warning
error
success
information
中国原産の落葉高木ハクモクレン。コブシによく似た白い大ぶりな花を咲かせるのが特徴です。この記事ではハクモクレンの基本的な育て方から剪定、施肥、株の増やし方、花言葉などをまとめています。
ハクモクレンはモクレン科、モクレン属、中国原産の落葉高木です。高さが15m以上にもなります。花はコブシの花にも似ており、乳白色で上向きに直立して咲きます。日本には古くに渡来し、寺院などに植えられることも多かったようです。蕾は頭痛や鼻炎などを抑える効能があるとして、漢方などに用いられています。
ハクモクレンは日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。
庭植えの場合、水やりはほとんど必要ありません。 鉢植えのものは土が乾いていたら、鉢底から水があふれ出るまでしっかりと水を与えましょう。
ハクモクレンを植え付ける際は、水はけがよく、少し湿った土が向いています。庭に直接植える際は、土に腐葉土やピートモスなどを混ぜこむと、土が柔らかくなり、水持ちもよくなります。
ハクモクレンは生長スピードが速く、樹高も高くなるので、庭に直接植え付けるのをおすすめしますが、鉢植えする際は、鉢底石を多めにし、土に赤玉土を混ぜ込むことで水はけのよい土を作ることができます。
地植えの場合は植え付け後に根付けば、その後水やりをする必要はありません。
鉢植えの場合は、根を伸ばしにくいので、こまめに水やりする必要があります。鉢土を1cmほど指でほじり、土がさらっとした状態であれば、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをしましょう。
鉢で育てる場合は、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。
ハクモクレンに肥料を与える場合は、2月に寒肥(かんごえ)として緩効性化成肥料や油粕や堆肥などの有機肥料を、9月に油かすと骨粉を混ぜた肥料を追肥します。2月に与える寒肥は、活動期である春に樹木全体に栄養が行き渡るようにするためです。
また若木であれば、生長が著しくなる5月にも追肥の際同様、有機肥料を与えるとその後の生長がよくなります。
植えつけの際は、土に元肥を施します。元肥には、長く効果が続く緩効性肥料がおすすめ。約2年間効果が持続するのでおすすめです。また植え付け時期ですが暖地では11月~12月に、寒冷地では1月~3月の間に行います。
幹が細いうちは、支柱を立てて風で倒れないように補強します。また植え付け後は根付くまでは土が乾燥しないようにこまめに水を与えます。根の活着促進として、植物用活力剤を規定の倍率で希釈して与えると効果的です。
鉢植えの場合も基本的には地植えの方法と同じです。ハクモクレンは根がよく張る植物です。鉢を直接土の上に置くと根がはみ出して土に張ってしまうのを防ぐために、鉢の下にレンガやブロックなどを置いておきましょう。
地植えの場合は植え替えの必要はありませんが、地植えで十分にスペースを確保できているなら、植え替えの必要はありません。 鉢植えは1~2年に1回、1回り大きな鉢に植え替えます。 花が終わった4~5月に、植え付け時と同様の手順で新しい鉢に移してください。
ハクモクレンは生長がはやいため、毎年のように剪定が必要になります。
剪定適期は11月から2月頃。花の時期が終わってから冬の間で、長く伸びすぎた枝を花芽の上で切り落とします。
ハクモクレンは、花後に葉を茂らせますが、葉が多い茂る時期は花芽のついた枝を落としてしまうことがあるので剪定は避けましょう。花芽と葉芽の見分けがつかない場合は、花が咲き終わった直後から6月頃まで剪定してもかまいません。
ハクモクレンは接ぎ木や挿し木、種まきなどで株を増やすことができます。挿し木は新芽がつくまでに時間がかかるため、ご家庭では挿し木や種まきで増やすのをおすすめします。
接ぎ木は2種類以上の植物を接着させて増やす方法です。ハクモクレンの場合はコブシの木を台木、穂木として枝先から5cm程度に切り落としたハクモクレンの枝を接着させて育てます。
枝には芽がつくように長さを調整し、挿す方は斜め切りにしておきます。それを台木にしたコブシは株元近くに切り込みを入れ、ハ接ぎ木テープを巻き、活着するまでそのままの状態にしておきます。
赤いこぶがいくつも連なったような細長いものがハクモクレンの実です。実は6月頃に完熟し、10月頃になると熟して裂けていきます。種まき用として使う場合は、まだ実が裂けていないものを選び、陰干しして保管します。
乾燥させてからしばらく日にちを置くと自然に避けてきますので、裂けたオレンジ色の実の中から黒い種を取り出し、果肉は水洗いして落とします。その後、種が乾かないうちにすぐに土にまきます。種は深く埋めすぎないようにしましょう。芽が出るまでは土が乾かないように水やりを行います。発芽した芽が生長してきたら、苗の大きさに合わせた鉢に植え替えましょう。
ハクモクレンの実は食べられませんが、9月中旬頃になると赤く色づき始め、10月初旬ごろになると、実が裂け始め、中からオレンジ色をした1cmほどの玉が出てきます。玉は硬く、実と細い管でつながっています。
さらにそのオレンジの玉を剥ぐと、その中に黒い種が現れますが、これが種になります。
ハクモクレンには黒斑細菌病(こくはんさいきんびょう)といって、土壌中や種に存在している細菌が飛散し、気孔、水孔、害虫の食害痕などから侵入して起こる病気です。
野菜などにも発生することが多いこの病気は、葉や花蕾などに黒褐色の病斑を生じ、次第に全体に拡大していきます。この病斑が進行すると、葉の奇形や根部の肥大が悪くなるなどし、健全な生長が困難になります。
予防法としては種を消毒しておいたり、植え付け後に殺菌剤を散布するほか、同属や同一作物の連作を避けることです。
また剪定直後の切り口をそのままにしておくとそこから病気にかかりやすくなります。剪定後の切り口には癒合剤を塗り、保護しましょう。とくに梅雨の時期は湿気や雨により病害虫が発生しやすくなりますので、定期的な消毒をおすすめします。
ハクモクレンの花言葉には、「自然への愛」「自然な愛情」「荘厳」など空に向かって大きく咲き誇るハクモクレンの木が自然を満喫しているように見える姿からこのような言葉がつけられました。また真っ白な花からは、「気高さ」「高潔」などの花言葉がつけられています。
花が咲くと大ぶりな花が枝いっぱいになるため、とても見ごたえのある庭木です。耐寒性、耐暑性ともに優れているので、日本の気候下でも育てやすいです。
生育が早く庭のスペースが十分に確保できない場合は、こまめに剪定し、小さく仕立てるか、元々小さく育つ園芸品種もありますので、そちらを選んで育てるようにすると安心です。
GreenSnap編集部