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秋の七草のひとつ、オミナエシ(女郎花)。花が粟粒に似ていることから、別名アワバナとも呼ばれます。干した根には、毒消し・利尿の薬効があるとされています。主に日当たりのよい草地に自生する多年草ですが、地植え・鉢植え・切り花などでも楽しめます。丈夫で初心者にも育てやすい植物です。
そんなオミナエシの育て方を紹介します。
オミナエシは日光を好むので、日当たりのよい場所で育てます。日陰では生育不良となり、場合によっては枯れてしまうこともあるので注意しましょう。
また、水はけのよい場所でることも大切です。草丈が1m以上と高くなるので、花壇で育てる場合は後方に配置するとバランスが良くなります。
オミナエシを育てている土の表面が乾いたら、たっぷり水をやります。鉢植えの場合、夏は1日に1・2回水を与えるようにします。地植えでは、基本的には水をやらなくて大丈夫です。
鉢植えで育てる場合、草花用肥料を施しましょう。ただし、肥料が多すぎると枝葉ばかり茂ってしまうので、控えめにします。地植えの場合は、施肥の必要はありません。
オミナエシを育てるときは、水はけのよい土を好みます。市販の草花培養土で問題なく育ちます。鉢植えで山野草に仕立てる場合、山砂に赤玉土を2~3割混ぜた水はけのよい用土で育てます。
オミナエシの植え付け・植え替え時期は、4月から6月頃が適期です。植え替えと同時に株分けしてもよいでしょう。
オミナエシの増やし方は「株分け」と「種まき」です。
株分けの適期は4月から6月です。オミナエシの根はかたいので剪定ばさみで切り分けます。
秋に種を採取し、冷蔵庫で保管して2月から3月にまきます。うまく育てば、その年の秋に開花します。発芽率は良いです。
オミナエシの上部の茎が伸びすぎたら、摘芯しましょう。わき芽が増えて大きくなります。茎が倒れてしまう場合は支柱を立てます。
オミナエシは、まれにうどんこ病にかかることがあります。また、水はけの悪い場所では立枯病の感染に気を付けましょう。虫はほとんど付きません。
オミナエシは、6月から11月に黄色い小さな花を咲かせます。直立した茎が枝分かれして、その先にそれぞれ花房が付きます。葉は、羽状に深く裂けて先が尖った大根の葉のような形をしています。
開花期が長く花が美しいオミナエシは切り花でも楽しめますが、水が悪臭を放つので注意が必要。毎日水を取り替えて対策します。
オミナエシには、早咲き種や小型種があります。また、姿形はオミナエシと似ていますが、花が白く、より力強い見た目のオトコエシ(男郎花)も人気です。
一般的なオミナエシです。日本全国の日当たりのよい草地に多くみられます。
ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)は、本州亜高山帯の岩場などに生えます。オミナエシより小型で、草丈は20~30㎝程度です。
主に本州の太平洋側の山地に自生するキンレイカ。高さ30~50㎝とオミナエシより小型です。ハクサンオミナエシと似ていますが、花が一回り大きくなります。
オミナエシ科の多年草、オトコエシ(男郎花)です。オミナエシと姿が似ていますが、花色は白。茎の先で散房状に白い花を咲かせます。花期はオミナエシと同じです。高さは60㎝~1mほどになります。根元から長いほふく茎を出して増えていきます。
オミナエシの花言葉は、「美人」「約束」「深い愛」です。
オミナエシは、秋の七草のひとつとして古くから日本人に親しまれてきた植物です。その証拠に、万葉集や源氏物語といった昔の歌集や文学作品にもオミナエシが登場します。
粟粒のような形の花を飯に見立てオミナメシと呼んだのが転じて、オミナエシとなったとされています。また、お盆に茎で箸を作り仏前に備える風習から、盆花(ボンバナ)とも呼ばれます。
丈夫で育てやすい植物なので、地植えや鉢植えでも気軽に楽しむことができます。日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。
オミナエシは、小型種や早咲き種・花色の違うものなど、さまざまな種類が楽しめるのもポイントです。ぜひ、オミナエシで夏~秋のベランダや花壇を彩ってみましょう。
※トップ画像はRikkoさん @GreenSnap
GreenSnap編集部