出会ったタデ科の仲間を纒めます。
犬蓼 イヌタデ
別名 アカマンマ
タデ科
イヌタデ属
分布 北海道 本州 四国 九州 沖縄
花期 4〜11月
一年草
➡️花序の拡大
・名前の由来 ホンタデ、マタデのような辛味はなく役に立たないことから。
・茎は少し這ったあと立ち上がる。
・長さ1〜5cmの円柱状の総状花序。
・花弁はなく紅色の萼が5裂する。
・個々の花の咲く期間は短く蕾も実も同じように見え、実はすぐに落ちて新しい蕾が膨らむので穂に長期間花が並んでいるように見える。
・痩果 長さ薬2mmの三稜形。
赤色の花被に包まれたまま黒褐色に熟す。
凡篤蓼 ボントクタデ
タデ科
イヌタデ属
分布 本州 四国 九州 沖縄
在来種
花期 9〜10月
一年草
水辺に生える。
名前の由来 ボントクは愚鈍者を意味し辛味がないことから。
茎 直立する。
70〜100cm
分枝多い。
上向きの毛がある。
葉 長楕円状の披針形、基部は楔形、葉先は鋭く尖る。
両面に短毛がある。
洋紙質で黒斑がある。
乾くと茎と共に赤褐色を帯びる。
長さ6〜9cm
葉柄 短い
葉鞘 筒状、その1/2の長さの縁毛がある。
花 長い穂状にまばらにつき穂の先は下垂する。
花被 長さ3mm
緑色で上部紅色。
5裂する
腺点がある。
果実 3稜形。
黒か褐色 光沢なし。
長さ 2.5mm
よく似たヤナギタデは、葉が細長く、表面に黒斑 がなく、葉や葉鞘が無毛。葉に辛味がある。
凡篤蓼 ボントクタデ
花蓼 ハナタデ
別名 ヤブタデ
タデ科
イヌタデ属
分布 日本全土
在来種
花期 8〜10月
・茎 基部がやや這って直立する。
高さ 30〜60cm
・葉 長さ3〜9cm
幅1〜3cm
卵形〜長卵形
基部 楔形
先 尾状にとがる
中央に普通黒い斑紋がある。
両面に毛がある。
葉裏に腺点がある。
・托葉鞘 長さ3〜8mm
縁毛 托葉鞘と同長かやや長い。
・花序 長さ5〜10cm
白色〜淡紅色の小さな花をまばらにつけ直立する。
小花柄はイヌタデより長い
・花被 4〜5裂、腺点なし。
花柱3裂、雄蘂7〜8個
日陰にあるものはほとんど朱色を帯びないものが多い。
・小苞 先はやや長い毛状
・痩果 長さ2〜2.5mm
褐色、3稜形、平滑、光沢あり。
・白花の品種はシロバナハナタデ
早苗蓼 サナエタデ
別名 ナツタデ
タデ科
イヌタデ属
分布 北海道 本州 四国 九州
花期 5〜10月
・和名は開花が田植えの時期に始まるから。
・オオイヌタデに似る。
・茎 無毛、円柱形、節が高い、質は硬くない、時に斑点がある。緑色または紅色を帯びる。よく分枝する。
・葉 長さ4〜12cm
披針形〜卵状披針形
葉裏腺点多い。
・托葉鞘 膜質で毛はない。
・花序 長さ1〜5cm
先は垂れないが時に垂れる。
花序柄に腺毛が多い
・花被 淡紅色または白
雄蕊5〜6本、
花柱2〜3分岐
2分岐する脈がある。
腺点多い
長さ約3mm
花後も痩果を包んで残る。
・苞 漏斗型で縁は無毛。
・痩果 黒褐色、径約2mm
扁平な円形。
桜蓼 サクラタデ
タデ科
イヌタデ属
分布 本州の秋田県以南 四国 九州
花期 8〜10月
以前は雌雄異株とされていたが現在では二異型花柱性であることが確認されているのだそう。
両性の長花柱花をつける株と両性の短花柱花をつける株がある。
同一株には1つの形の花だけをつけ 混生しないと結実しないらしい。(混生しなくても結実することもあるようです)
枝先に細長い花序枝を1〜3本出し 径8mm程の花を密につける。
雄蘂8個 花柱は3裂する。
白花桜蓼 シロバナサクラタデ
分布 北海道 本州 四国 九州 沖縄
在来種
花期 8〜11月
・水田の畦、休耕田、用水路脇、農耕地周辺の湿地、河川敷などの湿地や水辺に生える多年草。
・根茎は地中に長く伸びて枝を分け、茎は直立して高さ30~100cmになり、よく分枝する。
・葉は披針形で長さ7~16cm、やや厚味があり両面に短毛が生え、先はとがる。基部はくさび形で葉柄は短い。
・托葉鞘は筒状で、長さ1~2.5cm、筒部の長さの約1/2の縁毛があり、粗い伏せ毛が生える。節はやや膨らむ。
・花序は穂状で長く、先は下垂する。花被は5深裂する萼片からなり、ほぼ白色で腺点があり、長さ3~4mm。
・雄蕊は通常8個、雌蕊は1個で柱頭は普通3岐、ときに2岐する。
・花には長花柱花と短花柱花との2型があり、長花柱花では花柱が長く、雌蕊柱頭は花被の外に出る。
短花柱花では、花柱は雄蕊の花糸よりも短い。
・名前からするとサクラタデの白花のような感じでよく似ているが、別種である。
サクラタデとは、花が白いこと、花被の腺点が少ないこと、そう果に光沢があることなどの違いがある。
低地の湿地に生育し、サクラタデより目にすることが多いよう。
・サクラタデの白花は
シロバナハナサクラタデというらしい。
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果実は花被に包まれた痩果で、柱頭が3岐するものは3稜形となり、2岐するものはレンズ形となり、長さ2.5mm。黒色で光沢がある。
溝蕎麦 ミゾソバ
別名 コンペイトウグサ、ウシノヒタイ
タデ科
イヌタデ属(タデ属)
分布 北海道 本州 四国 九州
在来種
花期 7月〜10月
一年草
山地の小川沿い、沼沢地、湿地、水田、畦、湖岸などに生育。
見た目が蕎麦に似ていることが和名の由来。
匍匐茎に閉鎖花をつけることもあるようです。
・葉 鉾型。翼はない。
表面にやや黒っぽい斑紋がある。
基部は両横に張り出す。
・花被片 5裂
径4〜7mm
根元が白く先端が薄
紅色。
・茎 下向きに小なトゲが無数に生える
白花溝蕎麦 シロバナミゾソバ
タデ科
イヌタデ(タデ)属
シロバナもありました。
谷蕎麦 タニソバ
タデ科
イヌタデ属
分布 北海道 本州 四国 九州
在来種
花期 7〜10月
一年草
花径 3〜8mm
・茎 分岐しながら伸びもたれかかるものがないと横に伸びる。普通群生することで支え合い立ち上がる。
・葉 葉身は卵形。基部は楔形。葉柄には翼があり茎を抱く。
・托葉鞘 短い筒型で長さ5mm。先は斜めに切れ短い筒形で薄く基部に下向きの白い毛がある。
・花 茎の先か葉腋に多数集まって頭状の花序をつくる。
・花柄 腺毛がある。
・花被 白色で少し紅色を帯びる。ほとんど開かないので閉鎖花のようにも見える。
花後も痩果を包んで残る。
継子の尻拭い
ママコノシリヌグイ
別名 トゲソバ
タデ科
イヌタデ(タデ)属
分布 日本全土
花期 5〜10月
花は5弁花に見えるが花弁はなく萼が5つの星型に裂けている。
雄蕊8本、先が3つにわれた雌蕊が1本。
花後に萼が閉じて蕾と同じ状態に戻る。種が膨らんできて花後だとわかるようです。
韓国では 嫁の尻拭き草 というそうだが韓国も日本も発想が似ているところが面白い。
花言葉は 変わらぬ愛情 だそうだが 愛情があるとはとても思えない。
石見川(石見皮、石膠) イシミカワ
果実期
タデ科
イヌタデ属
分布 日本全土
在来種
花期 7〜10月
林縁 河原 道端 休耕田など日当たりがよく湿り気の有る土地に生育する。
・茎 長さ1〜2mになる蔓状。
丸い托葉が茎を囲んでいるようになっている。
・葉 互生、葉柄は長く葉の裏側につく。
形は三角形
淡い緑色、表面が白い粉を吹いたようになっている。
・葉と葉柄に多数の下向きの鋭い棘が生える。
・花 薄緑色、短い穂状。
萼は5裂し果実期には青色〜紫色の多肉状になり痩果(球形に近い光沢のある黒色)を包む。
花には出会えていない。
赤蕎麦 アカソバ
タデ科
ソバ属
普通蕎麦の花は白いがこのアカソバはヒマラヤ原産の赤いソバを日本に持ち帰り日本の気候に適用するように品種改良され高嶺ルビーと名付けられたようです。
蔓蕎麦 ツルソバ
タデ科
イヌタデ属
分布 本州(伊豆七島、紀伊半島)四国 九州 沖縄
花期 5〜11月
蔓性の多年草
・和名のソバは果実がソバと同じように黒色の3稜形であることに由来する。
・葉 互生し葉柄がある。
卵形ー卵上長楕円形で先は尖る。基部は円形 切形 心形、長さ5〜10cm
・托葉鞘 薄く膜質、筒状で斜めに切れる。
・花 白色または薄紅色
長さ 3〜4mm
密に頭状花序をつける
・果実 痩果 3稜形 光沢のない黒色。 多汁な残存額に包まれる。
タデ科のお花も可愛いですよね💕
どのお花も綺麗に撮られていますね🥰