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ヘメロカリスはワスレグサ科ワスレグサ属(ユリ科ヘメロカリス属)の多年草です。花が1日しか持たないことから別名デイリリーとも呼ばれます。学名のヘメロカリス(Hemerocallis)は、へメロ(1日)カリス(美)というギリシア語に由来します。
今回はこのたくさんの種類があるヘメロカリスの育て方について紹介します。初心者でも育てやすい種類なのでぜひ栽培の参考にしてみてください。
ヘメロカリスは日当たりと水はけの良い場所で育てます。半日陰でもよく育ちますが、日当たりが良い場所の方が、たくさん花を咲かせてくれます。
真夏は暑さで弱ることあるので、ヘメロカリスを鉢植えしている場合は半日陰に移動させましょう。
また、ヘメロカリスは耐寒性があるので冬の寒さには強く、そのまま冬越しができます。
ヘメロカリスへの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
ヘメロカリスの花の開花時期に乾燥ぎみになるとつぼみが落ちてしまうので、水が切れないよう気をつけてください。夏の水やりは夕方以降に行い、秋からは徐々に水やりの回数を減らします。
ヘメロカリスの植え付けや植え替えの際に元肥として有機質肥料を与えます。追肥は寒さが弱まった3月と、花が終わった9~10月頃に緩効性の化成肥料を与えてください。
ヘメロカリスを育てるときは、水はけと通気性が良い土が適しています。
土質にはそれほどこだわる必要はありませんが、ヘメロカリスを地植えにする場合には腐葉土や牛糞などを混ぜ込んでおきましょう。鉢植えのために用土を作るときは赤玉土7:腐葉土3程度の割合で配合してください。
寒冷地でのヘメロカリスの植え付けは、春なら3~4月、秋なら9~10月が適期です。この時期にはポット苗が店頭に並びます。寒冷地以外での植え付けは秋に行う方がよく育ちます。
ヘメロカリスを地植えにする場合は、株と株の間を40~50cmはあけてください。
植え替えも植え付けと同じ時期に行います。鉢に根が回りすぎると生育しにくくなるので、一回りか二回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
ヘメロカリスの増やし方は、「株分け」が一般的です。
適期は植え付けや植え替えと同じ時期です。地植えの場合も鉢植えの場合も、地下茎が混み合ってくると花付きが悪くなったり枯れたりするので株分けをしましょう。株を土から出し、1株が2~3芽になるように切り分け40~50cm間隔で植え付けます。
秋に植え替えをする場合は下から10cmの部分だけ葉を残し、それより上の葉は刈り取ってから行ってください。
ヘメロカリスの花は別名のデイリリーの名の通り、1日で終わります。とはいえ、実際には2~3日花もちする品種も存在したりします。
ヘメロカリスの花は、1本の花茎から数個の花をつけるという特徴があり、品種によっては30個ほどの花を咲かせるものもあります。開花時期は6~8月頃ですが、一斉に咲かずに1~2輪ずつ咲いていくので、結果として長期間花を楽しめます。
ヘメロカリスの花が咲き終わったら、花がらは摘み取ります。また全ての花が咲き終わった花茎は、付け根の部分から切り落としてください。
春になり花茎が伸びてくるとアブラムシが発生します。大量発生を防ぐためにも、見つけ次第、殺菌殺虫剤で駆除してください。
ヘメロカリスの種類は多く、園芸品種は2万種ほども存在します。品種によっては昼咲き種と夜咲き種があり、花は小輪のものなら直径約5cmほどの大きさですが、大輪種になると直径20cmほどになる品種もあります。草丈も30~150cmと、低いものから高いものまで存在します。
花色もさまざまで、黄色・クリーム色・赤・赤褐色・紫・ピンクなどの色があります。単色のほか、2色以上の色が出ている花色もあります。また咲き方も一重咲きや八重咲き、花びらの形状が細いものや先がとがっているもの、ふちがフリル状に波打っているものがあります。
このたくさんの種類の中から、国内で自生している代表的な品種を紹介します。
キスゲ:北海道から九州に自生する品種。夜咲きで夕方に咲き始めます。花色はレモンイエローで芳香を放ち、別名でユウスゲとも呼ばれます。草丈は100~150cmにもなる大型種です。
ヒメカンゾウ:5月に花を咲かせる春咲き種で、同じカンゾウの「ノカンゾウ」「ヤブカンゾウ」「ハマカンゾウ」より早く開花します。ヒメ(姫)という名のごとく全体的に小ぶりです。草丈は20~40cmと低めで、赤みがかったオレンジ色の花をつけます。
今回はヘメロカリスの育て方について紹介しました。ヘメロカリスは1日花といわれていますが2~3日花もちするものがあり、1本の花茎から次々と花が付くので長く観賞できます。耐寒性があり初心者でも育てやすい多年草なので、ぜひ庭や鉢に植えて楽しんでいただければと思います。
※トップ画像はjackmamaさん@GreenSnap
GreenSnap編集部