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仏教のシンボルでもあるハス(蓮)は、日本でもとても馴染みのある植物です。ハスは水生植物で、神社付近の池などに浮いている可愛らしい花を、一度は見たことがあるのではないでしょうか。個人で育てるにはむずかしそうなイメージがあるハスの花について、育て方や手入れの方法などハスについて詳しく解説していきたいと思います。
ハスを育てるときは、「日当たりの良い場所」を選び、「水の温度を温かく保つこと」が大切です。
ハスを育てる水は、水温の高さとバクテリアの量が重要になります。水を頻繁に入れ替えてしまうと、水温が低くなり、バクテリアや微生物の量も減り、水が腐りやすくなる原因になります。
そのため、半日ほど直射日光が当たるような場所で管理しながら、水は少なくなり次第与えるとよいでしょう。
ハスは日光を好むので、日当たりが良い場所で育てましょう。直射日光が当たるような場所でも問題ありません。
また、ハスは池に植え付けられている姿をよく見かけますが、鉢でも育てることができます。品種にも寄りますが、直径30cm以上ある鉢を選ぶようにしましょう。
鉢が小さすぎると夏には高温になりすぎ、冬には凍結してしまうので、鉢を二重にして育てる方法もあります。
蓮の好む日照時間は8時間〜10時間ともいわれています。蓮池を造りたいと思ったら、池を造る位置は日照時間から計画すると良いでしょう。
ハスは、肥沃で粘土質な土壌を好みます。
田土と赤玉土、腐葉土、涅を混ぜたものがおすすめです。ハスの栽培は土で決まる、ともいわれているくらい重要なので、土には特にこだわりましょう。
ハスは種から育てることもできますが、根を土に植え付けるのが一般的です。
植え付け時期は、3〜4月頃が適期です。
穴が開いていない鉢に、よく練って粘土状になった土を1/3ほど入れます。このとき元肥も入れましょう。根を置き、その上から土をかぶせ、水がひたひたになるまで注ぎましょう。その後は、屋外の日当たりのいい場所で管理するだけです。
ハスは土に水を与えるというよりは、水に浸して育てます。
とにかく水をたくさん必要とするので、水を切らさないように注意しましょう。土の上15cm程度まで水が入っているのが理想です。
夏は水が蒸発するのが早いので、こまめにチェックし、少なくなっているようなら水を足してあげてください。
冬は葉が枯れるため、雨水などで十分です。特に水やりの必要はありません。
鉢で管理する場合には、鉢ごと水に浸けて給水する方法をとります。花の時期は特に水をたくさん欲しがるので水切れが起こらないように注意しましょう。
ハスは葉が出ているうちは、追肥は2週間に1回、最低でも月に1回くらいのペースで行うと元気に育ってくれます。元肥と追肥共にハス専用の肥料が売られているので、そちらを利用することをおすすめします。
ハスの肥料はリンが多く含まれた肥料を使うようにしましょう。チッソが多い肥料をあげてしまうと、花が咲かなくなることもあるので、注意してください。
ハスの花の開花時期は、品種にもよりますが大体7〜8月頃です。夏の季節になると、水面から真っ直ぐに伸びた茎の先に、スイレンに似た花を咲かせます。
ただし、ハスの花は午前中しか開花しない性質を持っているうえに、4日ほどしか開花期間がないため、花を楽しみたい場合は咲いたらなるべく早い日の、早めの時間に観察すると良いでしょう。
咲き終わったハスの花がらは、そのままにしておくと種をつくってしまい、次の花を咲かせなくなります。そのため、花が終わったら、花がらは茎元からカットして取り除くようにしましょう。
種は若いうちに収穫すれば、食べることもできます。
黄色くなった古い葉は不要な物なので、取り除きますが、8月頃の葉は養分を供給するために必要なのでそのままにしておきます。
ほかにも水中に藻が多発すると成長を妨げてしまうので、見つけたら取るようにしましょう。雑草は病害虫の原因となるので、こまめに除草することを心がけましょう。
株が込み合うと花が咲きにくくなってしまうので、根や葉が密接になってきたら植え替えするようにしましょう。
植え替え時期は、植え付け同様3〜4月頃が適期です。
植え替えの方法は鉢をひっくり返し、ハスの根(蓮根)を取り出して泥を落とし2節以上残してカットし別の鉢に植え替えてください。
ハスは株分けで増やすことができます(※やり方は植え替えと同じなのでそちらを参考にしてください)。
株分けする際には必ず萌芽するわけではないので、カットした根を土に埋めずに水に浮かべて日なたに置いておきましょう。
5月下旬くらいまでにハスの芽が出てこなかったら根が腐っていることもあるので、予備に残しておいた根を植えてください。そのときに気を付けなくてはいけないのは、予備の根には葉が出始めているので、出始めの葉を埋めてしまわないように注意しましょう。
根を植えるときは、出始めの芽の向きが水上に向くように向きに注意して植えてください。
ハスに現れる病気で代表的なものは、腐敗病と斑点病などがあり、腐敗病の場合特効薬がなく、病気の症状が出ている葉を切るか植え替える必要がありますが、斑点病には効く農薬があるので、症状を見つけ次第すぐに対処するようにしましょう。
ハスによくつく害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。アブラムシは大量発生してハスの葉を吸汁し枯らしてしまったり、ヨトウムシは葉を食害してしまいます。食害などの痕跡が見つかったらすぐに駆除するか、アブラムシやヨトウムシに効く農薬を使用するようにしましょう。
ハスには、赤や白の花を咲かせるアジア系の「ヌシフェラ種」と、黄色の花を咲かせ、北アメリカなどに分布する「ルテア種」の2種類があります。
今回はハスの育て方についてのあれこれを詳しく紹介していきました。植え替えが必要だったり、少々手間がかかるハスですが、夏ごろになり水の上で咲いているハスの花を見ると素敵な気持ちになりますよ!是非この記事を参考にハスの栽培にチャレンジしていただけたら嬉しいです。
松原真理子
GreenSnap編集部