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上品な印象があるウツギは昔から日本人に親しまれている植物で、数多くの花を付けて全体的にボリュームがあります。ウツギは白色の花が知られていますが、品種によってピンク色や紅色などの花を咲かせて特徴も実にさまさまです。
ウツギの特徴や種類などについて詳しく見ていきましょう。
ウツギはアジサイ科(ユキノシタ科)ウツギ属の落葉低木で、中国や日本などを中心に自生する植物です。古くから日本で愛されていた植物の一つで、万葉集の和歌にも詠まれています。
ウツギは樹高約3mまで成長し、初夏には花径1cm程度の白色やピンク色などの小花を沢山咲かせます。
ウツギの茎の内側は空洞になっていることから漢字では「空木」と書き、旧暦の4月(卯月)に見頃を迎えることから別名「卯の花」とも呼ばれています。
ウツギは強くて腐りにくい性質があるため楊枝や木釘などの材料としても使用され、庭木としても人気で生垣として使用されることが多いです。
ウツギという名前が付く植物は、アジサイ科(ユキノシタ科)以外にスイカズラ科またはフジウツギ科に属しています。
本来のウツギはアジサイ科(ユキノシタ科)ウツギ属に分類される植物のことを指し、ウツギ属のウツギの種類は約60~70種類です。
葉が丸い形をしていることから「マルバウツギ」と呼ばれ、日本に自生する代表的なウツギの一種です。寒さや暑さに強く、5~7月頃に白色の花が咲きます。
名前の通りさくら色の花を咲かせ、絞り模様の花びらが特徴です。日本原産の種類で多くのサラサウツギは5枚の花弁がありますが、中には八重咲きの品種もあります。
サクラウツギは枝がよく伸びるため、定期的に剪定が必要です。
八重咲きのサラサウツギは紅色の花色がとても美しく、人気があるウツギです。「ツカサウツギ」という異名を持ち、サクラウツギと同じく枝が伸びやすいので毎年剪定する必要があります。
日本では関東より西側に生息し、一般的なウツギよりも小ぶりなことから「ヒメウツギ」と名付けられました。4~5月頃に白い小花を数多く咲かせ、葉は細く縁はギザギザしています。
樹高は20~60cm程度ですが、ほふく性の植物なので横幅は約120cm前後まで生長します。
ウツギの変種であるシロバナヤエウツギは、名前からお分かりのように白色の花を咲かせます。樹高は約2mまで生長して葉の縁はギザギザしていることが特徴で、八重咲きの種類で花穂に沢山の花を付けるため豪華な印象です。
スイカズラ科タニウツギ属に属し、国内では太平洋側地域の山地に生息していることが多いです。紅色と白色の花が混ざって咲くため、漢字では「二色空木」や「錦空木」と表記されます。
開花時期は5~6月頃で、花径3cm程度の小花を咲かせます。
アジサイ科バイカウツギ属に分類され、岩手県より南の地域に分布しています。花びらは4枚で、6~7頃にかけて花径3~4cm程度の白い花が咲きます。
別名「サツマウツギ」などとも呼ばれますが、鹿児島県ではバイカウツギの分布はありません。「バイカウツギ」という名前は、他のウツギのように茎の中が空洞であることから付けられました。
タニウツギ科タニウツギ属の落葉低木で、高さは最大3m前後です。タニウツギは日本海側を中心に分布し、生長が早く5~6月頃に桃色などのきれいな花を咲かせます。
全国の沿岸部に自生しているウツギで、名前に「箱根」と付いていますが神奈川県の箱根町には自生が少ないです。タニウツギ科タニウツギ属に属し、花色は白色~紅色に変化していきます。
ニシキウツギと特徴がよく似ていますが、ハコネウツギは沿岸に生息していることが大きな違いです。
関東より南の地域に生息し、スイカズラ科ツクバネウツギ属に分類されています。5月頃に白い釣鐘型の花を咲かせてガクの部分は花が咲き始めた頃は緑色ですが、その後紫色に変化していくことが特徴です。
可憐な花姿のウツギは控えめな印象で、多くの日本人に好まれる理由も分かる気がしますね。ウツギという名前が付く植物は多くありますが、草丈や花色などは種類によって異なります。
ご自宅のお庭などでウツギを育てる際は、ウツギの種類や品種も一緒に覚えて楽しんでみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部