warning
error
success
information
ボタン(牡丹)の花の魅力は、大輪で華やかなことでしょう。各地にボタン園もあり、愛好家も少なくありません。大きく美しく咲くボタンの花を見て、育ててみたいと思っている人に、ボタンの育て方をご紹介します。
牡丹の花の開花時期は4~6月頃です。 中には、春のほか秋の季節にも花を咲かせる品種もあります。牡丹はシャクヤクに似た花を咲かせます。花形は一重咲き、八重咲き、千重咲などさまざまあり、いずれもボリュームがあって華やかであるという特徴があります。
ちなみに、シャクヤクとの違いは、牡丹の葉には光沢がなくギザギザしていて、シャクヤクの葉は光沢がありギザギザしていないなどの点があります。
ボタンの植え付け時期は9~10月頃が適期です。
一般的には、シャクヤクの台木に接ぎ木されている苗を植え付けます。園芸店で販売されているものは、あらかじめ接ぎ木されているものが多いです。市販のボタンの苗にはほとんどが接ぎ木2年性や3年性と書いてあるでしょう。ボタンの苗を選ぶときは、葉が大きなものを選ぶと育てやすいですよ。
植え付けをする前に、花芽を取り、短く剪定しておきます。地植えで育てるときは、事前に耕した土に植え付けます。土はつぎ目の部分までかぶせるようにします。根が付くまでは、乾燥させないようにたっぷりと水をやるようにしてください。
ボタンを鉢植えにする場合は、底にネットを張り、鉢底石を入れて、清潔な土と元肥を入れた鉢に植え付けをします。この時肥料の部分に根が付かないように気を付けましょう。
ボタンは日当たりと通気性のよい場所で育てます。
一度植えるとずっと花が楽しめるといわれるほど丈夫な草花ですが、夏の高温多湿には弱いので遮光したり、鉢植えならできるだけ涼しい場所に移しましょう。
また、冬は土が凍ると弱るので、寒冷地ではマルチングや敷きわらをして寒さ対策するとよいです。
ボタンは湿気を好まないため、土はできるだけ乾燥気味にさせておきます。草花の多くは、土が乾いたら鉢底から水が流れる位たっぷりと水やりをしますが、ボタンを育てる時は、与え過ぎないように注意します。どちらかといえば、土が湿る程度で乾燥した状態を保つようにしましょう。
気温が低くなる冬は土が凍結することもあるので、水やりは不要です。水やりはしなくても、春になると芽が出てきます。
ボタンの用土は赤玉土6:腐葉土3:もみ殻くん炭1の割合で混ぜた土が適しています。初心者は草花用の培養土を使うとよいです。
植え付けの際は、この用土に元肥を加えて耕しましょう。
ボタンは植え替えを好まないので、基本的に一度植え付けたらほとんど植え替え作業は不要です。
ただし、鉢植えの場合で株に元気がない、根が詰まっているという場合は大きな鉢に植え替えをするか、地植えにしましょう。
ボタンは、定期的に肥料を与えることで大きな花を咲かせることができます。肥料を与えるタイミングや種類が大事になります。ボタンに肥料を与える時期は、冬から初春にかけて、初夏、秋の3回です。
9~10月の植え付けの際におこなう肥料で、ボタンの成長を促すために行います。元肥として適しているのは、緩効性肥料か有機質の骨粉、リンやカリが多く含まれている肥料です。植え付ける時は、肥料が根に付かないように注意してください。
2~3月にかけて与える肥料は「春肥」といって、1年間の健康を維持するためのものです。肥料を与えることで、根がしっかりと張るようになり、花芽の付きをよくします。肥料は、緩効性肥料か有機質である「油カス」を与えます。
ボタンの花は、4~6月にかけて開花します。5~6月の花が終わったタイミングでお礼肥えとして肥料を与えます。これは、樹木の体力を回復させるのと夏場や秋にかけてボタンの健康を維持するのが目的です。お礼肥えで与える肥料も緩効性肥料が適しています。
ボタンの剪定時期は9月の終わり頃が適期です。この頃になったら、枯れた葉や重なった枝を切り落としましょう。このとき葉脈の部分には花芽が付いているので、元部に近い部分のものだけを残します。
ボタンの花を毎年楽しむためには、1年目は、花芽を取って、根の部分に栄養がいきわたるようにすると、翌年以降、花が咲きやすくなりますよ。
ボタンは、シャクヤクの苗木に「接ぎ木」して増やすことができます。
接ぎ木の時期は、8~9月頃です。接ぎ木する道具や苗は、清潔なものを使うようにしてください。植え付けに使う土も新しいきれいな土を使用しましょう。
ボタンは、丈夫な植物といわれますが、気温の変化や土壌の状態によっては、病気にかかったり、害虫の被害を受けることもあります。枯れている葉や茎を見つけた時は取り除くようにしてください。
ボタンがかかる病気で最も注意をしたいのが、灰色カビ病です。最初は、ボタンの花や葉にシミのような斑点ができます。進行すると株全体が灰色のカビに覆われるようになります。
気温が低く、湿気が多いと起こりやすいので、春から初夏にかけてと、9月の急に気温が下がったときは、灰色カビ病が蔓延しやすくなります。風通しが良い場所で育てるというのも、病気を予防するポイントのひとつです。
土壌が原因で起こる病気で、根の部分や土が絹糸のような白い菌糸で覆われます。症状が進むと根元から枯れていきます。白絹病は気温が高くなると発症しやすくなるので、湿気が多くなる6月頃から残暑が厳しい10月頃までは要注意です。
白絹病は菌が発症するのは、土の表面部分になるので、地植えの時は、土をしっかり耕すとよいでしょう。白絹病になった時は、株の部分は取り除くようにしてください。土も表面部分は取り除いて、新しい土を上から追加します。
ボタンにつきやすい害虫のひとつがカイガラムシです。ボタンの幹の部分を虫が覆いつくし、貝殻のような殻がつきます。カイガラムシの害が進むと排泄物によるウイルスを媒介したり、株全体を枯らしてしまいます。カイガラムシを予防するには、休眠期である冬場に農薬を散布するという方法があります。
土の中にいるセンチュウによる被害のことをいいます。根の部分に分泌物をつけてこぶ状にします。根から栄養分が行かなくなるので、幹や葉の生育が悪くなり、花が咲かなくなることも。葉が下を向いているときは根コブセンチュウによる害を疑った方がよいかもしれません。1年に1回、根元に肥料を与えて成長を促すことで根コブセンチュウの害を避けることができます。
肥料焼けとは、肥料の与え過ぎることで、タンも元肥で入れた肥料が根に付いてしまうと「肥料焼け」にかかりやすくなります。ボタンは「肥料食い」する植物ともいわれ、土作りの段階や花が終わった時、休眠時に肥料を与えて成長を促します。
そのため、どうしても肥料過多になってしまいがちです。肥料を与える時は、適量を守ることと、有機質のものか緩効性のものを選ぶようにしてください。
今回は、ボタンの花の育て方について紹介してきました。ボタンは、肥料も多く与えなければなりませんし、水やりの仕方もほかの植物とは異なります。ちょっと育てるのが大変そうですが、コツをつかめば、何年も花を楽しめます。お家の庭をボタン園のようにしてみたいという人は、ぜひ挑戦しましょう。
GreenSnap編集部