生きてる状態の樹木を伐採&抜根する方法
樹齢不明の榎
榎(エノキ)とは?
エノキ属の落葉高木
最終樹高は25メートルを超えます
木質部は硬く、密で重い、ハサミで切る際は、枝の靱性を超える力が掛かってからパツンッと切れる。
また、零れ種で良く増えるので、定期的に実生を抜き取ら無いと増え続けます。
主幹を止めてから10年ほど、毎年同じ位置で切り戻しながら維持して来ましたが、終活も半ばに到達し、遂に撤去する事にしました。
主幹を止めてから、ムベを支える木として蘖を残していたので、株立風になってます。
伐採作業
絡んだムベ、展開した主枝を落として行きます。
主幹は根元で切らず、肩の高さまで残します。
この時点で、根の弱い樹種(浅根かつ細根)はテコの原理を利用し、方向を変えながら何度か引き倒せばグラグラになって抜けたりします。
抜根作業
木の太さは写真の1番太い面で直径34センチ。
軽く土を削った場面
この1番上段の横根は、この10年の間に発達した根です。
何故こうなったか?
答えは、植物残渣(ウッドチップ)を雑草避けに使用したのと、落葉、枯れ枝を掃除しなかったから😅
積み上がった腐植が土になり土自体が増え、栄養も湿度も最高の増えた土壌に、新たな横根が一気に伸長した結果です。
こうなると樹勢も上がり、樹体がどんどん大きくなって行きます。
掘っては土を退かし、横根を露出させます。
注)完全に露出させてから切り始めます。
この理由は
使用する刃物が土を同時に切ってしまうのを避ける為です。
土を巻き込んで切ってしまうと刃が痛み、切れ味が急激に落ちてしまいます。
その後に土を払っても、洗っても、切れ味は完全には戻りません。
刃の目が細かい物だと的面です。
根切りには、焼きがしっかり入った荒目のノコギリがお勧めです。
刃が大きく強いので、少しくらいの土なら耐えてくれます。
掘り進める為に、まず横根の撤去!を進めます。
大型の樹木の場合、根の範囲が広いので、横根を全体的に掘り上げると、積み上がる土の量が尋常では無い量になります。
更に主幹周りの土も除くと、、、
依って今回は、写真の様にスコップを入れる最低限のスペースを確保しながら掘り進めます。
写真の様に主幹周りの横根を撤去しながら、どこまで掘れば抜根出来るかを見定めます。
この段階は、手持ちの小さなスコップを併用しながら土を退けます、その際、邪魔な細根はハサミやノコギリで撤去。
写真の真ん中辺りには横根から出た真下に伸びる根、こんな感じの物は一気に取らずに掘るベースラインに合わせて都度邪魔な部分を切った方が楽です。
狭いスペースなので大変ですが、大量の土を掘り出し、掘り広げて作業するか?ちまちま掘るか?はお好みで😅
この時点で、見える横根の30%は主幹を保持しない様に処理してあります。
しかし、微動すら、、、しない。
嫌な予感がします😨
隣のヒイラギへの影響を最小にすべく、小さなスペースで頑張って掘りましたが、見える横根の80%を主幹と切り離しても微動だにせず😨
残した主幹をテコの原理でグイグイしても数ミリしか動かない😭
嫌な予感的中、未だ土中の見えない主根は、猛烈に深くて太いorタコみたいに横根が連なってるかも、、、
エノキの根は硬い、凄く硬い。
1〜2ミリの細根でも、針金みたいに張りが有って硬いのです。
普通の樹種なら細根はスコップで切れるし、太さ1センチでもガッとやれば切れる。
でもコイツは細根までスコップを弾き切れ無い、、、
もう腕も掌もパンパンです。
予測をつける為に、掘る面積を広げながら深く掘る。
写真に写る3本の根は、全て他所の敷地へ進入してしまってます、、、
庭木を植えたい、でも「狭くなるのは嫌だから境界付近に植える」とか「生垣には不向きな樹種で生垣を植栽する」とかは本当に辞めた方が良いと思う。
歳を取ったら面倒を見れなくなり誰かに任せなければいけなくなるし、死んだら誰かが責任を取らなくてはいけなくなる。
我が家では、困り事が更なる困り事を呼んでます。
「ほどほど」って大事です😭
どう処理するか?を決める為に掘り進め、60センチを超えた所で方針が決まりました。
結論は
1:上部の横根を手で可能な限り撤去
2:横根の元側を一部チェーンソーで撤去
3:現段階で掘れた最深部で主根を胴切り
4:残りの根周りを再度掘り下げ抜根
5:初手で残した横根を撤去しながら埋め戻し
で行きます🫡
頑張った写真
基本的に、大きなスコップは横根を取らないと根の下や周りには入らないので、コツコツと小型スコップで掘っては切る、の繰り返しでここ迄来ました。
チェーンソーの刃が土を噛ま無い様に、チェーンソー自体を胴切りをする深さまで入れられる様に、あと一息です。
今回のエノキは、引き倒しが効か無い頑強さでした、横根の量も多く強いので、玉切りしながら撤去する事にしました。
掘っては切りを繰り返し
上部の主根を切除しました。
もう少し掘り進め、あと1段分の横根を処理したら垂直方向は終わりにします。
最後の一段に至っても、サクランボの根と女竹やムベの根も混在してました😭
見難いですが、ど真ん中に主根の堀り残しが有ります。
大型樹木を密植すると、後の処理に困る事が多いので、本当に避けるべきだと思う。
切り離した根株
強敵でした🫡
掘った側壁に残る横根、、、
側壁を崩しながら、これらを撤去して行きます。
この段階になると、退かした土は掘った穴に落とせば良いので、作業スピードが上がります。
エノキの細根
写真の太さでも非常に硬いです。
男性なら頑張れば引きちぎれると思いますが、女性では絶対に無理な強度が有ります。
根にスコップが当たると、切れずに止まってしまうので、衝撃が手首や腕に跳ね返って来ます。
大きなスコップで、足を使い体重を掛けても、、、ガッと止まり😭
ハサミやノコギリで処理しながら掘り進めたので、非常に、非常に手間が掛かりました😮💨
抜根終了!掘った穴は
縦130×横160×深さ80
作業時間は1人作業で合計7時間
掘り終えて思う事、それは、エノキはヤバイ。
同じ太さの他の樹種より、作業強度は格段に高かった。
抜かなければならないエノキはあと2本、、、、。