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奇妙な姿形が面白い多肉植物の中でも、最も神秘的な黒い葉をもつ黒法師。観賞用として広く愛されており、鉢植えにして屋外で育てる人も多い品種です。
今回はそんな黒法師の育て方を、季節ごとに、注意すべき点とともにご紹介します。

黒法師とは、アフリカの北に分布するカナリア諸島原産のアエオニウムと呼ばれる冬生育型多肉植物の仲間です。モロッコ原産のアルボレウム種をもとに生み出された園芸品種であり、高さは50〜100cmほどまで成長します。
寒さに強く、多少霜に当たったくらいでは枯れませんが、一方で夏の暑さには弱いので、夏の暑さ対策・日差し対策が育て方のポイントとなります。

黒法師は基本的には鉢植えにして、屋外の日当たりと風通しのいい場所で育てます。生育適温は5〜20℃ほどで、春と秋は日当たりのいい場所に置きましょう。
夏は気温20℃以上になったら、明るい日陰へと移します。冬は耐寒温度である3℃を下回らないよう、日当たりのいい場所や室内の窓際で育ててください。
黒法師の水やりは、基本的に土が白く完全に乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりをしましょう。なお、真冬は昼前後の1日でもっとも暖かい時間帯に水やりをしてください。
冬型の多肉植物なので夏は休眠期となります。休眠期の5〜9月ごろは、月1回の水やりにするか、断水しても大丈夫です。休眠中は水をほぼ吸収しないので、この時期に水やりしすぎると根腐れで枯れやすいので注意しましょう。
また、夏の休眠期や成長に伴って葉を落とすことがありますが、過度の乾燥でも葉落ちの原因となることがあるので覚えておくとよいです。
黒法師はあまり肥料を必要としませんが、基本的に植え替えのときに、1年効果が持続するような緩効性肥料を混ぜておけば、追肥はほとんど必要ありません。
元気がないようなら春先3〜4月と秋頃10〜12月ごろに、緩効性肥料を与えましょう。
挿し木時期は、10〜12月または3〜4月です。暑すぎる時期は休眠して成長が止まるので避けましょう。
黒法師の挿し木のことを「胴切り」とも呼び、伸びすぎた黒法師を茎の途中で切って、別の株として植えて育てることができます。

よく伸びた黒法師を剪定します。親株のほうは剪定したすぐ下から分岐してまた別の茎が伸びていくので、株の下位置で切っておくと、のちのちバランスがよくなります。

切り取った黒法師を見てみると、枝分かれするように子株が伸びていることがあります。この場合は、子株を切り落としてそれぞれ1本ずつ挿し木するほうが、成功率があがります。

切り取った黒法師の茎が長い場合は、短くカットしましょう。だいたい3〜4cmほど挿す茎があれば大丈夫です。
ちなみに短く切った茎の切れ端は、上下さえ間違えなければ、こちらも挿し木に使えます。

小さめで通気性のいい鉢に、赤玉土もしくは挿し木用の土をいれて、茎を挿します。葉の付け根がぎりぎり出るくらいまで植えましょう。

挿し木から2週間後くらいに水やりを再開します。もしくは、土に挿す前に切り口を乾燥させておいて、挿し木してすぐに水やりをする方法でも大丈夫です。
これで黒法師の挿し木が完成です。
黒法師を挿し木した後は、風通しと日当たりのいい場所に置いて育てましょう。発根するまでだいたい2〜3週間かかります。株元を揺らして見て発根しているようであれば、通常の育て方に切り替えてください。
なお、さらに鉢にしっかりと根が春までは2〜3ヶ月はかかるので、すぐに植え替えないよう注意しましょう。
黒法師の植え替え時期は、10〜12月または3〜4月ごろです。1〜2年を目安に植え替えをしましょう。ぐったりとしてしおれているのであれば、植え替えをすることで復活することがありますよ。
黒法師の植え替えには、市販の多肉植物培養土を使いましょう。また、鉢は一回り大きい素焼き鉢などの通気性がいい素材のものを用意しましょう。
今回は黒法師の育て方について季節別にご紹介しました。育て方はコツさえ覚えれば簡単なので、挿し木などで増やしてたくさんの黒法師を楽しんでみてはいかがでしょうか。

GreenSnap編集部