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オモダカ(学名:Sagittaria trifolia L.)はオモダカ科オモダカ属の水生植物です。食用にされることで知られる「クワイ」は、オモダカの塊根が大きくなった変種です。オモダカの塊根も、小さいですが食用にできます。繁殖力がとても強いため、水田雑草として扱われることもあります。
また、オモダカは落葉性の多年草なので、冬は地上部が枯れたように見えますが、地中部は生きており休眠期に入っています。枯らさないようにしていれば、毎年花を観賞できる、比較的育てやすいオモダカの育て方を説明します。
オモダカの原産地はアジア、東ヨーロッパで、寒冷地から温帯、熱帯まで幅広く分布しており、日本の各地でも水田やため池、用水路などの湿地に自生しています。
オモダカは日当たりの良い場所で育てましょう。日陰では育ちませんので、最低でも半日は日の当たる場所(半日陰)で育てます。水中に植え付ける場合は、水深10cm以下になるよう調節してください。
また、オモダカは耐暑性が強く、耐寒性はまあまあ強い植物です。寒冷地以外の場所では地植えしたまま冬越しができます。寒冷地で冬越しさせる場合は、鉢植えにして水の凍らない場所に置きましょう。
オモダカへは、鉢植えでも地植えでも、根が水に浸かる状態で育てます。水深1~10cmの間で調節します。
鉢植えの場合は、オモダカの根を水を張った容器や池などに沈めてください。根が水に浸かっているなら水やりは必要ありませんが、容器に入れた水が腐らないよう取り替えてください。
オモダカへの肥料は、5~10月の間に施します。月1~2回のペースで緩効性の化成肥料を土に埋め込んでください。
オモダカを鉢植えで育てる場合は、赤玉土を使います。市販の水生植物用の培養土でも良いでしょう。水に浸けておくオモダカの土に腐葉土は向きません。
湿地に地植えをする場合は、特に土質を選びませんが、田んぼの土は特に適しています。
オモダカの植え付け時期は、3~4月頃が適期です。オモダカを鉢植えしている場合は、赤玉土にや水生植物用の培養土に、地植えの場合は湿地に植え付けてください。
オモダカを鉢植えしている場合は、植え替えを毎年行います。これはランナーが伸びて球根が深いところに潜るためです。オモダカの根鉢をくずさずに、そのまま別の鉢に植え替える鉢上げなら季節を選ばず行えます。なお、植え替え時期も、3~4月頃が適期です。
オモダカには「分球」という増やし方があります。オモダカは、地中に伸ばしたランナー(走出枝・地下茎)の先に塊根をつくります。2~4月の植え替え時に、土から球根を取り出し、親株と子球を取り分けてください。
オモダカを一年中水を切らさないように注意しましょう。水を張った容器に鉢植えを浸ける場合は水交換を忘れないようにしてください。
オモダカにはヨトウムシがつくことがあります。夜間に出現し、葉を食害するので見つけ次第駆除してください。
オモダカの葉柄(葉と茎を接続する柄)の長さは15~60cm、矢じり型の葉の長さは7~30cm、草丈は30~70cmです。オモダカは、葉の大きさや茎の長さ、草丈などはさまざまで、同じ品種なのかわからなくなるほど大きさに差があります。
なお、オモダカの中でも「八重オモダカ」という品種は、名前の通り八重咲きの品種です。
オモダカの開花時期は8~9月頃で、この季節になると、3枚の花びらからなる直径2cmほどの小さくて真っ白な花を咲かせます。
また、株元から20~70cmの花茎をまっすぐに伸ばし、イネやナンテンのような複総状花序を形成して3輪のつぼみをつけます。
オモダカの花言葉は「高潔」「信頼」です。また、オモダカは6月18日と10月22日の誕生花でもあります。
落葉性の多年草であり、球根で増える水生植物であるオモダカ(面高)の栽培方法を紹介しました。
オモダカは湿地を好み乾燥を嫌うので、1年中水を切らさないように育ててください。初心者でも育てやすい品種なので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。
※トップ画像はアリサさん@GreenSnap
GreenSnap編集部