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ミモザ(ギンヨウアカシア)は、アカシア属の花木の総称であり、3月ごろに黄色い花を咲かせる樹木です。銀色を帯びた緑の葉との美しいコントラストを見せてくれるミモザは切り花としても人気ですが、庭木として育てることもできます。
今回は、春を告げる黄色い花、ミモザの育て方についてご紹介します。
ミモザは日当たりがよい場所で育てましょう。日当たりが悪いと花が咲かなくなります。また、台風のような強風により枝が折れることがあるため、風が吹きつける場所は避けましょう。
切り花として人気のミモザですが、地植えして庭木として育てることもできます。
ただし、ミモザの耐寒性はそれなりにありますが、−5度以下の環境下での栽培だと越冬できません。そのため、地植えで庭木にするなら、関東地方以西の地域での栽培が適しています。寒冷地での地植え栽培は難しいので、鉢植えに春から秋は屋外、冬は室内に移動できるようにするとよいでしょう。
また、ミモザは生育が旺盛であることから、枝を広げながらぐんぐん伸びていきます。また、常緑性高木であるため、剪定をしなければ葉を茂らせながら10m程度にまで大きくなります。よって、庭木にしてそれなりに大きく育てたい場合は、ある程度の広いスペースを確保しましょう。
ミモザへは、夏場や何日も雨が降らず土が乾燥していたら、たっぷりと水やりをします。それ以外は根づけば水やりの必要はなく、降雨にまかせれば大丈夫です。
水やりは朝や夕方など、気温が比較的低い時間帯に行いましょう。特に夏は、日中の猛暑の中水やりをすると、土も温まっているため水もすぐに温まり、お湯で水やりをしている状態になります。そうすると根に負担がかかり、株が弱ってしまうのでご注意ください。
ミモザを含めたマメ科の植物は土中の根粒菌に作用し、空気中のチッ素を取り込んで栄養を得る性質を持っています。そのため、肥料の3要素「チッ素・カリウム・リン酸」の配合割合のうち、チッ素が少なくカリウムとリン酸が多い即効性化成肥料が適しています。
チッ素過多になると葉が変色するほか、葉や茎が弱くなるので気をつけましょう。
肥料は開花後の4月〜5月頃に与えてください。この時期に与えると、花を咲かせるためにエネルギーを消耗した株を回復させるのに役立ちます。また、土中に埋める必要はなく、土の表面にばらまきます。
溶け出した肥料の成分は、根の先から吸収されるので、枝先下あたりの土の表面にまくと効果的ですよ。
ミモザを育てるときは、土質にそれほどこだわる必要はなく、やせ地でもよく育ちます。ただし、水はけがよい用土が適しています。鉢植えにする場合は、赤玉土中粒と腐葉土を2:1の割合で混ぜ合わせた配合土、もしくは市販の培養土などを使いましょう。
ミモザの植え付け時期は、4月〜9月が適期です。
地植えの場合は、根鉢の2倍程度の大きさの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を混ぜ、苗木を置いて埋め戻します。幹や枝が折れやすいので、必ず支柱で固定しましょう。植え付けたあとに、たっぷりと水やりをすれば完了です。
ミモザを鉢植えで栽培する場合は、根がつまってきたら1回り大きい鉢に植え替えます。以前と比べて、水を与えてもすぐに土が乾いてしまうような場合は、根がつまっているサインです。根を軽くほぐして古い土を少し落とし、枯れている根や長く伸びすぎている根をカットして植え替えます。
地植えの場合は、植え替えができません。そのため、栽培に適した場所をよく考えてから植えるようにしましょう。
ミモザは、茶色く熟したさやから取り出した種を、9月〜10月にまいて増やします。赤玉土にまき、種が見えない程度に土をかぶせて、たっぷりと水やりをします。種は乾燥すると発芽率が低下するため、本来は採取したらすぐにまくのが望ましいです。
翌年に種まきをする場合は種を湿らせた砂に混ぜ、ビニール袋に入れて乾燥しないようにして保管しましょう。もし発芽しない場合は、種を20分程度煮るなどし、休眠状態を打破させると発芽しやすくなります。
ミモザは10m以上にも成長するので、剪定をして樹形を整えましょう。剪定は開花後〜6月下旬が適期です。秋になると花芽がつくので、夏以降に剪定すると花芽を落とすこととなり、翌年花が咲かなくなります。
込み入っている枝や新梢があまり出ない古い枝を切り落とし、風通しをよくするとともに、内部に日が当たるようにしましょう。また、高さを抑えたい場合は、好みの高さの位置で幹を切り戻します。
剪定についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
ミモザは風通しがよくない状態で育てると、カビてうどんこ病に感染することがあります。葉の表面に白いカビが発生し光合成を妨げるので、花が咲かなかったり株が弱ったりします。
特に梅雨や初夏の湿度が高い季節に発生しやすいです。剪定をして風通しをよくしておきましょう。
カイガラムシやミノムシがつきやすいので、見つけたら適切に駆除しましょう。カイガラムシは特に梅雨から初秋にかけて多く発生し、葉や枝に寄生して吸汁し生育を阻害します。また、すすのような黒いカビが葉や枝にできる「すす病」を誘発することもあるので気をつけましょう。
見かけたら歯ブラシなどでこそげ落として退治しましょう。大量に発生してしまったときは、薬剤を散布するのが効果的です。
また、ミノムシが葉を食害することもあります。生育を阻害されるほか、美観も損なわれるので、見つけたら取り除きましょう。たびたび発生する場合は、薬剤を散布して退治しましょう。
ミモザには、以下のような優しいイメージの花言葉がつけられています。
ギンヨウアカシアは一般的にミモザという名前で花屋や園芸店に出回りますが、ミモザと呼ばれる植物には1000種類ものアカシア科の植物が含まれています。
ミモザの代表種、日本での一般種がギンヨウアカシアなのであって、例えばイタリアでミモザといえばフサアカシアのほうが一般的です。
黄色いぽんぽんのような花姿に変わりはありませんが、花のつき方や花いろなどいろいろな種類があります。
早春にフワフワとした丸くて黄色い花をたくさん咲かせるミモザは、その花姿はもちろん、銀色を帯びた葉色も美しいとして観賞価値が高いといわれている樹木です。
温暖地での栽培に向いていますが、寒冷地でも鉢植えにすれば、十分育てられます。ぜひ栽培して楽しんでみてください。
※トップ画像はPT_yamahiroさん@GreenSnap
GreenSnap編集部