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ホタルブクロは、見た目はしおらしく、繊細な佇まいをした植物ですが、山野草の一種であり、ジャガイモのように、地下茎で増えていきます。ホタルブクロの増え方も横へ横へです。
そんなホタルブクロの育て方をご説明します。
ホタルブクロは日の当たる場所を好みます。日当たりが悪いと花つき・葉つきがよくなりません。また、倒れ咲きになってしまったり、茎が細くなり葉と葉の間が間延びするなど、徒長を引き起こします。
ただし、直射日光をずっと浴びるような環境も良くないので、半日陰程度が好ましいでしょう。
ホタルブクロは、日当たりと風通しの良いところに置いてあげて下さい。ただし、暑さに強くないので、直射日光の当たらない場所を選びましょう。
ホタルブクロを鉢植えで育てる場合は、陽の照りが強い日などは室内に置いてあげて下さい。地植え・庭植えの場合は、木陰や、軒近くなど半日陰に置いて下さい。
ホタルブクロを地植えしている場合は、植え付け直後の2週間ほどは、しっかりと水を与える必要はあります。それ以降は自然の降雨のみで十分です。
根付いたあとは、水やりはあまり必要ありません。ただし、あまりに日照りが続いたときは、水を上げて下さい。
ホタルブクロを鉢植えで育てる場合は、3月から10月の植物が旺盛に発育する期間は、毎日地面を濡らすように、しっかりと水やりを行って下さい。
ホタルブクロは冬の間は休眠期のため、地上部は姿を消して生育もしませんので、水を必要としません。そのため、冬の時期は土がカラカラに乾いたら水やりをします。乾き気味に鉢植えを管理して下さい。
ホタルブクロを地植えで育てるのなら、元肥を与えます。緩効性の化成肥料です。用土に、化成肥料を混ぜて下さい。
肥料はなくとも、丈夫な山野草なので問題なく育つのですが、花つきや、花の本数などを気になる場合は、開花する6月から7月の二ヶ月前、4月から5月の間に追肥として、緩効性の化成肥料を施して下さい。
ホタルブクロを鉢植えする場合も同様で、植え付けてしばらくたって、成長する4月から5月に、希釈した液体肥料をひと月に2回ほど与えて下さい。
ホタルブクロは山野草で、日本の各地に自生している種ですが、その自生しているときの姿を再現したかったり、山野草の野趣を楽しみたいという方もたくさんいますので、肥料は枯れそうなときに、コンディションケアとして与えるだけに留めるのも一つの方法です。
赤玉土(小粒)を4、と鹿沼土を4、腐葉土を2の割合で混ぜた用土が好ましいです。
有機肥料を混ぜた用土だと、赤玉土(小粒)を7、腐葉土を2、牛糞を1の割合でつくっても構いません。
土の用土づくりが苦手だという方や、肥料を控えめにして、ホタルブクロを野山に生えている状態に近いものにしたいという方は、市販されている草花用培養土に、鹿沼土を混ぜて植え付けて下さい。
種まき、植え付け、植え替えともに、2月から3月頃の時期が適しています。
ホタルブクロの種は非常にこまかく、無造作に蒔いてしまうと種が重なってしまいます。種を蒔く場所には、板あるいは割り箸などを置き、うすく土に、へこみ・筋をつくりましょう。この土の溝に、そっと種まきする方法がおすすめです。
種をまいたあとは、薄く膜をつくるように覆土をかけてください。水やりは、種が流れないよう、霧吹きなどを使うのもおすすめです。
播種箱に蒔いて育てる場合は、本葉が数枚姿を見せたら植え替えして下さい。
ホタルブクロは種の値段も安く、育てやすいので、わざわざ定植するための苗づくりをする手間を省いても、十分に花は楽しめます。
ホタルブクロを花壇などで育てる場合は、種を蒔く2週間ほど前から、花壇あるいは庭の土をたがやし、腐葉土や有機肥料・緩効性の肥料を混ぜて、表面を固めない程度にならしておきます。
ホタルブクロの増やし方は「株分け」がおすすめです。ホタルブクロは地下茎が横に横に広がっていくので、狭い鉢だと根詰まりをおこしやすいです。地植えよりも地植えが簡単でしょう。
2月から3月の子球がたくさんできる時期に、親球から傷付けないようにとって、また土の中に埋めていきます。
また、できた種から増やすこともできます。ホタルブクロは自家受粉を避けるため、雄性先熟といって、まず雄しべができてから雌しべができます。それが受粉すると種ができ、果実ができます。
しかし、この果実はあまり長持ちせず、熟してしまうと避けて種が下にこぼれてしまいます。ホタルブクロの種は細かく、探すのは大変ですし、種の劣化の要因として、光と水分(湿度)と酸素です。
ホタルブクロは宿年草なので、翌年も花を咲かせてくれますが、できるだけ種を良好な状態で採取したいのであれば、熟す前の果実が茶色や黄色くなったころに、採取して下さい。
そのままお茶パックなどの密閉できる空間で保存し、乾燥するまで放置します。採取した種は、密閉できるチャック式のビニール袋などに入れ、冷蔵庫に保存して下さい。
ホタルブクロにはヨトウムシがつきやすいです。ヨトウムシというのはハスモンヨトウやシトシタヨトウなどの種類を含めヨトウムシと呼ばれていて、蛾の幼虫です。対策として、防虫ネットを張ったり、殺虫剤をふりかけましょう。
また、昼間は株元の土の中に潜んでいるので、土を根を傷つけないようにほって、探して駆除するのも方法の1つです。ヨトウムシの卵は葉裏にびっしりと生えていますので、葉裏の卵が孵化する前に葉ごと処分しましょう。
ホタルブクロは日なたを好む植物ですが、真夏はやや遮光する必要はあります。
耐寒性は高く、寒さには強い種です。冬には地上部が枯れてしまいますが、とくにケアしなくとも、翌年また花を咲かせます。
ホタルブクロの花言葉は「正義」、「忠実」、「貞節」です。
ホタルブクロは庭に植えると、自然の野山の雰囲気が感じられて、とても趣があります。また、野草ですので害虫や病気の心配もほぼありませんし、一度植えれば、毎年花を咲かせてくれます。
草の大きさは、最大で80センチ程にもあるので、鉢植えでそだてるのでしたら、大きめの鉢を用意する必要がありますが、こぼれ種でもよく発芽しますし、日向でないと育たないということもありません。庭の塀を囲うようにして植え付けてもいいですよね。
ホタルブクロを育てて、子どものころに見た、山野の風情を、自分でつくり上げることは、きっと素敵なことだと思います。
1度これを機に栽培を検討してくれれば幸いです。
GreenSnap編集部