ボタンの不要な来年の花芽、葉芽を取り除きます。
6月に入って梅雨の合間に、出来ればボタンの新芽(花芽・葉芽)を整理します。一番良いのは花後に直ぐ腋芽かきをしたいのですが、新芽が小さ過ぎるのである程度大きくなったこの時期に行います。
{腋芽かきは強制するものではありません。} 放っておいても、来年の花には影響ありません。しかし長年育てていくと花が徐々に小さくなり、いずれ咲かなくなってしまいます。長年花を楽しみたいのであれば、この時期の腋芽かきは欠かせません。
新芽は葉の根元(葉腋)に出来ます。
ボタンの新芽は、紫陽花などの他の植物と違って本体をどのように剪定しても、年内に《芽吹く》と言う事はありません。花が咲いて成長が止まると、葉を大きく展開する以外に、年内に目立った成長は一切しません。
これから、どの芽をどのようにするか? 見ていきましょう。
花が咲かなかった枝・幹
これは葉芽として旧枝から芽吹いた枝です。つまり花が咲かなかった枝なのです。紫陽花は葉芽として芽吹いた枝は、秋まで成長を続けますが、ボタンの枝は花が終わると成長を止めます。そして天頂に花芽を作るのです。①
この枝にも短いとはいえ葉が有ります。そして葉腋には芽(葉芽)②③ができるのです。この枝はまだ細く、来年の次の枝は作りたく無いので不要のものです。
この芽をえぐり取ります。(写真:右)
そうする事で①に栄養が周り、より大きな花芽になっていきます。大きな花芽はより太い枝になり、より大きな花になっていきます。
芽をえぐり取るには、このような彫刻刀を使います。
できるだけ丁寧に、葉や枝を傷つけずに、深くえぐり取って下さい。
これはボタンの根から直接生えてきた枝になります。芽吹き当時「ひこばえ」と呼ばれるもので、本来不要なものです。しかし、親株が充実してきて幹を増やしたい場合や、若返りをしたい場合は「ひこばえ」を育てて新しい幹にしていきます。
形は前の新枝と同じで、花後で成長が止まると、天頂部に花芽ができます。①
②③は葉芽ですが、この新幹は太さも充実しているので葉芽を一つ残す事にします。つまり再来年の枝を一つ作る訳です。
②の方が芽としては大きいのですが、花芽に近いので③を残します。
これも「ひこばえ」を育てた新幹です。天頂部①が花芽で、②③が葉芽になります。前と違うのは幹の太さです。あまり太くはないので今回は枝を作りません。従って、②③は不要なので取り除きます。
どのような形の枝・幹であれ、天頂部の芽は全て«花芽»と言うことになります。絶対に取り除いてはいけません。
花が咲いた枝・幹
今年花が咲いた枝を整理していきます。
写真では左側に伸びた先に花があった事になります。普通、花に近い1~2段目の葉の葉腋には芽ができません。①は花から2~3段目の葉の根元の芽です。花から数えて一番最初の芽が花芽になるのです。① その下の②③が葉芽になります。③は小さすぎて取りにくいのでそのまま残し、秋の剪定で取り除く事にします。
花芽と葉芽の違いは大きさだけではなく(一番大きいのが花芽)、芽がふっくらしていれば花芽、ほっそりしていれば葉芽となるのですが、ボタンの種類によっては見分けがつきにくいので苦労します。
上が今年花が咲いていた方向です。この枝には3つの芽ができました。
ボタンによっては花芽ができやすいタイプとできにくいタイプがあります。最低でも1つはできるのですが、この枝には2つできました。①② 枝も十分に大きいので2つの花芽を残す事にします。
今まで見てきたように、ボタンの花茎はそのまま次世代の枝になっていきます。
この枝には来年2つの花が咲き、そして2つに枝分かれをしていきます。
前と同じです。①②が花芽で③が葉芽になるので、③を取り除きます。
芽を残す理由は花芽だけではありません。この芽が次世代の枝になる訳ですから、芽が向いた方向に枝が伸びていく事になります。
できるだけ株の外側へ枝を伸ばしたいので(枝を外へ外へと誘導する)、株の中側に向いた芽は、たとえ花芽でも不要のものと考えて下さい。
上が花が咲いていた方向です。
この枝には4つの芽ができました。①が花芽で②③④が葉芽になります。今までの説明からすると①を残し②③④を取るのですが、それでは今年の成長が長すぎます。ボタンの性質上、株の背が高くなり過ぎると花芽ができにくくなります。長年、このような腋芽かきをするといずれ花が咲かなくなります。腋芽かきは、一年の成長をできるだけ低く抑える意味もあるのです。
③の芽が外側を向いているのでこれを残し、①②④を取り除きます。しかし③は葉芽です。
大丈夫。ボタンは今年成長した枝や幹には必ず花芽を作ります。③は今は葉芽でも葉が落ちる秋までには花芽に変わっていきます。
間違って花芽を取っても、大きめの葉芽を一つ残しておけば、それは花芽へと変わっていくのです。
ボタンによっては、花芽が出来易い種類があります。
写真のボタンはそれに当たり、4つの芽が全て花芽になります。
ボタンの花は一枝に2つまでで、それ以上は付けません。年単位で早く枝が細くなり、花が咲かなくなるからです。
写真の枝が細ければ③を残しますが、この枝は十分な太さがあるので2つの芽を残す事にします。②が内側を向いているので①を残し、①の芽と距離のある④の芽を残します。
特例の枝です。上が花が咲いていた方向で、本来①が花芽のはずですが、この枝では2番目の②が花芽になっています。
このような理想的な枝が全てであれば何も迷う事はありません。花芽とハッキリ分かりますし、成長も最低限で済みます。オマケに②の花芽は外側を向いています。
もし①②が条件外の芽であっても③を残せば、③は秋には花芽へと変わっていきます。
最後です。
上方向に花が咲きました。
そして①②の芽ができましたが、この芽はもう花芽ではありません。花芽ができなかったのです。
見ての通り、枝が細すぎます。(花も小さかった) ボタンの枝の最終形(老化)と言うことになります。
②は小さすぎるので残し、①を取ります。そして秋の剪定にはこの枝は根元から切り取り、他の枝や幹へと若返りをしていきます。
ボタンはこれからほとんど成長しません。他の植物と違い、ボタンの葉は、枝・幹の肥大と花芽・葉芽の肥大だけに光合成をしていきます。(栄養を作る)
12月の初めの葉が枯れ落ちるまで、葉は大事にしていきます。夏場の高温乾燥に注意し、過湿にならない程度に水やりをします。9月に入ると葉が変色してきますが、枯れてくる訳ではありません。徐々に役目を終えつつあるのです。12月までそのままにしておきます。(*^^*)
12月まで作業はありません。m(_∞_)m
まとめの作り方わかりやすいです⤴️
まとめを試行錯誤してるのでとても参考になります✨