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小学校の授業で育てられる植物として知られるグラジオラス。花の色は品種によって様々です。花は花茎に並んで咲くため、見る人に勇壮さを感じさせることもあります。
今回はグラジオラスの育て方についてご紹介します。
グラジオラスは南ヨーロッパや南アフリカが原産の植物で、日当たりの良い場所を好みます。
日に当たる時間が短いと、花つきが悪くなってしまったりするので、日当たりの良い場所で育てるのが良いでしょう。
グラジオラスは耐寒性がなく、寒い場所での育成は不向きです。そのため、グラジオラスを育てるときは、暖かい場所に置いておきましょう。
グラジオラスは乾燥にある程度耐えられるため、夏や秋に鉢や地植えで育てる場合には、土が乾いてから水やりをするようにしましょう。
グラジオラスは水耕栽培で育てることができますが、多湿に弱い植物です。そのため、冬はあまり多量に水を当てる必要はありません。土が乾いたら、水を与えるようにしましょう。
冬先の春は、グラジオラスの成長期であるので、水はたくさん与えると良いでしょう。
グラジオラスは「じゃがいもが作る事ができる土地であるなら育つ」といわれ、やせた土地でも育成することが十分可能です。
むしろ、肥料の過剰な投与はグラジオラスにとって悪影響ですらあり、花つきが悪くなってしまうおそれがあります。
グラジオラスを育てるときの肥料は、元肥として化成肥料を土に混ぜ込んでください。追肥は花が咲くまでに化学肥料を株元に2、3回少量蒔けばそれで十分です。花後には追肥を行う必要はありません。
化成肥料は、カリウムやリン酸を多く含み、窒素が少ないものがグラジオラスの栽培に適しています。
グラジオラスを育てるときは、水はけの良い土を用いましょう。地植えの場合は、赤玉土や庭土に腐葉土、堆肥などを混ぜて、土壌を改良しておきます。
土はp.H5.5〜6.5の中性〜弱酸性の土が適しており、庭土を利用する際には苦土石灰を混ぜて酸性度を調整しておくと良いでしょう。
また、赤玉土を7、腐葉土を3の割合で混ぜ、川砂を少々と化成肥料を混ぜ込んだ土は水はけがよく、グラジオラスの用土として利用することができます。
なお、地植えの場合は連作障害を起こすので毎年植える場所を変える必要があり、グラジオラスと同じアヤメ科の植物も植えることができない点にご注意ください。
グラジオラスの植え付け、植え替え時期は、どれも3月〜5月、6月が適しています。グラジオラスは寒さに弱いため、寒冷地では霜が降りなくなった頃に植え付けるのが良いでしょう。
グラジオラスの場合は、種まきではなく、秋に掘り出した球根を植え付けます。
鉢植えで植え付ける場合は、6号の鉢で球根を3球程度、土から1個分くらいの深さに植えてください。土は小粒の赤玉土7:腐葉土3で、元肥として化成肥料を混ぜたものを使用してください。
市販の草花用培養土で代用しても大丈夫です。地植えの場合は、風が少なく、日当たりの良い場所を選ぶ必要があります。
強風にさらされると、風に煽られて茎が倒れ、最悪の場合枯れてしまうことがあります。どうしても風が強い場所に植える場合に、支柱などで支える必要があります。
球根の植え方は、15センチ程の間隔を空けて、球根1球分の深さに植え付ければ完了です。
このとき、過去にグラジオラスやほかのアヤメ科の植物を植えた経験のある土地での栽培は、病害虫発生の原因となるので避けましょう。
グラジオラスは秋に球根を掘り出して、紙袋に入れ保管しておきます。
翌年の春頃に、球根の脇に付いている「木子」と呼ばれる小さい球根を外して植えれば、次の年には発芽しています。
グラジオラスの増やし方は、この木子を分球する方法となります。
木子は球根を掘り上げたときに採取することができ、木子は大きいものの方が育ちやすいです。グラジオラスの球根を掘り上げた際には、たくさんの木子が付いているので、必要な分だけ選ぶと良いでしょう。
分球したグラジオラスの木子を3〜4月に植え付けましょう。
首腐病は細菌が引き起こす病気で、原因となる病原菌は土の中に残ります。発症すると、グラジオラスの内側の葉に赤黒い斑点が生じます。
その斑点が徐々に広がっていき、最終的には株全体が腐敗します。一度かかってしまった株は焼却処分するほかありません。
首腐病は高温多湿の環境で起こりやすいので、風通しを良くして、水の与えすぎに注意することで首腐病を予防することができます。
グラジオラスにとっての害虫として知られるのがハダニです。ハダニは主に夏に現れ、グラジオラスの葉の裏側に固着し、栄養分を吸汁します。
ハダニは見つけ次第除去してください。薬剤の散布がハダニに対して有効ですが、葉に水をかけるのも予防として有効です。
グラジオラスは、多少の暑い環境やある程度の乾燥にも耐性があります。しかしながら、日当たりの悪い場所、寒い場所、風通しの悪いところや多湿は嫌います。
グラジオラスの球根も、0度を下回る環境で保存しておくと枯れてしまいます。そのため、冬などの寒い季節では、霜がつかない比較的高い温度の場所で管理してあげるのが良いでしょう。
グラジオラスの花は春咲き、夏咲きの品種によって色や大きさが異なります。一般的には、真っ直ぐに伸びている花茎に、きっちりと整列して花を咲かせることで知られています。
グラジオラスの花言葉は「密会」、「用心」、「忘却」、「勝利」、「思い出」です。
また、グラジオラスには色別に花言葉もあり、紫色のグラジオラスは「情熱的な恋」で、赤色は「用心深い」、「堅固」で、ピンク色のグラジオラスは、「たゆまぬ努力」、「満足」、「ひたむきな愛」といった花言葉があります。
今回は、ヨーロッパでは昔から知られている花、グラジオラスについてご紹介しました。グラジオラスの球根には傷薬としての効能があることから、験担ぎや縁起の良い象徴として、古代ギリシアの兵士たちはグラジオラスをお守りとして活用していました。
すっと伸びた茎に並ぶようにして咲く花は、とても勇壮さを感じさせますが、鮮やかな花の色は可愛らしく思えます。品種も様々で、木子で増やすことも可能、初心者の方でも栽培が容易なことで知られています。
これを機にグラジオラスを育ててみてはいかがでしょうか。
takenaka