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ペラルゴニウムはゼラニウムの仲間で、春から初夏にかけて華やかな花を咲かせます。別名テンジクアオイとも呼ばれて、コウノトリのくちばしに似ていることからギリシャ語の「ペラルゴニウム」という名前が付けられました。
今回は、鮮やかで美しいペラルゴニウムの育て方をご紹介します。
ペラルゴニウムを育てる場所は、日当たりがよく通気性がいい場所が適しています。日差しが強い夏場は、鉢植えなら半日陰の通気性の良い場所に移します。
また、ペラルゴニウムは雨に弱いので地植えは適しませんが、花壇に植える場合は夏場は日よけを施しましょう。花が咲く時期に雨に当たると、花が下に垂れてしまうので、軒先などで雨を避けられる場所がいいでしょう。
ペラルゴニウムはある程度の寒さには耐えられます。冬場の寒い時期に花芽をつけるので、室内には取り込まないように注意しましょう。
ペラルゴニウムを鉢植えしている場合は、土を触ってみて乾燥しているようならたっぷりの水やりをして、受け皿に水がたまったら捨てるようにします。その際に、水が花にかかると花がしおれるのでかからないように注意しましょう。
また、乾燥が続くと黄色くなったり落葉したりするため、こまめな土のチェックが必要です。
ペラルゴニウムの中でも冬に休眠する種類には、春に葉が黄色くなると水やりを1〜2週間に1度ほど、朝夕の涼しい時間に表面を湿らす程度水を与えます。新芽ができ始めるころから通常の水やりに戻します。
ペラルゴニウムを地植えしている場合は、花が雨に当たらないようなビニールハウスなどの雨除けが必要です。水は表土が乾燥したら、たっぷりと水をやります。
ペラルゴニウムの生育期である3~6月と、花が終わった9~10月頃に、月に1回緩効性肥料を株元に施肥するか、2週間に1度ほど液体肥料を施すことで葉の色や花のつき方がよくなります。
肥料はチッソ成分が多いと、葉が茂りすぎて花がつきにくいことや株が弱くなり病気になりやすくなるので、適度な量の肥料を与えます。
ペラルゴニウムを育てるときは、㏗7.0以上の弱アルカリ性の土壌が適しています。
そのため、鉢の土には苦土石灰を混ぜて㏗を調整します。排水性や保水性がいい用土が適するので、赤玉土6割、腐葉土が3割、バーライトが1割を混ぜた土か市販の草花用培養土を用います。
ペラルゴニウムのように、夏に休眠する球根性の種類は地下の塊茎が腐りやすいため、腐葉土ではなく排水性がいい赤玉土や鹿沼土、軽石、山砂を同じ配合でつくった用土がいいでしょう。
ペラルゴニウムの植え付け時期は4〜5月で、土にあらかじめ苦土石灰を混ぜて弱アルカリ性にしておきます。
鉢植えの場合は、鉢底にネットを敷き、軽石を敷き詰めます。用土を鉢の3分の1ほど入れて、根鉢を鉢の中央に置き、そのまわりに土を入れて、水をたっぷりと与えます。棒などでつつくように土と根を馴染ませ、苗がぐらつくようなら棒をたてて支えにします。
地植えの場合は雨水が当たらないようにする工夫が必要です。また、弱アルカリ性にするために30cmほど穴を掘り、苦土石灰を混ぜ込みましょう。
そして、植えつける1週間ほど前に、土に腐葉土や堆肥を混ぜ込み土を肥えさせます。そこへ根鉢より倍ほどの大きさの穴を掘り、苗を置いてまわりに土を入れます。
ペラルゴニウムの植え替えは、毎年9〜10月中旬に行いますが、四季咲きの種類の場合は4〜5月も植え替えできます。
株を大きくしたいなら、鉢をひとまわり大きいものを使い、植え付けと同様に土に植えます。鉢を大きくしない場合は、根を少し崩して、茎も半分ほどにカットしてから同じ鉢に植え替えます。
ぺラルゴニウムを増やすときは「挿し芽」を行います。挿し芽は花が終わった6月頃か9〜10月中旬に行いましょう。
まず、茎についている葉を3枚ほど残して茎の先から10cmほど切ります。ポットに水はけのよい肥料を施していない土を入れ、そこに茎をさして水をたっぷり与えます。一週間ほど半日陰において、その後徐々に日向に出します。
根がしっかりと出たら、鉢や地植えに植え付けをしましょう。
ぺラルゴニウムは、花が咲いたあとの花がらが葉につくと灰色かび病になることがあります。咲き終わる度に花がらを摘み取り、すべての花が咲き終わると茎から折りとります。日当たりが悪く、通気性が悪いと葉が枯れてくるので、枯れた葉は取り除きます。
さらにペラルゴニウムの花が終わったあとすぐに、花がついた茎の節の下の太い大きな葉がついている節の上で切り戻しを行います。9月頃には高さを整えるために木のようになっていない、緑の茎の部分を切ります。
炭そ病は、葉や茎に病斑ができて緑が変色し枯れるように広がります。灰色かび病は、古い花びらや傷んだ葉が腐る病気です。さらに、灰色の粉をふきカビが発生します。そのままにすると、次第に枯れてしまいます。病気には、発生する早い時期に殺菌剤をまいて予防しましょう。
湿気が多いと繁殖しやすいので、風通しをよくすることも大切です。病気にかかったら、こまめに黄色くなった葉や花がらを取り除いて広がらないように気をつけます。
害虫がついたら早めに殺虫剤を巻いたり、取り除いたりして駆除します。ただ、ヨコバイ類は天狗病を発生し、茎が群生し、葉が委縮して花が咲かなくなります。駆除できる薬がないため、病気になった部分を取り除きます。
ペラルゴニウムの花言葉には「尊敬」、「決心」、「あでやかな装い」などがあります。この他にも多くの花言葉を持っています。
出窓や窓際など、日当たりがよく風通しがいい場所を好むペラルゴニウムは、株いっぱいに花を咲かせる可憐な花です。鉢に観賞用の花として飾られることが多く、プレゼントにも適しています。雨や病気、害虫に弱く地植えは適しませんが、鉢植えに適しています。部屋にぺラゴルニウムを飾ると部屋が華やかになるので、今年は鉢植えの一つに加えてみませんか。
GreenSnap編集部