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山菜の女王とも言われるほど有名なコシアブラは様々な食べ方ができたり、木材としても活用できたりと万能な植物です。コツをつかめばお家でも育てることができますよ。
今回は、コシアブラの食べ方や特徴を紹介していきます。
コシアブラの”コシ”は、古代の中国にあった国名”越の国(えつのくに)”から由来していて、つまり”越の国の油”です。”エツ”がいつのまにか”コシ”に転じて、”コシアブラ”と呼ばれるようになります。
古代日本からたくさんの人がこの越の国にわたり、樹液から塗料をつくる技術を学びました。そしてこの技術によってつくられた油がコシアブラです。
コシアブラの調理方法としては、ウドの芽・タラの芽のように、天ぷらであげてたべるのが一般的です。香りも強いので、ほかの山菜のように揚げても香りは飛びません。味は、ほうれん草を濃縮還元したような味わいがあります。
天ぷらのほか、香りが非常に強いので好みはわかれますが、炊き込みご飯にもできます。
炊き込みご飯にする際には、天ぷらにする場合と違いアク抜き作業が必要です。真水に一晩さらすなどしてアク抜きしたコシアブラを、ご飯と一緒にたくと、おいしい香り高い炊き込みご飯ができます。
そのほか、あえ物や、卵とじの身、パスタに加えてもおいしいです。
またコシアブラから取れた樹液から生成した塗料を金漆(ゴンゼツ・またはキンシツ)言い、甲冑などの黄色い塗料として、または金属の錆止め、紙の過湿をさけるために用いられていました。
そして面白いのは、この塗料をつくる技術は奈良時代から平安時代にかけての技術であって、一度技術が断絶していることです。金漆の技術が廃れたのは、甲冑の作り方の変化、そして漆がとってかわって塗料・錆止めとして使われはじめたことにあります。
江戸時代にはもう、文献上にしか無い謎の塗装技術となっていました。現代になって、冬の間は樹液が出ることがわかり、さらにはタカノツメからも樹液が出るのですが、このタカノツメも地域によってはコシアブラといいます。
つまり「コシアブラ」とは塗料の名前であり、その塗料に用いる樹木の種類は、地域により様々だったということです。
GreenSnap編集部