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チューベローズはリュウゼツラン亜科の球根植物です。原産地はメキシコとされ、キジカクジ科ゲッカコウ属に属す植物で、月下香(げっかこう)という別名を持っています。球根から丈の長い茎や葉が伸びて60cmから1mほどに成長し、爽やかな小さめの花を咲かせます。
そんなチューベローズの育て方を説明します。
チューベローズは日当たりが悪い場所では育ちが悪くなります。そのため、1年を通して日当たりがよく、水はけのいい場所で育てましょう。
もともと熱帯性の気候が適している花なので、夏の直射日光に当たっても葉焼けする心配はありません。ただし、気温が15度以下になると育ちにくくなるので、春に気温が下がったときには室内の暖かいところに置くなど注意が必要です。
また、チューベローズは暖かい地域では地植えで育てることも可能ですが、寒さに弱いため、気温が5度以下になると枯れてしまうのでご注意ください。
チューベローズは乾燥が苦手なので、湿度の高い環境に適しています。鉢植えや地植えのどちらの場合でも、根元の土の表面が乾いたときには水をたっぷり与えましょう。
夏場には土が乾燥ぎみになるので、水やりの回数を増やして水切れにならないように気をつけます。土が乾燥しやすい真夏には、1日に2回程水やりをするといいでしょう。
チューベローズは肥料が少ないと弱って病気にかかりやすくなるため、肥料は充分に与える必要があります。
追肥は6月と9月に1回ずつ緩効性の化成肥料を与えましょう。6月には7月からの開花時期に花つきをよくするため、9月には球根に充分な栄養を与えて大きく育てるために肥料を与えます。肥料が足りないときには、液体肥料を足すといいでしょう。
チューベローズを育てるときは、水はけがよく保水性の高い土が適しています。
地植えをする場合には、植え付け前に庭土に腐葉土や堆肥を混ぜて水はけのいい土づくりをしてから植えましょう。鉢植えでは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で用土をつくります。また、市販の培養土に腐葉土を混ぜた用土を使用してもいいでしょう。
チューベローズの植え付け時期は4~5月です。寒さに弱いので暖かくなってから植え付けるようにしましょう。
小さい球根では花が咲かない場合もあるので、購入するときには大きくて重いものを選びます。球径は4cm以上、重さは30g以上ある球根を目安に選ぶといいでしょう。
チューベローズの球根と球根の間は15cmほどの間隔を開けて、深さ10cmほどの穴を掘り、球根の頭が上になるように植え付けます。鉢植えの場合には、6号サイズの鉢に対して球根3球を植え付けし、どちらも植え付け後にはたっぷりの水を与えましょう。
チューベローズを植えっぱなしにすると球根がよく増えるので、増えた球根を分球して増やします。
チューベローズの花の開花後には、葉を残してよく日に当て、球根を太らせておきましょう。冬に球根を掘り上げてから子球を分けて保管し、植え付け時期の4~5月に暖かくなってから子球を植え付けします。
子球は充分に成長する前に休眠するため、分けた年には花がつきません。子球を分けてから1年目は球根を太らせて翌年に備えましょう。
分球後の翌年にすぐ花をつけたい場合には、冬の間に休眠状態に入らないよう温室など暖かいところで球根を育てます。球根が大きく育てば、翌年でも花をつけられるでしょう。
チューベローズは草丈が約1mほどの高さになる植物なので、茎が折れないように支柱で支える必要があります。花が終わったら葉を残したまま、茎を切っておきましょう。
また、寒冷地でチューベローズの葉が枯れてしまった場合は、球根を掘り上げて乾燥させ、バーミキュライトやおがくずの中に入れて、暖かい室内で保管しておきましょう。
チューベローズにはアブラムシが茎や葉、新芽などにつくことがあります。
アブラムシは植物の師管液を吸うとても小さな虫です。師管液を吸うときにウイルス性の病気を媒介するため、枯れる原因になる場合もあります。放っておくと数が増えるので、アブラムシがついているのを見つけたら歯ブラシなどでこすり落としましょう。
チューベローズは7~10月頃になると、茎の先に小さい花を穂状並んでつけます。花の色は白いものが多いですが、ほかにもピンクなどの色があります。
チューベローズの花には、夜になると女性らしく甘いフローラルの強い香りを漂わせるという特徴があります。その香りは香水の原料にもよく使用され、人気の理由のひとつともいえるでしょう。
チューベローズの花には一重咲きと八重咲きの種類がありますが、一重咲きの方が香りが強まるといわれています。
チューベローズの花言葉は、「危険な快楽」です。ほかにも「危険な関係」や「危険な楽しみ」「官能的」などがあります。チューベローズは夜になると強く甘い芳香を漂わせるため、これらの花言葉がつけられたといわれています。
今回はチューベローズの育て方や手入れ、植え付け・植え替えなどをご紹介しました。暑さには強いですが耐寒性の少ない植物なので、寒い地域では冬場に掘り上げするなどの工夫が必要です。
小さく香りの高い花は、南国ではつなげてレイなどにすることもあり、たくさんの花が咲いた姿はとても美しくゴージャスです。花の美しさと香り、どちらも楽しむことができるチューベローズを育てる、彩りの感じられる生活も素敵ですね。
※トップ画像は桃紫さん@GreenSnap
GreenSnap編集部