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4月頃にベルのような形の花を咲かせ、秋には紅葉も見られるドウダンツツジの剪定について解説していきます。
樹形を整えたり、花をたくさん咲かせるための剪定方法など目的に応じた剪定方法、剪定後のお手入れについてもご紹介します。
ドウダンツツジに限らず、樹木の剪定とは、植物の不要な部分を切り落とし、樹形を美しく整えたり、健全な樹木の生育をサポートしたりする意味があります。
剪定を長年行わなければ、不要な枝や葉が新芽の成長を妨げ、花が咲かなくなったり、葉や枝が茂りすぎて通気性が悪くなったり、そこから病害虫の発生につながったりすることもあります。
また、地上部が成長しすぎると根(株元)とのバランスが悪くなり、植物全体が弱ってしまうことも考えられます。
さまざまな意味で、樹木の健やかな生育を促すためにも適宜剪定を行いましょう。
ドウダンツツジの剪定は、5~6月に行われることが多いです。約1か月の開きがありますが、これは気候や地域による温度差があるためです。剪定時期をうまく見極める際は、ベル型をした白い花が枯れたときが剪定適期です。
またドウダンツツジは、8月中旬のまだ夏場の時期に花芽をつけるので、花芽がついてから剪定をすると、花芽を切り落としてしまうこともあり、翌年花が咲かなかったりすることがあるので注意が必要です。
花が枯れたあと、できるだけ早く剪定を行うことで秋に紅葉を楽しむこともできます。
ドウダンツツジの樹形として一般的によく知られているのが「玉仕立て」、「玉ちらし」、「角仕立て」です。まずは強剪定で樹形を整え、そこから刈り込みばさみを使って理想の樹形に仕立て上げていきましょう。
なお、元の樹形から大きく形を変えるときは、一度で完成させようと思わず、数年かけて形を整えた方が木も健康的で形も美しく仕上がります。
同じドウダンツツジの種類でも、「サラサドウダン」、「シロドウダン」は生長が遅い品種なので、強剪定や刈り込みは極力行わず、間引き程度の作業だけにし、自然樹形のまま育てる場合が多いです。花芽を意識せず、紅葉を楽しむ、樹形優先で木を刈り込む場合は、剪定時期は気にせず、どの時期に行ってもかまいません。
木全体が一つの玉のように丸くなるように整える方法。玉仕立てでは、樹形そのものをひとつの玉のように整えます。丸くひとかたまりになった樹形は、うまく剪定できれば非常に美しいものとなるでしょう。
枝ごとに葉を楕円形のかたまりにして残す方法。名前の通り、木に玉を散らしたようなきれいな見た目に仕上がります。
木全体を四角い箱のように整える方法。生垣などによく用いられます。芽はあまり考慮せずに形重視で刈り込むときれいに仕上がります。
最もスタンダードな楽しみ方で、剪定方法もこの方法が基本です。時期は前述の通り、花後の5月~6月になります。
まずは、枝の間引きをしていきましょう。間引きとは、不要な枝を根元から切り落としていく作業です。絡まってしまった枝や枯れた・弱った枝などを優先的に間引いていきましょう。この際、芽の付いた枝を落としてしまわないように注意してください。
そのあとは、全体の樹形が乱れすぎないように軽く整えていきます。基本の樹形はやや丸型の形が美しいとされているため、その形を目指して剪定していきましょう。枝を切り落とす際は、枝の途中ではなくちょうど分岐点の部分でしっかり切り落とすようにすると樹形がくずれにくくなります。
透かし剪定を行うことで木全体の日当たりや風通しをよくするメリットが得られます。
剪定ばさみを使い、伸びすぎた枝や古くて枯れているような枝、他の健全な枝に絡まっているような枝など、不要な枝を枝分かれした分岐点から切り落とし、枝葉が適切な密度になるよう心がけましょう。
剪定した後は切り口を剥き出しにすると、水や養分が出やすくなるほか、雨水や雑菌が侵入しやすくなることも考えられます。
作業後は、切り口を「トップジン」など市販の癒合剤で保護し、樹木の健康を守りましょう。癒合剤を塗ってあげると切り口がはやくふさがりやすくなります。
ドウダンツツジは開花を重視するならば、剪定時期を見極め、適切な剪定をすることで、剪定した翌年の開花状態がよくなります。
またそれ以外で樹形優先で整える場合も1回ですべてやり遂げようとせず、慎重にじっくり樹形を確認しながら切りそろえていくことで、美しい樹形を眺めて楽しめます。
紅葉の季節には見る人の目を楽しませてくれるドウダンツツジの剪定を毎年時期を見計らって行いましょう。
GreenSnap編集部