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初夏から秋頃まで花を咲かせるゼラニウムは、ガーデニング初心者にも育てやすい反耐寒性多年草です。
うまく冬越しができれば毎年咲いてくれ、虫除け効果のあるハーブとしても活用できます。
この記事では、ゼラニウムの育て方や、挿し木での増やし方、冬越しのコツについてご紹介します。
ゼラニウムの育て方のポイントは、乾燥気味に育てることです。ゼラニウムは多湿を嫌うので、とくに鉢植えの場合は水やりのしすぎに注意し、地植えの場合は植える場所の風通しに注意しましょう。
また、ゼラニウムの生育温度は12〜25度ほどなので、真夏は明るい日陰へ、冬は室内へと移動させたり、冬越し対策が必要です。
ゼラニウムは、一年中日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。
半日陰で育てることもできますが、日照不足になると花つきが悪くなったり、班入り品種なら模様が薄まることもあります。
なお、暑さに弱いため、気温25度を超える真夏は鉢植えなら明るい日陰に移動させたり、地植えなら遮光ネットや草丈の高い植物を近くに植えてあげましょう。
鉢植えのゼラニウムの水やりは、表土が乾き切ってからたっぷりと与えます。
ただし、夏の時期は水の吸収や蒸発が激しいので、朝夕に土の乾燥具合をチェックして水やりしましょう。
冬は水やりを控えめにして、土が乾いてから4〜5日後に水やりするようにします。日中の暖かい時間に水やりし、水温も20度前後の常温で与えるようにしましょう。
地植えのゼラニウムは、植え付け後1〜2週間以降、しっかりと根付いて新芽が動いているようであれば、水やりは必要ありません。雨の水分で育っていきます。
ゼラニウムの肥料は4〜10月ごろまで、定期的に追肥します。ゼラニウムは春〜秋の時期にかけて花を咲かせるので、肥料効果がとぎれないようにしましょう。
与える肥料は草花用の粒状緩効性肥料か、液体肥料を使います。緩効性肥料の場合は製品表示にしたがいますが、だいたい2ヶ月に1回。液体肥料の場合は、10日に1回水やりの代わりに与えます。
ただし、真夏に夏バテして弱っているようであれば、肥料は控えましょう。
ゼラニウムにはとくに乾燥を好むので、水はけがよい土を選びましょう。
鉢植えで育てる場合は、市販の草花用培養土で十分ですが、水はけをさらにあげたいときは、1〜2割ほど軽石(小粒)を混ぜてください。
地植えで育てる場合は、植える2週間前に庭土1㎡あたり100gの苦土石灰をよく混ぜ、さらに1週間後に2〜3kgの腐葉土と緩効性肥料を規定量混ぜて、さらに1週間寝かせてから植えます。
ゼラニウムの植え替え時期は3〜4月ごろです。苗を植え付けたり、鉢増しや寄せ植えの植え替えはこの時期に作業しましょう。
もし春夏の成長を経て、株が窮屈そうであれば、9〜10月ごろにも植え替えできます。
ゼラニウムを鉢植えで育てるときは、深さ20cm以上ある鉢かプランターを用意しましょう。3号苗の場合、8号鉢に5株、65cm標準プランターに5〜6株が目安です。
ゼラニウムは気温12度以下から休眠に入り、耐寒温度は5度ほどとされているので、冬の最低気温がこれを下回る地域では、冬越し対策が必要です。
地植えのゼラニウムの冬越しは、腐葉土やバークチップ、敷きわらなどでマルチングをしてあげます。
鉢植えのゼラニウムの冬越しは、できれば室内の日当たりのいい場所に取り込みますが、雨にあたらない日当たりのいい軒下でも、霜が降りなければ冬越しできます。
いずれの場合も、冬にゼラニウムの葉が黄色く変色してきたら、寒さで弱まっているサインなので、地植えなら掘り上げて鉢に植え替えて取り込むなどの対策をしましょう。
ゼラニウムの増やし方は、「挿し木」が一般的です。とくに挿し木で増やしやすいのは、4月か9月の時期です。ちょうど9月は剪定の時期でもあるので、一緒に作業するといいでしょう。
また、ゼラニウムは種まきで増やすこともできます。種まきの時期は5月頃ですが、芽温度が20度〜23度が適温となっているので、地域によって合わせてください。
ゼラニウムの寄せ植えは、開花時期が同じくらいで、乾燥を好む植物と組み合わせましょう。
また、ゼラニウムは花がひょっこりと伸びるので、細長いカラーリーフなども組み合わせると、全体のバランスが整っておしゃれに仕上がります。
とくに相性がいい花やカラーリーフは下記などです。
ゼラニウムは灰カビ病やモザイク病にかかりやすいです。
灰カビ病は低温多湿という条件で発生します。茎や葉っぱなどのありとあらゆる場所が溶けたように腐り、そこへカビが生えてくる病です。梅雨時期はとくに注意しましょう。
モザイク病はアブラムシなどを媒介してウイルスに感染し、葉や花びらにモザイクのような模様が出る病気です。モザイク病が発生してしまうと葉だけでなく、株も小さく縮んでしまい弱くなってしまいます。
病気にかかってしまったら、早急に取り除いて殺菌スプレーなどを活用しましょう。
予防としては水やりを控えたり、花がら摘みをして風通しの良い場所で管理すること。または、葉の剪定や手入れを行うハサミやナイフなどを、熱処理してから作業を行うようにして下さい。また、第三リン酸ナトリウムの飽和液を使って消毒するのも効果があります。
ゼラニウムは、ヨトウムシやアブラムシが発生する可能性があります。
ヨトウムシはゼラニウムの香りに気にも止めず子供を産み付けて葉っぱを食べてしまいます。厄介なのは、成虫になると殺虫剤を散布しても効果が低下してしまうことです。なので、できれば幼虫のときに駆除しておきましょう。
初心者でも育てやすい色鮮やかな花を咲かせるゼラニウムについてご紹介しました。
育てやすいとはいっても、過度な暑さや寒さには弱いので、季節にあった管理をして、毎年咲かせられるようにがんばりましょう。
松原真理子
GreenSnap編集部