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モンステラは育てやすくおしゃれでインテリアに合わせやすいことから、初心者にも人気の観葉植物ですよね。
初心者にとって茎や葉を切る剪定は不安なものでしょう。しかし、モンステラは剪定をしないとかえって不健康になってしまいます。このページでは、モンステラの剪定について知っておきたい知識をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
初心者にも育てやすいモンステラですが、その分生育旺盛で、5〜9月ごろの生育期には30〜50cm伸びることもある、成長スピードが早い植物です。
また、モンステラは半つる性の植物で、本来は気根という器官を茎から伸ばしてヤシの木などに着生して伸びていきます。
モンステラの種類にもよりますが、自生地では巨大樹に巻きついて、8mほどまで大きくなる大株もあるようなので、室内で育てていても環境によっては2〜3mまで伸びることもあります。
大きな葉をしっかりと伸ばして生長していくモンステラですが、放置しておくと自立できなくなり、ひょろひょろと伸びて横に伸びていくようになります。
また、伸び放題になったモンステラは、伸びた枝茎すべてに栄養を送らなければならず、どれも中途半端に徒長してしまうことがあります。伸ばすべきモンステラの枝茎に栄養をしっかりと与えるためにも、間引く目的で剪定が必要となります。
さらに、葉が伸び放題になり重なってしまうと、植物は光合成ができなくなったり、通気性が悪くなり、病気を引き起こす可能性もあります。
モンステラの大きさや健康を保つためにも、定期的に剪定するようにしましょう。
モンステラの剪定時期は、5〜8月頃が適切です。
モンステラは夏に生育期を迎える植物です。剪定はどうしても植物に負担がかかるため生育期前もしくは生育期中に剪定をすませておきましょう。
夏までなら剪定は可能ですが、冬の剪定だけは避けてください。冬はモンステラの休眠期なので、剪定で負担をかけてしまうと回復がなかなかできずにモンステラが弱ってしまう可能性があります。
夏までに剪定ができなかった場合は春を待ちましょう。
自宅にある道具でかんたんにできます。大株であれば剪定バサミのほうが切り口が綺麗になるので、株へのダメージもすくないです。3〜5号の子株であれば一般的なハサミを消毒してから使えば問題ありません。
また、大株になったモンステラを切り戻し剪定する場合は、癒合剤を用意しておくと、そのあと病気に感染するリスクを軽減できます。
モンステラの剪定には大きく2つのやり方があります。
もちろん、切り戻しも間引き剪定も同時に行って大丈夫ですが、目的や株の状態に合わせた剪定をすることが大切です。
モンステラが小さいうちは間引き剪定で不要な茎を減らして、日当たりと風通しをよくしながら育てるのが基本です。
モンステラが大きくなって株が乱れてきたら、切り戻し剪定をして樹形を調整しましょう。
この2つの剪定は、切る茎の選び方や、茎を切る位置が異なるので、詳しくご紹介していきます。
あまりにもモンステラの葉の数が増えて、株が蒸れていたり、日光が全く当たらない葉があるというときは、間引き剪定をして茎葉の量を減らしてあげましょう。
また、しおれ気味で元気のなかったモンステラに対して間引き剪定をしてあげると、根の量と地上部の茎葉の量のバランスがとれるので、残した茎葉がピンと元気になります。葉焼けや病気で異変が起きた葉も間引きしてしまいましょう。
間引き剪定で切った方がいい葉、茎は次の通りです。
モンステラの間引き剪定はとてもシンプルで、葉柄(葉がついている茎)を「地際、もしくは分岐の根元から切り落とす」のが基本です。
切り落としたい葉の葉柄をたどって、茎から分岐しているところの根元で切りましょう。土から新しく生え上がっている場合も、土の表面すれすれのところで剪定すれば問題ありません。
中途半端に茎を残してしまうと、そこから枯れこむ可能性もあるので注意してください。
モンステラを長年育てて株姿が乱れたときや、大きくしたくないときには切り戻し剪定をしてあげましょう。横に広がって倒れてしまうという場合は、剪定といっしょに支柱を立てるのもおすすめです。
モンステラを切り戻し剪定すると、切った部分から新芽が出て、樹形をコントロールすることができます。
ただし、植え替えを怠っていて根が伸びる余地がないときや、正しい水やりができていないときに切り戻し剪定をしてしまうと、そのまま枯れてしまうこともあるので気をつけましょう。
モンステラを切り戻しするときは、必ず「茎」を切ります。
そもそもモンステラは地上から茎が伸びて、茎から分岐するように葉柄が伸び、その葉柄の先に葉っぱをつけます。
この葉柄と茎を混同する方が多いですが、葉柄には成長点がないので、切り戻ししてもそこから枯れこむだけです。そのため、切り戻し剪定は必ず茎を切るようにします。
ちなみに小さい株のときは茎が地上に露出せず、地側から葉柄が分岐しているような樹形の場合がありますが、このような場合は切り戻し剪定できません。
モンステラの茎は節が連なるように伸びていく性質があり、その節のすぐ上には「成長点」という、新芽が出る場所があります。
モンステラを切り戻し剪定するときには、この成長点のすぐ上で切るという意識で剪定してあげましょう。
成長点とは、新芽が形成されて伸びていく始点となる部分です。モンステラの成長点は節のすぐ上にあります。
さらに節というのはどれのことかというと、茎の途中に数カ所はいる白っぽい部分です。若い株だと節がない場合がありますが、そのうち成長するにしたがって出てくるのでそれまでは切り戻し剪定を控えるほうが無難です。
大株だと茎に対して「<」という形で節が入るようになりますが、成長点は主に「<」が大きく開いた方のすぐ上にあり、そこから外へ向かって新芽が伸びていきます。そのため、茎を伸ばしたい方向と「<」の形を確認して剪定していくと、理想の株姿をつくれますよ。
モンステラは比較的日陰でも育つ性質をもっており、室内の明るい日陰で管理している方も多いようですが、個体や品種によってその耐陰性は異なります。
ひょろひょろと伸びてしまう原因は日光不足の環境下で、少ない光を求めて茎を伸ばした結果の状態、すなわち徒長状態です。切り戻し剪定をして株姿を整えてあげましょう。その後は、以前よりもう少し日当たりのいい場所に置くようにすると、茎が太くしっかりとした株姿になります。
モンステラは葉が茶色く葉焼けしてしまったり、病害虫の被害をおった場合、その部分が復活することはないので、間引き剪定で切り落としましょう。
切るときは、葉柄が分岐している茎の根本から切ります。
葉焼けや枯れた葉をそのままにしておくと、株が余分な体力をつかうのでよくありません。剪定時期の間、なるべくはやめに剪定して取り除くようにしましょう。
モンステラは気根がよく伸びる植物です。気根はそのまま伸ばしたほうが株にとっては健康的なのですが、見栄えが悪く感じる場合は切ることもできます。
モンステラの気根の剪定については、こちらの記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
根腐れして茎がぶよぶよになってしまったモンステラは、剪定で復活する可能性があります。
どの茎もぶよぶよという場合は、茎先に固く健康な部分がないか探してみましょう。まだ健康な茎の部分が残って入れば、そこだけ切り取って挿し木や茎伏せで増やせる可能性もありますよ。
ぶよぶよに腐った茎と、元気な茎が混在している場合は、ぶよぶよになった茎だけ間引き剪定で切り落として、硬く健康な茎だけを残すようにしてみてください。
また、この場合植え替えも同時にして、根腐れした根も取り除く必要があります。
おもに切り戻し剪定をする場合、葉が1枚も残らない状態、つまり丸坊主の状態になってしまうときがあります。
モンステラは生育旺盛でとても強い性質をもつので、丸坊主にしても伸びていきますが、その場合は生育期初期に剪定するようにしましょう。十分にあたたかくなった5〜6月ごろに剪定してください。
それより遅くなると冬越しのための体力づくりができなくなるので要注意です。
モンステラを剪定した後は、ダメージを受けている状態なので、明るい日陰ほどの場所で1〜2週間ほど管理しましょう。
また、太い茎を切った場合は癒合剤を塗っておくと安心です。
この間、水やりは通常通り土が乾いたら行いますが、肥料を与えるのは控えてください。
生育期に剪定したのであれば、すぐに新芽が出てくるので、確認できたら明るい場所においていつも通り育てましょう。
モンステラの剪定で切り落とした茎葉は、そのまま別の株として育てて増やすことができます。
もっとも一般的な方法は挿し木といって、土に挿して発根させる方法です。そのほかにも、切り口をみずにつけて発根させる水差しという方法もあります。
モンステラはとても生育旺盛なので、生育期間中にやればいずれの方法でも簡単に発根して増やせますよ。
モンステラは剪定部分からかぶれの原因となるはシュウ酸カルシウムを含んだ樹液がでるのと、剪定中に手からも雑菌が入るので、ゴム手袋や軍手をはめて剪定をすることをおすすめします。
もしも樹液に触ってしまった場合はよく洗い流してください。小さなお子さんがいる場合やペットを飼っている場合もご注意くださいね。
大きな植物なのでモンステラは剪定が難しそうなイメージがあるかもしれませんが、そこまで難しくありません。葉が大きいので、垂れ下がって重たそうにしてしまうこともありますので、適度な大きさに剪定してあげてくださいね。
モンステラは枝葉をたくさん増やす植物ではありませんので、剪定すべき茎を選ぶのはかんたんなので、ぜひチャレンジしてみてください。
三上真史
GreenSnap編集部