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シクラメンは多年草のため、同じ株から翌年も花を咲かせてくれます。シクラメンを毎年元気に咲かせるには、上手に夏越しをさせ、植え替えを行うことが大切です。 ただし、シクラメンの植え替えは、夏に休眠させた場合と休眠させなかった場合で少しやり方が異なります。今回は、休眠させた場合のシクラメンの植え替えに実際に挑戦し、写真つきで詳しく植え替え方法をまとめました。休眠させない植え替え方法についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
シクラメンの植え替えを行う目的は、シクラメンの株をできるだけ元気に長持ちさせるためです。シクラメンを同じ鉢に植えっぱなしにしていると、根鉢がつまり、生育が停滞してしまうことがあります。
また、土の肥料分を吸い切ってしまうので、土自体も劣化してきます。そうなると開花にも影響してしまうので、鉢で育てている場合は、定期的に植え替えしましょう。
シクラメンの植え替えの時期と方法は、夏越しさせるときに、「休眠させる方法」と「休眠させない方法」の2つで異なります。初心者には最も一般的な「休眠させる方法」がおすすめですが、育てている環境や株の状態に適したものを選ぶといいでしょう。
休眠させる方法は、花が咲き終わった5月頃に水やりを完全に止めます。この時点では、葉は残っていますが、土が乾いても水やりはストップします。
水が切れて葉が枯れてきたら、枯れた葉を全て摘み、全ての葉が枯れるまで待ちましょう。葉が全て枯れたら、室外の雨の当たらない風通しの良い場所に置きます。
シクラメンは、暑さと湿度によって弱いため、夏でも涼しい場所で、雨に当たらないように管理してあげることが大切です。これで休眠ができ、また冬に葉を出し、花を咲かせます。
シクラメンの植え替え時期は、「休眠させる場合は9月頃」、「休眠させない場合は5月頃」が適期です。
夏が過ぎて気温が下がり、涼しさを感じるようになれば植え替えを始めましょう。植え替え後、気温が下がっていくとともに、徐々に球根が育っていきます。
休眠させない場合は、花が咲き終わった5月頃に植え替えて、夏越しに備えます。
真夏の暑い時期や、開花時期、真冬の寒い時期に植え替えを行うのは控えましょう。とくに、真夏に植え替えをすると、葉や根がうまく成長せず、腐軟病が発生しやすくなります。夏の植え替えは避け、夏場は肥料も控えめにします。
シクラメンは成長速度が早い花ではありませんが、翌年の花つきをよくするためにも、植え替えは毎年1回はしてあげたほうがいいでしょう。
地域によっては9月中旬になっても気温がさがらない真夏日が続く場合があります。心配な場合には花の終わった5月〜6月、もしくは、9月下旬くらいまでなら大丈夫でしょう。
シクラメンの植え替えに使う用土は、市販の草花葉の培養土で全く問題ありません。
もし自分で用土を配合したい場合は、「赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト:1」を混ぜた土を使用しましょう。
株にあまり元気がない場合や休眠させない場合は、さらに水はけの良い土の配合に変えてあげてください。
市販の草花用培養土に軽石(小粒)か日向土を1〜2割混ぜるか、自分で配合する場合は「赤玉土(小粒)3:日向土(小粒)3:腐葉土4」を混ぜたものを使用しましょう。
シクラメンの植え替え方法は、「休眠させた株」と「休眠していない株」とで、根鉢(根と周りの土)の処理の方法が少し異なります。
次に、それぞれの方法についてご説明します。
一回り大きい鉢に、鉢底ネット、鉢底石、用土の順で、土を6〜7割ほどまで埋める。
シクラメンの球根を掘り上げたら、根鉢の土を全て落とす。
根を半分くらいの長さになるよう、清潔なハサミで切る。
球根の頂部3分の1が地上に出るように植え替える。
球根の頂部に水がかからないように、たっぷり水やりする。
植え替えの際に、もし根の先の方が黒く腐っているようだったり、株が枯れている状態の場合は、株の頭から下を3cmほど残して短く切り詰めてから植えると、復活する可能性があります。
あらかじめ水やりは控えて、土を乾燥させておく。
花がらや枯れ葉があれば、手でひねって摘み取っておく。
一回り大きい鉢に、鉢底ネット、鉢底石、用土を7割ほどいれる。
シクラメンの球根を掘り上げ、根鉢の肩(球根周りの土)をかるく落とし、根鉢の下3分の1の土を落とす。
球根の頂部3分の1が地上に出るように植える。
球根の頂部に水がかからないように、たっぷり水やりする。
休眠させない株の植え替えでは、根鉢を崩しすぎないように注意します。花後の弱った状態のときに根に刺激を与えると枯れてしまうこともあるので、気をつけましょう。
シクラメンの植え替えでは、休眠させる場合もさせないどちらの場合も、古い土は使わないようにしましょう。病原菌などが含まれているといけないからです。必ず新しい土を使って植え替えをしましょう。
また、シクラメンは球根の頭が土から3分の1程度出ている状態で植えつけることがポイントです。
シクラメンは、湿度が高い日本の夏にはどうしても弱りやすい植物です。夏は風通しがよくできるだけ涼しい場所に置き、秋になったら植え替えを行いましょう。適切に手入れし、毎年植え替えを行うことで翌年もきれいな花を咲かせてくれますよ。
松原真理子
GreenSnap編集部