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ニチニチソウは原産地である熱帯地方では冬でも適温なので、生長が進んで低木になることがありますが、日本では冬が来ると寒さで枯れてしまうために一年草として扱われることが多い植物です。ただし、特別な道具や手入れをしなくても、時期になれば毎日のように花が咲くため、初めて育てるにはうってつけです。
今回はそんなニチニチソウの育て方をご紹介します。
比較的暑い環境を好むニチニチソウは、温暖な気候の地域ほどよく花が咲きます。そのため、ニチニチソウを育てるときは、日当たりの良い場所を選びましょう。
太陽の光が届かない暗い場所に置くと、茎がしなびて折れやすくなったり、花も咲きにくくなります。ニチニチソウは、日当たりのよい屋外で育てましょう。
とはいえ、ニチニチソウは寒さに弱いため、屋外では冬越しができません。冬の時期は室内に取り込んで育ててあげるようにしましょう。
また、庭でニチニチソウを鉢植えにする場合は、梅雨の時期も根腐れを起こしかねないので、軒下などに置いておきましょう。
ニチニチソウを鉢植えで育てる場合は、土が乾いたら株の上から水を与えましょう。
ただし、ニチニチソウは湿った環境を嫌うので、水の与えすぎや、鉢の中が湿気ていると根腐れを起こす可能性があります。土の状態を見て、完全に乾いたタイミングで水やりをしてあげるようにしましょう。
また、ニチニチソウを花壇や地植えで育てる場合は、降雨があるので、水やりの必要はありません。梅雨が明けの乾燥にだけ注意しましょう。
残暑を過ぎて空気が冷え込んでくると、水が乾きにくくなります。そのため、水を与えすぎて鉢の中が蒸れないよう、水やりはほどほどにしましょう。
ニチニチソウの花を満開にさせるためには、肥料の存在が必要不可欠です。肥料がなくても栄養失調で枯れるということはないのですが、花つきに影響が出ます。
ニチニチソウの花の開花時期に、週に1回のペースで肥料を与えてあげてください。緩効性の液体肥料でも構いませんが、開花促進剤の成分が配合されているものを選ぶと、さらに花つきがよくなります。
ニチニチソウは湿気を嫌うので、水はけのよい土を選んで育ててあげましょう。
ニチニチソウを鉢植えで育てる場合は、市販の培養土で問題ありません。花壇や地植えなどで育てる場合は、元の土の中に腐葉土や川砂を混ぜ込むと水はけが良くなります。
ニチニチソウの種まき時期は、4月下旬から6月頃までです。発芽の適温が22度から25度前後なので、暑い時期にさしかかっていてはいけません。
ニチニチソウは根がデリケートなので、必ず育苗ポットなどで株がある程度育ってから移植します。
ニチニチソウを苗から育てる場合は、少しいい苗を選ぶようにしましょう。きちんとした苗の方が育ちがよかったり、よく花が咲いたりとメリットが多いです。
ニチニチソウを植え付けるときは、土をギュッと固めないように入れ込んでください。ニチニチソウは直根性という、大きな根を軸に持つ植物です。この根を傷めてしまうと、ニチニチソウそのものが枯れる原因になる可能性があります。
また、この根は一度折れてしまうとなかなか再生しないため、ニチニチソウの植え付けは優しく行いましょう。
ニチニチソウの植え替えも、同じ理由でできません。これは鉢植えで育てる場合でも、地植えで育てる場合でも同じです。
ニチニチソウを鉢植えで育てる場合は、連作障害に注意しましょう。連作障害とは、同じ科目や属性の植物を続けて育てたときに、うまく生長しない・花つきが悪い・害虫が発生しやすくなる・枯れる」などといった弊害が出ることをいいます。
プランターや鉢を使うならば、3年以内にキョウチクトウ科に属する植物を育てた植木鉢を使わないようにしましょう。しかし、花壇や地植えの場合は、それまで使っていた土をすべて堀り出して、新しい土に変えてください。
ニチニチソウは繁殖力が強く、生長してもそのまま咲きっぱなしにさせていると、間延びして見栄えが悪くなってしまいます。
そのため、ニチニチソウの植え付けから枯れるまでは、2ヶ月に1回ほどのペースでいいので、株の剪定を行うようにしましょう。切り取るのは株全体の3分の1から半分程度で構いません。
ニチニチソウの増やし方は、「種まき」が一般的です。
ニチニチソウはさやのような胚珠のなかに、黒い楕円形の種子をつくります花後に残るニチニチソウの種子は、来季にまた新しい命として使えますので必ず採取しておきましょう。
種を植えてから芽が出るまでに、約10日から14日かかるので、それまで乾燥しないように注意してください。新聞やチラシなどで覆うことも有効な対策です。
また、ニチニチソウの種は太陽光に当たると、生長に弊害が出る恐れがあるので、種をまいたら軽く土をかぶせて、日光に当たらないようにします。種が流れ出さないよう、初めのうちは、霧吹きなどで水やりをするといいでしょう。
ニチニチソウの天敵はアブラムシやハダニです。
ハダニは水が苦手なので、株の上から浴びせるように水やりをするのが対策法の一つになります。アブラムシを見つけたら、すぐに取り除くようにしましょう。
また、植えつけをしたての若いニチニチソウは、立ち枯れ病にかかることがあります。葉っぱが丸まってしまい、水切れが起きやすく、枯れることに繋がります。
立ち枯れ病は細菌感染する植物病で、土の中に潜んでさまざまな植物に感染します。プランター自体にも細菌が残っている可能性があるので、使いまわしは避けましょう。
またニチニチソウには、花がら摘みをすることで予防にもなります。古い花弁には細菌が潜んでいるかもしれないので、花びらが落ちていたら除去するようにしましょう。
ニチニチソウ種子の発芽温度は22度から25度前後です。寒さに弱いため、日本の気候では冬越しが難しいため、なるべく温暖な気候の場所で育てるようにしましょう。
また、この生育温度は害虫や植物の病原体にとっても心地よい温度なので、害虫対策はしっかりと行うようにしましょう。
また、ニチニチソウには化学物質を含むアルカロイド系の植物の一種としても有名で、ビンクリスチンやビンブラスチンなどの成分を含んでいます。
これは細胞の分裂を阻止する成分で、白血病や悪性リンパ種のワクチンとして、医療で用いられることがあります。
ただし、これは医師の判断を経て投薬しているものなので、一般人が野生のニチニチソウを薬草としてそのまま使用すると、副作用が体に現れる恐れがあります。
ニチニチソウは単体では毒性の強い植物なので、そのまま抽出した成分ではかえって危険な毒草となることがありますので、薬草代わりには使わないようにしましょう。
ニチニチソウは品種によって赤や白、ピンク、紫またはそれらの混色など、さまざまな形態があります。花の中央部分だけ周りの色と違うグラーデーションのような品種が多いです。
ニチニチソウの花言葉には「楽しい思い出」や「友情」など、まるで子どもや学生時代を思い出させてくれるような花言葉を持っています。
「楽しい思い出」というのは、開花期になると次から次へと咲く花の姿を、毎日でもつきないような楽しい思い出になぞらえてつけられた花言葉です。
「友情」というのは、まるで一つの学級の子どもたちのように集まって咲いている様子からつけられた花言葉です。
子どもの頃の懐かしい記憶を蘇らせてくれるニチニチソウは、学校や幼稚園などの、絆や友達を大切にしたい場所に植えてみるといいかもしれませんね。
今回は初夏から秋にかけて、毎日咲き続ける花ニチニチソウをご紹介しました。
ニチニチソウはその咲き方から「楽しい思い出」や「友情」などの楽しい花言葉を持つ植物ですが、同時にアルカロイド系の毒草という一面も持っています。
ニチニチソウの成分が白血病のワクチンとして医療現場で使用されることがありますが、それでも副作用が強い植物です。なので、ニチニチソウは、もっぱら観賞用として育てるのがおすすめです。
※トップ画像はPhoto by hideさん@GreenSnap
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