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イヌマキ(犬槇)はマキ科マキ属の常緑性針葉高木で、樹高は2~5mほどのものから、最終的には20mほどにもなります。刈り込みに強いことから、樹形を整えて観賞する庭木として利用されるほか、生け垣や防風林、街路樹としても植栽されます。また、コンパクトに仕立てる盆栽にも使われるなど、幅広い用途にマッチします。日陰や潮風、大気汚染にも強く、初心者でも育てやすい、イヌマキの育て方をみていきましょう。
イヌマキの木は、水はけの良い場所で育てましょう。日陰でも育ちますが、日当たりが良い場所の方がよく育ちます。
また、イヌマキの原産地は日本と中国、台湾で、国内での分布地は南東北から沖縄までとなっています。耐暑性は強い一方、耐寒性は弱めなので、冬に氷点下になるような環境での栽培には適していません。
イヌマキを盆栽などの、鉢植えで栽培する場合は、室内で冬越しをさせましょう。
イヌマキを鉢植えにする場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
イヌマキを地植えにする場合は、植え付け時以外ほとんど水やりは必要ありません。真夏に酷暑が続き、土がカラカラになるようなら夕方以降に水やりをしてください。
イヌマキへは、2月頃に寒肥として、有機質肥料を株の周囲に浅くすき込みます。植え付け時や植え替え時には、元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を土に混ぜておきましょう。
イヌマキの木はそれほど土壌を選びませんが、強いていえば水はけの良い土が適しています。有機質を含んだ土なら新芽がよくつくので、用土にはあらかじめ元肥を混ぜ込み耕しておきましょう。
イヌマキの植え付け・植え替え時期は、4~5月、8~9月が適期です。
鉢植えの場合も地植えにする場合も、植え付ける土にはあらかじめ有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。植え付け・植え替え後には水をたっぷりと与えてください。
イヌマキの増やし方は、「種まき」か「挿し木」が一般的です。
種まきは、10月頃に採取した種をすぐまくか貯蔵しておき翌年の3月にまきます。
挿し木は3~4月、9~10月が適期です。春に行う場合は前年に伸びた枝を、秋に行う場合はその年に伸びた枝を10~15cmほど切ります。切り口を2時間ほど水に浸けたあと、挿し木用の土に挿します。根が出るまで、土が乾かないよう注意してください。
イヌマキの木は、5~10月の間に年2回ほど剪定を行います。イヌマキは刈込によく耐えますが、若木のうちはあまり刈り込み過ぎないようにしてください。
また、イヌマキの木の枯れた葉は、早めに取り除きます。日当たりと風通しを良くして害虫を予防するためにも、込み入った枝は剪定しましょう。
イヌマキにはアブラムシやカイガラムシなどの害虫がつく場合があります。これらの害虫はすす病の原因にもなるので注意が必要です。
アブラムシ:風通しの悪い環境で、春と秋によく発生します。新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って株を弱らせます。アブラムシの排泄物はアリを誘引するほか、すす病などを発症する原因にもなります。見つけ次第手や歯ブラシなどで取り除くか、アブラムシ用の薬剤で駆除しましょう。
カイガラムシ:日当たりと風通しの悪い環境でよく発生します。カイガラムシに樹液を吸われると株が弱るだけでなく、その排泄物が病気を発症する原因にもなります。虫の殻が硬くて、カイガラムシ用の薬剤でも駆除できない場合は、歯ブラシで取り去るなど物理的に駆除してください。
すす病:アブラムシやカイガラムシの排泄物が原因になり、春から夏の暖かい時期によく発症します。すす病菌が寄生すると株全体がすすで覆われたようになり、光合成ができなくなります。黒ずんだ葉などは早めに取り除き、殺菌剤を使って対処します。日当たりと風通しを良くして、予防しましょう。
イヌマキは5~6月に開花期を迎えますが、花はとても小さく観賞向きとはいえません。
イヌマキの育て方を紹介しました。
イヌマキは常緑性針葉高木であり、庭木や生け垣、街路樹や盆栽などの用途に幅広く使われます。また、盆栽として楽しむ方も多いようです。
イヌマキは冷涼地での栽培には向きませんが、耐暑性があり潮風にも強いのでたいへん育てやすい樹木といえます。害虫の発生を予防することで病気も予防できるので、日当たりと風通しの良い環境で育てましょう。
※トップ画像はスターサーフさん@GreenSnap
GreenSnap編集部