植物の病気を治療した実証記録です。
植物の体調が崩れた時に解決策の一つになれば幸いです。
根腐れの状態
2021年12月末にホムセンの見切り品だったミニ胡蝶蘭。
株の状態は悪く、葉は萎れてハリがなく、株元を揺らすとグラつきます。普段なら購入対象になりませんが、白くシンプルな花が印象に残り購入。
鉢から抜くと、予想通り根腐れ。
北海道在住ですが、冬季におけるホムセンの蘭は根腐れ株の頻度が高い印象。夜間の店内温度が低い影響だと思う。
もう少し保温ができる管理をすれば良いのに。
治療開始
胡蝶蘭は南国出身、寒さに弱いです。
基本植え替えなどは暖かい時期に向かうときに行います。
今回は、根腐れのままだと株は枯れるリスクがあるため、冬季ですが植え替えます。
腐った根はすべて整理。硬い根も断面が白く見える位置まで切除しました。
2本程度の根が残りました。
養生させます
ペットボトルを加工した器で管理します。管理方法は水栽培にしました。
水栽培の利点は、根の状態が確認できること。また水が多い時は水を抜くことで根を乾かすことが出来ることにあります。
北海道在住ですが、自宅の部屋は蘭や観葉植物があるため加湿、暖房を24時間絶やしません。そのため冬季の夜間でも15度以下になりません。部屋の湿度も60%を維持しています。根のある胡蝶蘭なら十分生育する環境なので本棚の上で養生開始です。
発根を確認
2022年2月末の状態です。
養生開始から2ヶ月過ぎました。
下の葉が黄色く枯れてきました。
乾いた状態で枯れてるため軟腐病などの感染症ではありません。
老化現象による枯れですので自然に葉っぱが落ちるまでほっときます。
切除箇所からの発根が確認できます。
根冠も見れる良い状態です。
根にカビ発生【善玉カビ】
胡蝶蘭の根にカビが生えてます。
ただしこれは善玉カビです。
カビの発生は2月中旬に確認できましたが、写真にうつせるサイズまでカビを育てました。撮影【3月上旬】まで時間が経過してますから、腐敗するカビの場合は根っこが変色して、腐ります【いわゆる根腐れ】。これは緑色の根っこのままです。
このカビは、通称【ラン菌】と言われてます。我が家にはランを多数栽培してるので、他の鉢から移ったと推察します。自然界では植物と共生するカビや細菌は非常に多く、共生により植物の成長を促し、菌も繁殖できる関係を築いています【共生関係】。
新しい葉を確認
3月中旬に新しい葉を確認しました。
まだ根っこは多数出ませんが、この株は順調に成長しています。
治療から2ヶ月半経過
3月中旬の株【全体像】です。
新しい根っこの本数は少ないですが、
根冠のある良い状態です。
もう少し伸びたら、鉢植えも出来そうです。ただ実証のため今後も水栽培管理を続けて行きます。
人工根を付ける
2022年3月18日に新しく出た根に人工根を付けてみました。キッチンペーパーで人工根を制作しましたが、毛細管現象で水が供給できると思います。上手く人工根が機能すれば、今後は短い根だけの胡蝶蘭に対するケア方法になります。長く根が伸びるまで待つ必要がなくなります。
同時に今生えているカビが善玉であることも確認できます。なぜならば腐敗性のカビなら紙にも肉眼で確認できるほど生えると予想したから。生えなければ共生菌である確率が上がります。
経過観察
2022年03月27日の様子です。
人工根は上手く機能して、毛細管現象で水は根に供給されています。
短い根に対する手当て方法になりそうです。
新葉の成長も順調です。
根腐れした株でしたが、健康になりました😀
これからは気温があがる季節になりますので、成長も速くなると思います。
経過観察 2022年4月
2022年4月18日
人工根を付けて一月経過しました。
人工根(キッチンペーパー)にはカビは見られません。カビは生きた根にだけ生えてます。
肥料は与えていませんが、新葉の成長が早い印象です。葉っぱの艶やハリも良く新しい根っこも複数見られることから、根腐れから完全回復したといえます👏
春になり植え替えの時期です。
GWに板付けを行い、来春開花するように管理を切り替える予定です。
板付け管理に移行
2022年4月21日。
GWに板付けする予定でしたが、経過が良いので予定を早めました。
板付け作業は慣れてますので、5分程度で完了です。水ゴケは、良品が品薄ですし、コバエがわくため人工水ゴケを使いました。暖かくなるので、2ヶ月もすれば板に根っこが回ってくれると思います。液肥も定期的に施して、来春の開花を目指します。
板付後の経過観察
2022年06月13日
板付管理へ以降して1ヶ月半経過しました。春から夏へと気温が上がる時期なので、順調に生育しています。新しい根っこも増えて、板に根っこが張り付いてきました。2000倍希釈した液肥を月に3回施して株の成長をはかります。板付のため、毎日の水やりは欠かせません。手間はかかりますが、ハリ、艶のある株のコンディションが維持できています。
板付後の経過観察02
2022年07月18日
治療後から2枚目の新葉を確認。
胡蝶蘭が花を咲かせる条件の1つとして、4枚以上の葉っぱが必要になります。この株は、6枚目の葉っぱになるため、年明けの春に開花する確率が高くなりました。後は花芽を作るための温度管理が必要です。経験ですが、15~18度で3日程度管理すると花芽がつきます。成長期に力を蓄えさせて、開花につなげる管理をします。
花芽を確認
2022年11月24日。10月下旬に数日間18度ほどに部屋の温度を保ちました。本日、花芽を確認しました。酷い根腐れでしたが、良く回復しました。花芽が成長して開花するまでは、まだ時間が必要です。何輪咲くかよりも無事に開花を迎えることを目標に管理して行きます。
花芽が成長中
2022年12月04日。花芽(ステム)が順調に成長しています。花芽は、根っこと異なる先端なのがわかります。明るい方向へ伸長を続けて、やがてつぼみが着きます。つぼみから開花するまでに湿度や温度に変化があると咲かない場合もあります。開花は2023年01月末頃を予想しますが、無事に花が咲くように管理を続けて行きます。
つぼみが枯れる
2023年01月05日。つぼみ2つが枯れました。数日前から色の変化に気がついていました。残念ですが、枯れたと断定します。原因は、暖房による乾燥だと考えています。対策として部屋の湿度を高めに維持すること、板付のため水やり頻度をますこと、ハダニ・カイガラムシなど虫害を確認することがあげられます。幸い虫はいないので、湿度維持に努めて開花を目指します。
開花しました
2023年03月06日。ついに開花しました👏1月頭からつぼみが膨らんでは枯れることが続きました。原因は暖房による『乾燥』です。暖房(石油ファンヒーター)を入れている時は、部屋にいるため対策として霧吹きをかけて、つぼみが濡れるようにしました。開花まで至りましたので、完全回復宣言をしたいと思います。
完全開花です
綺麗に花が開きました。
白い胡蝶蘭は、好みです☺️
小さい株なので花も小さいですが、控えめな感じがして良いですね。
とりあえず成長記録は、ここで終わらせます。あきらめないで良かった。
エピローグ
2023年03月20日。最後のつぼみも無事に開花しました。復活おめでとう。そして長い冬を花で癒してくれてありがとう。
うちの子達はなかなか😰
Akiさんの投稿を励みにがんばります!