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椿(ツバキ)の剪定|時期はいつ?強剪定のやり方は?花付きをよくするコツは?

和風で美しい椿は生垣にしているお宅もあるかと思います。椿には剪定が必要ですが、どうやって剪定したらよいのでしょうか。

このページでは椿の剪定に必要なものから、具体的な剪定方法についても紹介しています。自宅に椿がある方はぜひご参照ください。

椿(ツバキ)はどのくらいの成長速度で伸びる?

椿は2〜4月ごろにピンクや白い花を咲かせる、常緑性の花木です。

耐寒性耐暑性ともに高く、日陰でも育つため生け垣や庭木にも人気のツバキは、日本では2mほどの円柱型の樹形でよくつくられていますよね。ですが本来は5〜10mほどに伸びる小高木なので、放っておくとどんどん大きくなります。

とはいえあらゆる庭木のなかでも椿の成長速度はやや遅めで、1年で20cm前後伸びる程度です。それなら剪定は不要なのでは?と思うかもしれませんが、成長速度が遅いからこそ剪定が必要なのです。

まずはその理由についてご説明します。

椿(ツバキ)の剪定が必要な理由は?

剪定してより葉を充実させるため

椿といえば葉が密に茂っているイメージがありますが、あれば剪定(刈り込み)によって枝が分岐した結果です。なにもせずに育てていくと、余分な枝を伸ばすのに体力を使ってしまってなかなか葉は茂りません。

成長速度が遅いからこそ、効率よく美しい樹形にするためにも、剪定が必要なのです。

通気性をよくして株の健康を保つため

椿の葉や枝が増えると、通気性が悪くなってしまします。通気性が悪くなれば蒸れてしまい、虫や病気の原因にもなります。そのままにしていると椿が傷んでしまうため、椿の健康を保つためにも剪定が必要です。

椿(ツバキ)の剪定の時期は?

椿の剪定をする時期は、花が咲き終わる3中旬月から5月中旬です。写真のように、花が茶色く変色したころを目安に剪定していきましょう。花がついてもったいなくても、必ずこの時期に椿の剪定をしてください。

なぜかというと、椿は初夏になると翌年の花がつく花芽を形成してくため、花後の時期を逃がして剪定すると、花芽を切ってしまって翌年花が咲かない原因となるからです。

そのため、椿は花後から遅くとも5月中までに剪定をするようにしてください。

椿(ツバキ)の剪定に必要な道具

椿(ツバキ)の剪定に必要な道具は次のものです。

  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 刈り込みハサミ
  • 癒合剤
  • ゴミ袋
  • 軍手など手袋

椿(ツバキ)の剪定をする前に知っておきたいこと!

「刈り込み→強剪定→透かし」が基本!

椿は「①刈り込み」→「②強剪定(切り戻し剪定)」→「③透かし(間引き剪定)」の順を意識しながら剪定していきましょう。

なお、若木の場合は透かし剪定は2〜3年に1度程度でも問題ありません。そのほかは毎年必ず3〜5月に作業してください。

円錐形かつ全体の3分の2になるように剪定!

椿といえば上から下まで長さがそろった「円柱形」の樹形が多いですが、このような樹形にしたいときの剪定ではやや「円錐形」の形に仕上げます。

なぜかというと、植物には頂芽優勢という上の芽ほどよく伸びる性質があるからです。剪定のときに円錐形にして下は長め、上は短めに切り戻すことで、その後の樹形を円柱形にするように剪定でコントロールしていきます。

また、枝葉の茂り具合は剪定前よりも、だいたい3分の2くらいになるまでを目安に減らしておきましょう。

花付きをよくするコツは剪定にあり!

椿といえば冬や早春に美しい花を咲かせますが、この花付きの良し悪しを左右するのが剪定です。

椿の花付きをよくするには、剪定をするときに株の内側まで日光が入るように切ることが大切。こうすることで内側が枯れ込まずに日光のエネルギーをより多く吸収して、花付きが断然によくなります。

葉が密になるイメージの椿ですが、部分的に透かし剪定をすることで内部まで日光を当てるようにします。とはいえ、やりすぎるとぽっかりと隙間ができてしまうので、作業中はときおり株を離れて見つめて剪定していきましょう。

それでは椿の剪定の方法について、ひとつずつご説明していきます。

椿(ツバキ)の剪定① 刈り込み

まずは椿を刈り込んで、全体の樹形の形を決めていきます。

刈り込みとは、樹形の表面の枝葉を切って切りそろえ、枝の分岐をうながして枝葉をより密にさせる剪定です。

樹形の輪郭(樹冠)を想像しながら、やや円錐形になるように刈り込みバサミを使って、側面を上から下へ向かって刈り込んでいきます。刈り込みバサミは利き手を振り子のように動かし、もう一方の手は固定して切っていきます。側面を終えたら天面を刈りましょう。

このとき、全ての枝を刈り込むようにし、なおかつ葉芽を3〜4つ残すように切りましょう。

椿の剪定② 強剪定(切り戻し)

刈り込みの次は強剪定です。

強剪定とは、枝を途中で切って太い枝の分岐をつくったり、樹形大きくコントロールするための剪定です。また、株の内部に日光を通す目的もあります。

基本的には他の枝より太い枝を、刈り込みした輪郭(樹冠)よりも2〜3節やや内側で切りましょう。このとき、太い枝を切るときは他の枝との分岐の上1〜2cmのところで切ってください。

椿(ツバキ)の剪定③ 透かし

最後に、透かしで全体の茂り具合を調整します。先述しましたが、透かしは若木の場合2〜3年に1度で大丈夫です。

透かしとは、不要な枝を根元から切り落として、株の風通しや日当たりをよくするための剪定です。このとき、枝の途中で切ると下の芽から枝が勢いよく生えてしまうので、必ず根元から切ることが大切です。

剪定ノコギリやハサミを使って、下記のような生長に必要のない、もしくは邪魔な枝をカットしていきましょう。

  • 内側に伸びている枝(内向枝)
  • 株の中心となる主幹と競合するように縦に伸びる枝(立ち枝)
  • 混み合いの原因となるような平行枝や交差枝
  • 枯れている、もしくは折れている枝

こまめに全体を見て、切りすぎていないかチェックも必要ですが、内側に日が当たるように、全体がまさに透けるようなイメージをもちましょう。

椿(ツバキ)の剪定が終わったら

太い枝の切り口には癒合剤を塗る

太い枝を切るとその部分から雑菌が入り病気になることもあります。剪定をしたあとは、雑菌が入らないように癒合剤を塗ることをおすすめします。

肥料を与える

椿の肥料を与える時期は春と秋の年2回ですが、春の追肥はこの剪定が終わった後に与えます。与える肥料は花木用のリン酸が多めに配合された、緩効性化成肥料がおすすめです。

挿し木で増やす

剪定のときに切り取った枝葉は、挿し木で増やすこともできます。本来、椿の挿し木の適期は6月〜9月ですので、初春の剪定の枝葉から増やすのは難しいですが、室内の暖かい場所で挿し木をしておけば発根率も上がります。

とはいえ、もともと椿の挿し木は成功率が低いので、何本かダメ元で用意して挑戦してみるといいですよ。

椿(ツバキ)の剪定のコツを覚えて、花を咲かせよう!

椿(ツバキ)は枝が硬いので、カットをするのは力が必要です。普通のハサミではなく、剪定用ハサミを使いましょう。必要に応じてノコギリも使用してください。

剪定の方法は難しいことはありません。伸びた部分、形が崩れている部分、葉や枝が密集している部分を切るだけです。必ず時期を守って剪定すれば、またイキイキと花を咲かせてくれるはずなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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