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ニチニチソウ(別名:ビンカ)は開花時期の5〜11月頃にかけて、品種によって赤や白、ピンク、紫またはそれらの混色など、さまざまな花を咲かせます。花の中央部分だけ周りの色と違うグラーデーションのような品種が多いです。一つの花は3〜5日ほどしか咲きませんが、次々に花が咲くため、鑑賞期間が長いのが特徴です。
今回はそんなニチニチソウの育て方をご紹介します。
ニチニチソウの原産地は熱帯地方であるため、寒さに弱い性質をもちます。そのため、日本のような厳しい寒さを迎える地域では、一年草として扱われることが多いです。
ただし、ポイントさえ抑えれば絶対に不可能なわけではありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。そのほかは、特別な道具や手入れをしなくても、時期になれば毎日のように花が咲くため、一年草として育てる分には初心者の方にもおすすめの植物です。
ニチニチソウの種まき時期は、4〜6月頃までです。発芽の適温が22〜25℃前後なので、暑い時期にさしかかっていてはいけません。
ニチニチソウは根がデリケートなので、必ず育苗ポットなどで株がある程度育ってから移植します。
ニチニチソウを苗から育てる場合は、少しいい苗を選ぶようにしましょう。きちんとした苗の方が育ちがよかったり、よく花が咲いたりとメリットが多いです。
ニチニチソウを植え付けるときは、土をギュッと固めないように入れ込んでください。ニチニチソウは直根性という、大きな根を軸に持つ植物です。この根を傷めてしまうと、ニチニチソウそのものが枯れる原因になる可能性があります。
また、この根は一度折れてしまうとなかなか再生しないため、ニチニチソウの植え付けは優しく行いましょう。
比較的暑い環境を好むニチニチソウは、温暖な気候の地域ほどよく花が咲きます。そのため、ニチニチソウを育てるときは、日当たりの良い場所を選びましょう。
また、ニチニチソウは、日当たりのよい屋外で育てましょう。日当たりの悪い場所に置くと、茎がしなびて折れやすくなったり、花も咲きにくくなります。
ニチニチソウは湿気を嫌うので、水はけのよい土を選んで育ててあげましょう。
ニチニチソウを鉢植えで育てる場合は、市販の培養土で問題ありません。花壇や地植えなどで育てる場合は、元の土の中に腐葉土や川砂を混ぜ込むと水はけが良くなります。
ニチニチソウを鉢植えで育てる場合は、土が乾いたら株の上から水を与えましょう。
ただし、ニチニチソウは湿った環境を嫌うので、水の与えすぎや、鉢の中が湿気ていると根腐れを起こす可能性があります。土の状態を見て、完全に乾いたタイミングで水やりをしてあげるようにしましょう。
また、ニチニチソウを花壇や地植えで育てる場合は、降雨があるので、水やりの必要はありません。梅雨が明けの乾燥にだけ注意しましょう。
ニチニチソウの花を満開にさせるためには、肥料の存在が必要不可欠です。肥料がなくても栄養失調で枯れるということはないのですが、花つきに影響が出ます。
ニチニチソウの花の開花時期に、週に1回のペースで肥料を与えてあげてください。緩効性の液体肥料でも構いませんが、開花促進剤の成分が配合されているものを選ぶと、さらに花つきがよくなります。
ニチニチソウの天敵はアブラムシやハダニです。
ハダニは水が苦手なので、株の上から浴びせるように水やりをするのが対策法の一つになります。アブラムシを見つけたら、すぐに取り除くようにしましょう。
また、植えつけをしたての若いニチニチソウは、立ち枯れ病にかかることがあります。葉っぱが丸まってしまい、水切れが起きやすく、枯れることに繋がります。
立ち枯れ病は細菌感染する植物病で、土の中に潜んでさまざまな植物に感染します。プランター自体にも細菌が残っている可能性があるので、使いまわしは避けましょう。
またニチニチソウには、花がら摘みをすることで予防にもなります。古い花弁には細菌が潜んでいるかもしれないので、花びらが落ちていたら除去するようにしましょう。
ニチニチソウは繁殖力が強く、生長してもそのまま咲きっぱなしにさせていると、間延びして見栄えが悪くなってしまいます。
そのため、ニチニチソウの植え付けから枯れるまでは、2ヶ月に1回ほどのペースでいいので、株の剪定を行うようにしましょう。切り取るのは株全体の3分の1から半分程度で構いません。
冒頭でも触れた通り、ニチニチソウは寒さを苦手とするため、屋外での冬越しはむずかしいです。
どうしても冬越しさせたい場合は、気温が10℃を下回る前に常にあたたかい気温を保てる室内やビニールハウスに移動させましょう。冬の間は、水を与えすぎて鉢の中が蒸れないよう、水やり頻度は控えめにします。
ニチニチソウの増やし方は、「種まき」が一般的です。
ニチニチソウはさやのような胚珠のなかに、黒い楕円形の種子をつくります花後に残るニチニチソウの種子は、来季にまた新しい命として使えますので必ず採取しておきましょう。
種を植えてから芽が出るまでに、約10〜14日かかるので、それまで乾燥しないように注意してください。新聞やチラシなどで覆うことも有効な対策です。
また、ニチニチソウの種は太陽光に当たると、生長に弊害が出る恐れがあるので、種をまいたら軽く土をかぶせて、日光に当たらないようにします。種が流れ出さないよう、初めのうちは、霧吹きなどで水やりをするといいでしょう。
今回は初夏から秋にかけて、毎日咲き続ける花ニチニチソウをご紹介しました。
ニチニチソウはその咲き方から「楽しい思い出」や「友情」などの楽しい花言葉を持つ植物ですが、同時にアルカロイド系の毒草という一面も持っています。
ニチニチソウの成分が白血病のワクチンとして医療現場で使用されることがありますが、それでも副作用が強い植物です。なので、ニチニチソウは、もっぱら観賞用として育てるのがおすすめです。
※トップ画像はPhoto by hideさん@GreenSnap
GreenSnap編集部