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彼岸花(ヒガンバナ)は、お彼岸のころに真っ赤な花を咲かせる、日本で馴染み深い球根植物です。「死人花」などの別名から少しこわい印象を持たれがちですが、古くから日本各地で見られる、とても身近な球根植物です。
赤くカールした細い花びらが放射状に広がる姿が特徴で、店頭では「リコリス」の名前で球根が販売されていることもあります。
この記事では、初心者の方でも挑戦しやすい、彼岸花の球根の植え方と育て方のポイントをご紹介します。
彼岸花は球根から育つ宿根草で、日本の畦道・川辺などに自生する身近な球根植物です。秋に花が咲き、花が咲き終わると葉が出るという独特のサイクルを持っています。春になると葉を枯らして夏は休眠し、秋になるとふたたび花を咲かせます。
彼岸花は、秋のお彼岸のころに花茎だけを伸ばして花を咲かせる秋の花です。細い花びらが放射状に広がり、赤をはじめ白色や黄色、ピンク色などの園芸品種もあります。葉が出る前に花だけが咲く「葉見ず花見ず」の性質もよく知られています。
彼岸花の球根の植え付け時期は、6月〜8月ごろまでです。彼岸花の球根は、園芸店やネットショップなどで初夏ごろから販売されています。
彼岸花は植え替えを嫌う性質があるため、最初に植え付ける場所や鉢のサイズをよく考えてから球根を植え付けましょう。
彼岸花を鉢植えで育てる場合は、2〜3年に1度くらいの頻度で、鉢が詰まってきたら植え替えを行います。彼岸花は植えっぱなしにしていると分球して自然に増えていきますが、増えすぎて困ったときや風通しが悪いときは、休眠期である6月〜8月に掘り上げて球根の整理をしましょう。
彼岸花は西日を避けた、日当たりのいいところで育てましょう。あまりに日当たりが悪いと、翌年の花付きが良くなりません。とくに彼岸花の葉が出ている冬の時期はよく日に当てて下さい。
鉢植えにして移動できるようなら、開花した後は明るい日陰程度の場所に移動させると、花もちが良くなります。
彼岸花は基本的に暑さや寒さに強い球根植物です。鉢植えはもちろん、寒冷地以外では地植えして植えっぱなしの冬越しができます。少々の霜には耐えますが、冬の積雪などが気になるなら、すこし盛土をするといいでしょう。
ここからは彼岸花の球根の掘り上げ・分球・植え付けの手順をご紹介していきます。
地植えでは、基本的に水やりは必要ありませんが、あまりにも日照りが続き、乾燥しすぎる場合は水やりをしましょう。
鉢植えの場合は、秋の開花から葉が枯れる晩春までは、土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。夏は地上部はほぼ枯れて球根のみが生きている休眠状態となります。水分を必要としないため、葉が枯れたら断水してください。
彼岸花の栽培には、鉢植え・地植えともに、肥料はとくに必要ありません。
ただし、鮮やかな色の花を咲かせたいなら、葉のある冬の時期に緩効性化成肥料をあげると、球根が充実して赤色が鮮やかになります。
彼岸花は花や葉、茎、根など全体に毒をもち、リコリンなどのアルカロイドを含む有毒植物です。田んぼの畦や土手などにまとめて植えられているのは、土を掘る小動物や害獣を近づきにくくするためだったともいわれています。その性質から、一般的な草花に比べると虫に食べられる心配は少ないほうです。
ただし、球根が腐る病気(軟腐病など)が発生することがあります。水はけのよい土と環境を整え、過湿になりすぎないように管理しましょう。
彼岸花は球根を分けて「分球」させる増やし方が一般的です。分球の方法は前述のとおり、4〜6月頃に土を掘って、子球を手で割るようにすればいいだけです。ただし、植えてから、花を咲かせるまでは2〜3年かかります。
子球をたくさんつくって分球するには、この3点が大切です。とはいえ、地植えで育てると困るくらいに増えることもあるので気をつけましょう。
彼岸花は、日本では畦道や土手、川沿いなどに群生している姿がよく見かけられる身近な球根植物です。根や球根などに毒をもつ有毒植物ですので、観賞用として庭や花壇に植えて楽しむ場合は、小さなお子さまやペットが誤って口にしないようにだけ注意しましょう。
一度球根を植え付けると、年数が経つにつれて少しずつ株が増え、まとまって咲くようになるのが彼岸花の大きな魅力です。庭の一角などに植えておくと、毎年お彼岸のころに自然と赤いラインが浮かび上がるように咲き、美しい風景をつくることができます。
何球かまとめて地植えにしておくと、数年後には群生した姿を楽しめるようになりますので、ぜひ彼岸花を育ててみてくださいね。

GreenSnap編集部