私の庭のお花や今まで投稿したお花を詠った和歌や俳句を集めてみました。和歌や俳句に詠われているのを読むとしみじみとお花を楽しむことができます。今回は秋編です。
秋の七草
秋の野に咲きたる花を指(および)折り
かき数ふれば七種の花
萩の花尾花葛花なでしこの花
をみなへしまた藤袴朝顔の花
山上憶良「万葉集」
まずは秋の七草から。写真は藤袴。
萩の花
秋の野に咲ける秋萩秋風に
靡(なび)ける上に秋の露置けり
大伴家持「万葉集」
(秋の野に咲いている秋萩が秋風になびいている上に秋の露が置いている)
秋を四つ並べた戯歌です。
秋の野に咲き乱れる萩の花が浮かんできます。
尾花と萩
薄(すすき)見つ
萩やなからむこのほとり
与謝蕪村
(すすきを見つけた、萩はないだろうかこのあたりに)
尾花(すすき)を見つけた蕪村が萩を見たいと探している様子がうかがえます。
撫子の花
石竹花(なでしこ)が花見るごとに
少女(おとめ)らが
笑(え)まひのにほひ思ほゆるかも
大伴家持「万葉集」
(なでしこの花を見るたびに少女の笑顔の美しさが思われるよ)
可愛いらしい撫子の花は昔から愛されてきたのですね。
曼珠沙華
路の辺の壱師の花のいちしろく
人皆知りぬ我が恋妻を
柿本人麻呂「万葉集」
(路のほとりの壱師の花のようにはっきりと人はみんな知ってしまった。私の恋しい妻を)
壱師(いちし)の花は曼珠沙華と言われていますがはっきりとはしておらず、曼珠沙華であることが有力な説ということです。
中秋の名月
名月や池をめぐりて夜もすがら
松尾芭蕉
(名月が映る池の周囲をめぐりながら、夜通し過ごしています)
芭蕉が見ているのは名月そのものなのか池に映る名月なのか…夜通し名月に心奪われる芭蕉の姿が浮かんできます。
菊の花
心あてに折らばや折らむ初霜の
おきまどはせる白菊の花
凡河内躬恒「小倉百人一首」
(手折るのならあて推量に手折ってみようか。霜なのか白菊なのかの区別も分からなくしている白菊の花よ)
一面に霜がおりている中に美しい白菊の花が咲いています。
紅葉
経(たて)もなく緯(ぬき)も定めず
少女(おとめ)らが
織れる黄葉(もみぢ)に霜な降りそね
大津皇子「万葉集」
(どれを縦糸どれを横糸ということもなく少女が織り上げたもみじを枯れさせる霜よ降らないでおくれ)
錦のような紅葉を少女たちが織り上げたとたとえています。錦のような美しい紅葉です。
紅葉 ニ
このたびはぬさもとりあへず手向山
もみぢのにしき神のまにまに
菅原道真「小倉百人一首」
(このたびの旅はおそなえする幣帛も用意できず、それでこの手向山の美しい錦織りのようなもみじを神のみ心のままにおそなえします)
手向山の神様におそなえする美しい紅葉に道真がうっとりとしている様子が浮かびます。
紅葉 三
隠口(こもりく)の泊瀬の山は色づきぬ
時雨の雨は降りにけらしも
大伴坂上郎女「万葉集」
(隠口(こもりく)の泊瀬(はつせ)の山は美しく紅葉した。もう秋も過ぎようとしてしぐれの雨が降ったようだ)
時雨の雨にけむるようにして見える美しく紅葉した山々。晩秋の情緒あふれる歌です。
おまけ
もうすぐクリスマス。
家にあるものでクリスマスの飾りを作りました(^^)
最後までご覧いただきありがとうございます。またお花の歌を思いつきましたら追加していきたいと思います。
とても素敵ですねー💓😀
野菊さんは、文学に優れているんですね♪
昔、親しんだことのある和歌が懐かしく思い出しました😌
すっかり忘れてましたが、秋の草花の画像と一緒に読むと、また味わいが深まります🥰
((*_ _))ペコリ
꒰ᐡ˶ᐡ ˙̫ ᐡ˵ᐡ꒱💛・.。*・.。*