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毒を持っていることで有名なトリカブトですが、苗は市販されていて育てること自体も問題ありません。
扱いさえ間違えなければ、鮮やかで魅力的な花を実につけて我々を楽しませてくれます。
そんなトリカブトの育て方を見ていきましょう。
トリカブトは直射日光が苦手な植物でなの、日向というよりは、半日向や明るい日陰で育ててあげましょう。
例としては、午前中は日向に、午後になると明るい日陰となるような場所や、1日中明るくなっている日陰での栽培がおすすめです。月から9月上旬の夏の季節は日差しが強くなりますので、50%から60%程度の遮光下で管理してあげると良いでしょう。
また、トリカブトは乾燥している場所よりも、ややじめじめとした場所を好みます。とはいえ過湿には弱いので、水はけのよい傾斜地などで育てるとなおよいです。
トリカブトの水やりの目安としては、鉢植えで育てている場合には表面の土が乾いてきたと感じられたら、たっぷりと水を与えます。
夏は乾燥しやすいため、水切れしないように注意が必要です。昼間の水やりは株を弱らせる原因となるので、朝もしくは夕方のどちらかで大丈夫です。
また、トリカブトには腰水も有効です。受け皿に2cmから3cm程度の水を張って、その上に鉢を置いて、鉢底から水が補給できるようにします。ただし夏は水が痛みやすいので、受け皿に張った水をこまめに取り替えてあげてください。
トリカブトを地植えで育てている場合には、極端に晴天が続いて土が乾かない限りは降水だけでも大丈夫です。
冬場も鉢植えで育てている場合には、表面の土が乾いてきたら水を与える適期のサインとなります。ただしトリカブトを地植えで育てている場合は、よほど乾燥状態が続かない限りは水を与える必要はありません。
トリカブトを植え替えるときなどに、元肥としてリン酸とカリウムを多く含む緩行性のある化成肥料を施します。
追肥の場合は3月から6月までの間、有機質肥料もしくは緩行性のある化成肥料を控えめに与えます。
液体肥料を与える場合には月に2から3回程度で、1500から2000倍程度に薄めたものを使います。ただし夏の間に肥料分が多くなってしまうと、根を痛めてしまう原因となってしまうので、この時期は3000倍に薄めたものにするか、もしくは与えないことも選択肢です。
また、肥料に窒素が多く含まれていると、トリカブトが徒長したり、弱々しく茎が伸びてしまうのでご注意ください。
トリカブトを育てるときは、水はけのよい土壌を用いましょう。市販されているものを使用する場合には、山野草用培養土を使います。ただし、市販の土だと根腐れを起こしてしまう可能性が高いため、あまりおすすめとはいえません。
自分で配合したものを使う場合には、赤玉土(もしくは鹿沼土)を7、腐葉土を3の割合で混ぜ合わせたもの、高山性の種類の場合には、軽石と硬質鹿沼土、桐生砂(もしくは赤玉土)の小粒のものを等量ずつ配合したものを用います。
いずれの土を使う場合でも、水で1回よく洗って、砕けて細かくなったものを取り除いてしまいます。
赤玉土を使う場合は、ふるいにかけてしっかりふるっておきます。これにより水はけの良い土壌をつくり出すことができます。株元の部分は花崗岩質である荒目の砂利を撒いて覆ってあげます。
土の乾燥が気になる場合は、ヤマゴケを混ぜることで解消できるでしょう。
トリカブトの植え替え・植え付け時期は、新芽が出始める直前の2月から3月の間です。
トリカブトを鉢植えで育てている場合は、植え替えるのは1年もしくは2年に1度、一回り大きめの鉢を用意するか、自然と太く根が分かれている部分を取り分けて、株分けをしてあげます。このとき、ゴボウのような太くなった根を傷つけないように気をつけてください。
地植えでトリカブトを育てている場合には、株分けで増やしたいと思ったタイミングで植え替えてあげてください。
トリカブトは全体的に強い毒を持っている植物で、中には品種改良されて毒を持っていない種もありますが、誤って触ってしまうのは危険です。植え替え・植え付け作業のときは必ず手袋を着用しましょう。
トリカブトの増やし方は、「株分け」か「種まき」が一般的です。
株分けの方法は、太めの根っこが自然と増えてくるので、それを分けてあげます。
種まき時期は2月から3月が適期となります。ポットもしくはセルトレイに湿らせたピートモスを用意して、そこへ撒きます。
土を軽くかぶせて水をかけてあげ、その後は土が乾くことのないように日陰で管理します。2週間程度で芽が出始めて、本葉がだんだんと育ってくるようになれば、日向に置く時間を少しずつ長くしていきます。
本葉が3枚から4枚程度まで育ってきたら、一回り大きめの鉢もしくは庭に植え替えます。種まきから開花するまでには、2年から3年程度かかります。
トリカブトは毒を持っているため、比較的病害虫に強いという性質があります。
ただし、3月から5月に湿気の多い環境などでは、新芽や蕾の部分にアブラムシが発生することもあります。これは養液を吸い出して株を弱らせてしまう原因となるので、薬剤や牛乳と水を1ずつの割合で混ぜ合わせたものを吹き付けて駆除しましょう。
また、根腐れはカビが発生して根を弱らせる原因となりますので、育てる場所を変えるか、水はけの良い土をつくるなどして生育条件を整える必要があります。
秋に実ったトリカブトの種を収穫して、増やすことができます。湿らせた砂と一緒に混ぜて冷蔵庫で保管し、春先の撒き時まで管理します。また、このとき、伸びすぎてしまった枝を軽く剪定しておく必要があります。
トリカブトは山岳地帯で育つ品種なので、寒さに強く、暑さに弱い特徴を持ちます。30℃以上の場所にずっといると枯れてしまうことがありますので、注意が必要です。
トリカブトは花びらのように見える5枚のがく片が、帽子や兜のような不思議な形をします。実際のトリカブトの花はその中で咲いています。
品種によって異なりますが、青紫や白などの花色が一般的です。花の開花時期は8月から10月頃となっています。
トリカブトの花言葉には、「栄光」、「人嫌い」、「復讐」、「騎士道」というものがあります。
毒を持つトリカブトの育て方について見ていきました。
育て方さえ間違えなければ、秋になると不思議な形をした青紫色の花を咲かせて、鑑賞を楽しむことができます。
この記事を参考にして、是非一度トリカブトを育ててみてください。
GreenSnap編集部