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コシアブラは、いわゆる木の仲間に属していて、タラノキを新芽の状態で刈り取ると、「タラの芽」として市場に流通します。コシアブラも同様に新芽が食用とされていますが、まだまだメジャーではありません。そんなコシアブラの育て方を紹介します。
コシアブラは日当たりのいい場所を好みます。
コシアブラが程度成長したあとは、置き場所にさほど神経質にならなくても大丈夫ですが、成長しきっていないころは強い日差しに強くありません。そのため、半日陰で育てて下さい。ある程度大きくなると、日差しにも強くなります。
半日陰の場所を用意するのは難しい場合は、鉢植えで育てて下さい。成長すると10メートル以上になりますので、鉢で育て続けるのは難しいです。ある程度大きくなったら、地植えに切り替えて下さい。
コシアブラは乾燥を好まないので、コシアブラが大きくなる前は、土が乾いたら水をあげて下さい。しかし、あまりに水分が多いと根腐れしていまますのでご注意下さい。
コシアブラは樹木としては、やや生命力が高いです。そのため、冬の間は根腐れしない程度に、凍結を避ける意味でも水をあげて下さい。
コシアブラには、日光量の減少する12月頃に有機肥料を与えて下さい。
コシアブラは、園芸品種ではなく、日本各地に自生している種です。化成肥料などはあまり適当ではなく、酒粕や、骨粉などが望ましいです。気候にもよりますが、一般的には苗を植えておくだけでも成長します。
コシアブラの種まきをするときは、鹿沼土と軽石を混ぜ合わせた、水はけと通気性のよい土が適しています。苗から育てる場合も、種から蒔く場合と同様、水はけと通気性の良い土を好みます。
コシアブラの苗や種の植え付け時期は、11月頃からその次の年の2月頃が適期です。とはいえ、この期間以外でも植え付けることは可能です。
コシアブラは自然のものだと、最終的に大きいもので20メートルにもなりますが、育苗しはじめてから2年か3年はあまり大きくなりません。また、種まきの場合は、発芽まで1年以上は必要とします。
鉢植えから根が飛び出るほど成長したコシアブラは、庭を完備している家であれば地植えに植え替えることも可能です。
地植えしたい場合は、まず、鉢の土を乾燥させるまで水やりを止めます。その後、その鉢よりも一回りは大きい穴を掘って、鉢植えからとりだした株を穴に入れます。ここで、穴の規模、深さが、十分にスペースが有るか確認して下さい。
そして、穴をつくる際に取り出した土に腐葉土を混ぜて下さい。庭の地面が平らにならない程度で、なおかつ根が埋まるほどの穴をつくり、高さを調整します。コシアブラの株を穴に入れたあと、その土をかぶせて下さい。
そして、腐葉土を混ぜた余った土を穴の円周を縁取るように、土手をつくってください。植えた株の横に支柱を立て、麻などを用いてくくりつけて、倒れぬよう支えて下さい。
支柱に結びつけたあと、縁取った円周の中に水をたっぷりと注ぎます。1日か2日経ったら、水が引いたら土を足し、地面と同じ高さに合わせて下さい。
鉢植えだと、限界があります。選定して盆栽のように成長を抑制するか、幹を狩りとって、分根によって種を保存するしかありません。
コシアブラの増やし方には、「分根」や「挿し木」という方法があります。
分根の方法は、根が傷つかないように丁寧に扱い土を掘ります。そして、根の上部・中部が1センチメートル以上の太いものを使い、またこの根が乾燥している場合は冷蔵庫のなかで水道水に一晩つけます。
新しい鉢に、鹿沼土と軽石を混ぜた土を入れて、根を横たえて入れます。すると、その根からまた新たなコシアブラが育ち始めます。この根からもまた根が生え始めて、その根も同じ手順でコシアブラを増やすことができます。
また、挿し木によって増やすことも可能ではありますが、あまり発芽率が高くありません。
挿し木とはそのまま、枝を切り取って、別の鉢に植え替えることです。分根の際に上の枝も切ってしまうので、もっとコシアブラを効率的に増やしたい方は、この挿し木も並行して行って下さい。
ヨトウガの幼虫であるヨトウムシが、コシアブラの葉っぱを食べていることがあります。割り箸などで、幼虫を払って下さい。
タラノキの芽であるタラの芽と同じように、コシアブラの芽は食用として活用されています。タラの芽は「山菜の王様」といわれていますが、コシアブラは「山菜の女王」といわれています。
芽が出て、葉があまりに育ちすぎると食べられないのですが、育ちきっていない葉や、葉がまだうぶ毛を持ち、つぼみのようになっているコシアブラがあります。この形態のものは筆葉といわれ、もっとも食べごろで、最上級品とされています。
コシアブラの芽には、頂芽、脇芽、胴芽などがあります。
この頂芽がもっとも味わいに優れ、脇芽は少し味が薄くなっています。胴芽には味がしないそうです。この芽をすべて摘み取ってしまうと、木は枯れてしまいますので、山菜採りのさいには、芽を一つだけ摘むのがルールです。
コシアブラの芽は、タラの芽のようにトゲもなく、タラの芽よりもはるかに香り高く、その香りは独特です。
コシアブラの収穫時期は、芽吹きの始まる春頃です。春を迎える前に剪定しておくと、茎を作ろうとたくさんの脇芽が出てきます。
そして、芽が出て、葉がうぶ毛も持った状態の、葉を開かせる前の状態で、摘み取って下さい。
コシアブラは、若木の状態では日差しをさける必要がありますが、暑さ寒さにも強い種です。沖縄を除く日本に分布しており、野山に自生している木です。管理温度に敏感にならなくても十分に育ちます。
コシアブラはタラの芽よりもはるかに香りが高く、天ぷらにしても香りが飛ぶことはありません。
しかし、タラの芽のように低木ではなく、成長すると20メートルにもなってしまう巨木ですから、コシアブラの芽は採取が難しく、園芸に用いる種としては中級者向けとなります。
しかし、おうちに庭があるのでしたら育てて植え替えれば、もしくは庭がなくとも、分根して増やしていけば、毎年山菜の女王である希少な高級食材であるコシアブラを、毎年自分で採取できますよ。
スペースさえ確保できれば、栽培自体は難しくないので、是非皆さんも育ててみて下さい。
GreenSnap編集部