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トマトやミニトマトは夏野菜のひとつとして家庭菜園でも人気です。そんなトマトの栽培で欠かせない作業が、わき芽かきや摘心などの剪定(整枝)です。収穫量や美味しさを上げるためにも、適切な時期に正しい方法で剪定しましょう。
今回は、トマトのわき芽かきや摘心、摘果などの剪定作業についてご紹介します。
トマトは基本的にほかの野菜に比べて生長が早く、葉や芽を多くつけて上にぐんぐんと伸びていきます。しかし、茎葉の成長だけに栄養を使ってしまうと、おいしい実がつきにくくなってしまいます。
そこで不要な茎葉やわき芽などを取り除くための「わき芽かき」「摘心」という剪定作業をすることで、栄養分を一箇所に集中させ、収穫量や美味しさを増すことができるのです。
わき芽とは、トマトの主枝(中心となる茎)に生える葉の付け根から、分岐して生えた芽のことです。
わき芽はそのままにしておくと必要な栄養が芽に使われ、新たな茎葉が伸びて株が茂りすぎてしまい、湿度が高くなってしまいます。余分なわき芽は取り除くことで、株の風通しを保つとともに、主枝が伸びて結果的にトマトの収穫量が上がります。
「摘心」とは、野菜の茎の先を剪定して、余計な養分が回るのを防ぎ、植物の生長を促すことです。
摘心をすることによって、上に生長するための養分を、花や実をつけるために使うことができ、充実したおいしいトマトの実をつけることができるようになります。
種まき→植え付け&敷きわら&支柱たて→誘引&わき芽かき→人工授粉→追肥→摘心→収穫
トマトのわき芽かきと摘心をする具体的な時期は下記のとおりです。
トマトのわき芽かきは植え付けと同時に1回。そして植え付け1週間後からは、成長に合わせて1週間に1〜2回ほどを目安に定期的に行います。
つるが伸びるスピードと同様にわき芽もどんどん生えてくるので、実がつくまでは継続してわき芽かきをしましょう。
トマトの摘心の時期は、だいたい6月中旬〜7月下旬に行います。
最初に咲いた花の下の茎と葉が、黄色く変色した頃が適期です。手に届かないくらいに成長したら摘心するというのも目安のひとつにしてもいいでしょう。
トマトのわき芽かきは、必ずよく晴れた日に行いましょう。雨の日は、わき芽をとった切り口から雑菌が入りやすいので避けてください。
トマトのわき芽は手で摘み取りましょう。わき芽の根元を、親指と人差し指を使って挟み、ひねるように摘むと簡単に取ることができます。とくにトマトの実がついているすぐ下の節から生えるわき芽は、なるべく早めに摘み取ってください。
なお、雑菌が入るとトマトが病気になってしまうため、事前に手を洗っておくことをおすすめします。
手で摘み採れない場合は、清潔な剪定バサミを使って切り落としましょう。大きく育ち過ぎたわき芽は、切り取った後に土にさして管理すると、根付いて新たに苗として生長します。挿し木で株を増やすこともできるのでおすすめです。
トマトの種類によって、摘心のタイミングは異なります。トマトは茎を囲むようにして葉が伸び、その先端に花房をつけます。トマトの茎は段になっており、花房がついている内の一番下から数えて、4〜5段目まで花房がついたタイミングで摘芯を行いましょう。
摘心するときは、一番上の花房の葉を2枚ほど残すことがポイントです。その理由は、雨などで花房が傷まないよう、屋根のような役割するためです。
ただし、摘心は必ずしも必要な作業というわけではありません。トマトの栽培は、伸びていった主枝を根元に巻くように育てる「ヘビ栽培」や「放任栽培」という方法もあります。
トマトの実の味や大きさを重視するよりも、とにかく実の収穫量を重視したいという方は、摘心は必要ありません。
ミニトマト以外のトマトは、摘心と同時に「摘果」という生育不良な実を取り除く作業をしましょう。一房に対して4〜5個の実がなるように、小さい実や形の悪い実、まだ花の状態のものなどがあれば取り除いてください。
トマトは病気にかかりやすい野菜として知られています。摘心の際は風通しをよくし、病気や害虫を予防しながら行いましょう。
また、トマトのわき芽かきをする際には、苗が病気にならないように清潔な手で行いましょう。また、トマトは喫煙者の手を介したり、近くて喫煙することで「モザイク病」に感染してしまうこともあります。喫煙をしている人は、トマトの苗木に触れる前に手を念入りに洗ってから剪定してください。
大きく育って、手で取り除くのが難しい場合は、ハサミを使っても構いませんが、使用時ごとに入念に消毒するようにしましょう。
トマトをきちんと剪定しているのにも関わらず、トマトがうまく生長しないという場合は、水やりに原因があるかもしれません。
トマトは夏野菜の代表ともいわれ、そのみずみずしい姿から、水を大量に必要とする作物だと思われる場合もあります。しかし、実はトマトは水やりを少なめにした方が美味しくなるといわれています。
夏の時期は、朝にトマトの苗を見て、葉っぱが萎れていたら水を与えます。トマトを地植えしている場合は週に1度降雨があれば水やりは必要ありません。
トマトの剪定(整枝)は主にわき芽かきを繰り返し、最後に摘心をするといったシンプルな工程です。日々のこまめな作業が必要にはなりますが、後の収穫量に大きな影響を与えるため、コツコツと管理しましょう。
小野未花子
GreenSnap編集部