しい場所に置き、日光量は好みで調節しましょう。
水をやりすぎると蒸れて株がだめになってしまうため、鉢植えならば土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、地植えなら自然の降雨に任せましょう。
梅雨の時期は多湿になりやすいので、あげすぎないように土の乾き具合をいつもチェックしておくとよいでしょう。地植えならば、土壌改善で水はけのよくなるようにしましょう。
冬も同じように土の表面が乾いたら水をあげましょう。
チコリを植え付けたときに、元肥として緩効性の肥料を施しましょう。追肥も同じく緩効性の肥料を月1、2回ほど与えます。
チコリの葉を野菜として利用するため、軟白栽培を行うのであれば、肥料は不必要になります。
栄養となる有機物をたくさん含んだ肥沃で水はけの良い、アルカリ性の土地がチコリには好ましいです。
日本の土は弱酸性寄りなので、チコリを地植えするならば土壌改善が必要になります。石灰(アルカリ資材や苦土石灰)をまくことで、土壌がアルカリ性に傾きます。植え付けしたい2週間前までに、石灰を1㎡あたり100~200gほど土に混ぜておきましょう。
また、石灰をまくことで地面から雑草が生えにくくなるため、のちのお世話が楽になります。あらかじめ腐葉土や堆肥など混ぜ込んでおくと、よく肥えた土になるでしょう。
鉢植えならば、赤土、腐葉土を7:3の割合にして、水はけをよくするためパーライトを加えてもよいでしょう。
チコリの種まき時期は、9月が最適になります。
チコリの種は1粒が小さいため、1つのポットに数粒ずつまくといいでしょう。覆土をして、それから水をあげます。発芽して株が育ってきたら、1つずつポットに苗を分けていきます。
植え付けは10月が適正です。チコリは根を深く張るため、できれば30cm以上の深さまで穴を掘ったほうがいいです。鉢植えも同じく、最初から深鉢で育てるといいでしょう。
軟白栽培で育てるならば9月頃に根を掘り上げて、根元3cmぐらいのところで切り、新しい鉢に植え替えします。日が当たらない涼しい場所で管理すると、1ヶ月後に葉が生えてきます。
チコリは「種まき」で増やします。
育苗ポットで株を育てて、その後に鉢植えや地植えで定植できます。やり方として、育苗ポットに種まき用の培養土を入れます。種を数粒まき、発芽したら弱い芽は間引いてください。
本葉が2、3枚でてきたら元気な株を選び、ほかを間引きます。草が生えてきたら、プランターや庭に植え替えましょう。
春と秋の時期に発症しやすい、うどんこ病に罹りやすいです。またアブラムシの害虫被害にも遭いやすいので気をつけましょう。
アブラムシは植物の栄養を吸汁する厄介な害虫ですが、同時に吸汁の際に保菌している細菌やウィルスの感染を併発してしまいます。見つけ次第殺虫剤を散布するとよいでしょう。
またエディブルフラワーのため、無農薬栽培したいのであれば、天敵であるてんとう虫が寄ってきやすいハーブを植えるか、お酢を薄めた水を霧水して対策すると防ぐことができます。
チコリには、イヌリンという水溶性の食物繊維が多く含まれています。食物繊維は腸の運動を活発にするだけでなく、体外に排出するデトックス機能も高めてくれます。
体内に溜まった余分な水分や老廃物を押し出してくれるので、むくみの解消や便秘改善に効果的なハーブになります。また、チコリには消炎作用があり、炎症などを抑える効果もあります。
脾臓や腎臓など、排出器官の臓器を浄化してくれるので、インナービューティー効果が見込めます。肝機能を高め、デトックス効果を促してくれるので、肝臓を労りたいときに摂取するといいでしょう。
それだけでなく、イヌリンは別名天然のインスリンと呼ばれており、糖尿病の改善にも一役買っています。フランスではチコリの根をローストしたチコリコーヒーが人気で、ダイエットコーヒーとして飲まれたりしています。
チコリは、葉っぱや花、根などのすべての部分が食用できます。
主にヨーロッパのフランスでチコリが愛用され、チコリを使った手作りオードブルやダイエット効果のあるノンカフェインのチコリコーヒーなどが人気です。
エディブルフラワーなので、飾るだけで料理を楽しく彩ってくれます。サラダだけでなく、グラタンや炒め物、天ぷらにしても楽しめるし、生のままでも食べられるので、ディップにしてもパーティー感覚で楽しめることでしょう。
ただし、生のチコリは苦味が強いので、軟白栽培したものか、加熱しないかぎり苦味がやわらぐことはありません。苦味が苦手な人は、熱を加えたる料理にチコリを使ってみましょう。
チコリを軟白栽培をする際、気温は15度から18度までと、日の当たらない涼しい場所で管理しなければなりません。通常であれば最高25度までが適正温度になります。
チコリはキク科の多年草になります。
別名サッカリーやキクニナガ、アンディーブとも呼ばれていて、ヨーロッパでは特にアンディーブの名称でマルシェなどに売られています。淡い黄色の葉先をしたチコリに、赤い葉をしたチコリなど種類は豊富です。
「トレビーゾ・タルティーボ」や「トレビーゾ・プレコーチェ」など、見た目は赤チコリですが、親戚である「トレビス」というチコリの仲間に分類されることもあります。
プンタレッラは、チコリの仲間で別名「アスパラガスチコリ」とも呼ばれ、茹でた味がアスパラガスに似てることからその名がつきました。
チコリの収穫時期は、どの部分を収穫するかによって異なります。
葉や茎は、3月から5月の間で若葉が生えてきたタイミングで随時収穫します。花であれば5月から9月までと、長いスパンで収穫が見込めます。
種を採取したいのであれば、花が咲いたら収穫せずにそのままにしておきます。花が枯れたあとに種が取れます。
また、根であれば12月から翌年の1月の冬の時期に収穫ができます。ここで根を収穫するのであれば、2年目以降のものを掘り上げた方がよいでしょう。1年待った方が、より太った根を採取することができます。
チコリは日持ちしないため、収穫が終わればすぐにラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
チコリはデイジーに似た青紫の花を咲かせます。エディブルフラワーとして、この花も食べることができます。
チコリの花は、朝咲くと夕方には閉じる一日花です。しかし後から後から花を咲かせるため、4ヶ月ほどの長い期間は花を楽しむことができます。
放っておくと、1mから1.5m近くまで草丈が伸びることがあるので、生長させたいのであれば支柱などで支える必要が出てくるかもしれません。
チコリには「節約」と「待ちぼうけ」いう2つの花言葉があります。
節約はその昔、戦時中のヨーロッパでチコリの根をローストして、コーヒーの代わりに飲まれていたことからきています。
ここからチコリコーヒーが生まれました。物資の少ない戦時中だからこそ、節約することが大事だったのですね。
ドイツではチコリは「ウェグワート」と呼ばれ、「道端で待ちわびる人」や「捨てられた恋人」といわれています。
チコリの花色が青であることから、青ざめて悲しげだといわれ、約束した恋人を毎日道端で待ち続けている少女のように物憂げだとされています。
後者の意味なら悲しみに染まり悲観的ですが、前者は帰らぬと分かっていながら待ちわびる健気さが含まれますね。
日本でも栽培されつつあるチコリの育て方を紹介しました。高温多湿に気を付けることが一番重要になります。
美容成分や健康成分が多く含まれているので、自分で育てて料理にしてみるのも面白いですね。おもてなしに、自家製チコリ料理をふるまいましょう。
takenaka