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ブドウはつる性の植物なので、毎年剪定を行って樹形を整えながら育てていきます。今回は、ブドウの剪定で気をつけるポイントや、剪定が必要な理由、剪定方法についてまとめていきます。ぜひ参考にしてくださいね。
つる性のブドウは伸び放題になると、枝葉が密集して湿気がこもり、蒸れやすい状態になります。湿気を嫌うブドウは、通気性が悪いと株にストレスがかかり、病気にかかりやすい状態になってしまいます。ブドウの健康を守るために、剪定が必要です。
ブドウの枝葉が好き放題に伸びてしまうと、あちこちに伸びた枝に栄養が分散してしまいます。必要な場所に栄養が行き届かず、弱々しい細い枝がついたり、果実の味がまばらになってしまいます。
適切に剪定を行うことで、株全体から収穫できる量をコントロールし、長い期間元気に育てることができます。
剪定せず、樹形が乱れて伸び放題になってしまうと、見た目が崩れてしまいます。また、伸びた枝によって棚や支柱が崩れる可能性もあるので、剪定が必要です。
ブドウの剪定に必要な道具は以下の通りです。ブドウを棚仕立てで育てる場合は、脚立を使って作業をしましょう。ブドウの樹形づくりには支柱が必要になります。
秋にブドウの収穫が終わると徐々に葉が落ちてツルだけになります。ツルだけになれば、ブドウの冬季剪定を行いましょう。冬季剪定は、ツルを強く切り戻して樹形を整えていきます。
また、数年育てているブドウでは、何年か実をつけた古い枝を切って不要な枝を間引き、先端を切り戻していきます。
春に近づき気温が徐々に上がると、ブドウは水揚げを行い、ツルの切り口から樹液をよく出すようになります。剪定した切り口から樹液が出ると、その部分から傷みやすくなるので、剪定は必ず寒い時期に行ってください。
ブドウの夏季剪定は、必ずしも必要なものではありません。混み合った枝を間引き、伸びすぎた枝を摘心するなど、軽い剪定を行います。
春に生長を始め、夏場に伸びた枝を整えます。樹形が整っている場合は必要ないでしょう。
ブドウはつる性のため、支柱立てと剪定・誘引を繰り返すことで樹形をつくっていきます。地植え栽培のブドウの仕立て方には、おもに「垣根仕立て」と「棚仕立て」の2パターンがありますが、今回は「垣根仕立て」について詳しくご紹介します。
また、棚仕立てはブドウが根をしっかり張る必要があるので、地植えのブドウ向きと言えるでしょう。
垣根仕立ては、支柱とワイヤーで平面を作り出し、誘引していく方法です。垣根仕立ては、管理しやすく均等に日が当たり育ちやすいので、家庭で育てるならこの方法がおすすめです。フェンスの近くで育てられるなら、支柱を立てる必要もありません。
ここからは、ブドウの垣根仕立て(平面仕立て)の樹形づくりについて、詳しくご紹介します。
なお、年数はあくまで目安であり、品種や栽培状況によって異なります。主枝が80cm〜1mほどに伸びたら樹形づくりをはじめるといいでしょう。
1年目の苗木ブドウは、地上から50cmのところで分岐している太めの枝を選び、それ以外はすべて根元から切り落とします。残した主枝は右左のいずれかに、地面と水平になるように横へと誘引します。
1年目の冬の剪定では、1本の主枝が地面から生え、ほぼ直角に曲がっている状態になります。
2年目の夏には、①で伸ばした主枝から伸びる枝(亜主枝)を上に向かうように誘引していきます。また、①で伸ばした反対側に枝が伸びていたら、それも地面と水平に誘引していきます。このとき枯れ枝があれば根元から切り落としましょう。
2年目の夏の剪定は、最終的に小文字の「r」のような、二股でどちらか一方の主枝が短い状態になります。
2年目の冬には、茂っていた葉が全て落ちて枝だけの状態になり、農具のレーキのような形に伸びているはずです。このときの剪定は、真ん中の茎の上に伸びている亜主枝2本を残して、①②で左右に誘引した主枝を切り落としてしまいます。
そのあと、残した2本の亜種枝を地面と水平になるように左右に開いて誘引します。2年目の冬の剪定では、最終的にYの字がひらいたような状態になります。
3年目の夏の剪定は、②と同様に、主枝(もともと亜主枝だった③の枝)から伸びた亜種枝を、真上に向かって誘引していきます。
3年目の冬の剪定も、③と同じように、中央の亜主枝2本を残して、主枝ごと他の枝は切り落とします。そして再び亜種枝を左右に開いて地面と平行になるように誘引します。
4年目以降の剪定は、この作業を冬にくりかえしていきましょう。こうすることで常に新しい枝が残るようになるので、実つきが衰えることがありません。
1年目の冬は、地上から20〜30cmほどのところで分岐している太めの枝を2本残し、それ以外はすべて切り落とします。残した2本の枝を主枝として、Yの字になるよう左右の支柱に誘引しましょう。
2年目の冬になったら、鉛筆の太さよりも細い枝や、枯れ枝などの不要枝を剪定していきます。さらに主枝の一番上の芽とその下の芽の真ん中の位置で剪定して切り戻します。
3年目の冬の剪定は②と同様に、不要な枝をまずカットしていきます。残した枝は、芽を残して切り戻しします。
なお、木が強い品種のブドウの場合は、果実がなった枝の芽を6つほど残して、その枝の先端を切ります(長梢剪定)。木の弱い品種のブドウの場合は、全部の枝の芽を3つほど残して、それぞれ切ります(短梢剪定)。
4年目以降はこれを繰り返してください。
前述にもある通り、ブドウの剪定方法には、「長梢剪定」と「短梢剪定」という2つの種類があります。
短梢剪定では、まず剪定する枝を選び、枝の付け根から7芽ほどを残して切ります。芽の数は厳密に数える必要はありません。
また、ブドウは前年に出た芽が伸びてそこに実がつきます。前年に出た枝は、5芽ほど残してすべて切りましょう。
デラウェアやマスカットなどの、木が弱めな品種で行います。
長梢剪定とは、ブドウの枝の付け根から2〜3芽残して切る方法です。巨峰やピオーネなどの、木が強い品種で行います。
切る場所で悩むかと思いますが、節と節の間で切るようにしましょう。節のすぐ近くで剪定すると芽が傷みやすいので、節の中間で切ってください。枯れた枝や細い枝など弱っている枝がある場合も剪定してください。
ブドウの木を剪定すると、切り口から少し樹液が出てきます。樹液があるということは、枝に水分がある証拠なので、悪いことではありません。しかし、剪定した切り口をそのままにしていると、ブドウの木が湿気で傷むことがあります。
剪定でブドウの木を傷ませないように、切り口には癒合剤を塗ることをおすすめします。また、繰り返しになりますが、剪定は樹液がでにくい1月に行うことをおすすめします。癒合剤がない場合は、切り口から樹液をふき取りましょう。
また、枝の葉が10枚以上になったら先端を摘んで、余分な枝や葉を減らしてください。
ブドウの新梢には花穂が数本出てきますが、栄養が分散しないように間引いて1本にしてください。花穂が二股になっていたら、どちらかを根元から切ります。花穂が長い場合は、3分の1ほどにカットしてください。
なるべく不要な枝を切って、栄養が必要な部分にだけ行き渡るようにするとおいしい果実になりますよ。
適切に剪定して育てれば、夏場の日除けやシェードカーテンにもなってくれますよ。ぜひ、きれいに剪定して、美味しいブドウを収穫してくださいね。
GreenSnap編集部