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寒さに強いガーデンシクラメンは、花の少ない冬の間でも花壇や寄せ植えにして楽しむことができます。育てやすいことでガーデニング初心者にも人気ですが、育て方を間違うと枯れてしまったり萎れてしまうこともあるので、正しい管理方法できれいな花を咲かせましょう!
今回はガーデンシクラメンの育て方やしおれる原因と復活方法、球根は植えっぱなしでも大丈夫かどうかについて詳しくまとめました。
ガーデンシクラメンとは、シクラメンを庭植えできるよう耐寒性を高めて改良した園芸品種のことです。
シクラメンといえば冬に見頃を迎える一方、耐寒性の低さから鉢花として室内で育てられるのが一般的でした。
ですがこのガーデンシクラメンは、耐寒性の高い原種シクラメンから育種されたため冬の寒さにも強く、花壇に地植えしたり寄せ植えにして屋外に飾ることができます。草丈は15cm〜20cmほどと鉢花のシクラメンよりも小ぶりで、開花期間も長いのが魅力です。
鉢花のシクラメンとは置き場所など育て方も異なるので、別の植物として考えましょう。とはいえ、育て方は簡単でガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
開花時期 | 10月〜翌年4月 |
植え替え | 10月〜11月 |
肥料 | 10月〜翌年4月 |
ガーデンシクラメンは、西日をさけた日当たりのいい場所で育てましょう。なお、耐寒温度は-5℃程度なので、関東以南であれば戸外で地植えで育てられます。霜があたっても生育は止まりますが、枯れることはありません。
鉢植えやプランターでガーデンシクラメンを育てるときは、市販の草花用培養土でも栽培できます。とはいえ、根が細いので、腐葉土の割合を多めのものを選ぶか追加で足してあげて、ふかふかな土作りを目指すといいでしょう。
もし自分で用土を配合したい場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土:4:ピートモス1などの割合がいいでしょう。
地植えでガーデンシクラメンを育てるときは、球根の植え付け1週間前に、土を耕して、腐葉土を4割ほどすき込んでおきましょう。水はけが悪い土質の場合は、さらに川砂を2〜3割混ぜておくといいです。
ガーデンシクラメンの植え付けは、地域によりますが10月中旬〜12月中旬あたりの、だいたい気温が10℃〜20℃の時期に植え付け・植え替えしましょう。
シクラメンは葉の数だけ花が咲くと言われていますので、葉の生育を重視するといいでしょう。鉢の形にこんもりと半円形で葉が茂った苗がおすすめです。
なお、9月中旬に出回る苗は、暑さにやられて弱っている可能性があるので、10月中旬以降に出回る苗を選ぶといいでしょう。
ガーデンシクラメン を植え付けするときは、苗の根鉢の肩が地面から少しはみ出すように、浅植えで植え付けしましょう。球根を植える場合は、球根の2分の1を地面に植えるようにしてください。
また、根が縦方向に伸びる性質なので、寄せ植えするときは10〜15cm程度の間隔で、つめて植えても問題ありません。ただし、互いの株の葉が重ならないようにしてあげましょう。
ガーデンシクラメンを植え付けした後、根付くまでは土が乾かないように管理してください。根付いてくると、葉にハリがでて、しおれていた茎もまっすぐに伸びていきます。
ガーデンシクラメンに限らず、シクラメンは球根に直接水がかからないように水やりをしましょう。水やりをするときは株の上から水やりをするのではなく、株元の葉を持ち上げて、球根まわりの土に水やりしてください。花や球根の頭部に水がかかると腐ったりカビが発生する原因になります。
ガーデンシクラメンは根が細いので、根腐れを起こしやすいです。基本的には乾燥気味に育てるようにしてください。
鉢植えのガーデンシクラメンの水やりは、表面の土が完全に乾いたら、たっぷりと水をあげてください。
地植えのガーデンシクラメン は、しっかりと根付いた後であれば、降雨による水分で足りるので、水やりの必要はありません。ただし、植え付け直後、根付くまでは、土が乾かないように管理しましょう。
ガーデンシクラメンは若干肥料食いな性質をもちますが、施肥しすぎには注意です。目安として、緩効性化成肥料を元肥に施し、花が咲いたら10日に1回程度、液肥を水やりの代わりに与えましょう。
ガーデンシクラメンは冬から春ごろまで花を咲かせ続けるので、速効性のある液肥で肥料を与えると、体力を切らすことなく咲き続けてくれます。
ガーデンシクラメンを花壇や庭に地植えして育てている場合は、基本的には植えっぱなしにせず、球根を掘り起こして夏越し・植え替えさせましょう。
ただし、次の条件の場所に置けば、植えっぱなしにしても開花する可能性があります。
鉢植えなら冬と夏の置き場所を条件に合わせて変えられるので、植えっぱなしでも毎年開花する可能性が高いです。
地植えの場合は落葉樹の下などに植えると、冬と夏の日当たりが調整できます。雨は防げないのでできるだけ、植え穴の底に底石をいれたり、庭土に黒曜石パーライトか川砂を混ぜて排水性のいい土作りをしてください。梅雨や台風の時期だけでも雨よけをするなどして対策するのも効果的です。
とはいえ、やはり地植えだと植えっぱなしでの夏越しは難しいのも事実です。むしろ雨除けなどの対策のほうが面倒なので、掘り起こして夏越しさせたほうが楽という方もいます。
ガーデンシクラメンは高温多湿に弱く、夏越しするのが難しいため一年草として扱う人もいますが、適切に夏越しさせることで翌年も開花を楽しむことができます。
ガーデンシクラメンの夏越しの方法は、休眠方法と、非休眠方法があり、休眠方法のほうが失敗が少ないです。開花が遅れるというデメリットもありますが、初心者は比較的簡単な休眠方法のほうがおすすめです。
ガーデンシクラメン は、一本の茎に一つしか花をつけないので、枯れている、あるいは枯れかけの花は茎元から取り除いてください。日照不足で黄色くなってしまった葉も取り除くことで、適切に養分が行き渡り、長く花を楽しめるようになりますよ。
ガーデンシクラメンの花が咲かないのは、球根に日が当たらず花芽が形成されていないことが主な原因です。秋からの生育期は、「葉組み」というシクラメン特有のお手入れをすることで、球根に日が当たりやすくなり、豊富に花がついた、きれいな株姿で咲かせることができます。
葉組みの方法は、株上部にある新しい葉が株の外側にある葉の下に来るように、葉をかき分けながら引き下ろしていくのが基本です。花がよく咲くようになる他、花芽が中央に集まってこんもりときれいなドーム状に仕上がります。
ガーデンシクラメンの寿命は4〜5年と言われています。夏に弱いため一年だけ楽しめる鉢花と思われがちですが、正しく夏越しできれば数年間は毎年開花を楽しめますよ。
ただし、これは球根を掘り上げて正しく夏越しをした場合の寿命なので、植えっぱなしで育てると球根の負担が大きくなり、さらに短くなる場合があります。植えっぱなしで夏越しすると2〜3年で寿命を迎えることもあるそうですが、育てて翌年に枯れたということなら夏越しに失敗した可能性も高いですね。
また、花がら摘みをせずにそのまま育てて種を採取した株は、体力を種の形成に奪われてしまうので、その年で寿命を迎える可能性が高いです。
暑さに弱いガーデンシクラメンでも、気温や栽培環境によっては春以降、夏まで開花させる例があります。花芽がつくと思わず咲かせたくなるかもしれませんが、寿命を伸ばしたい場合や、冬によく花を咲かせたい場合は、開花前に花芽ごと摘み取ることをおすすめします。
休眠期であるはずの夏に開花させてしまうのは、球根の負担が大きくなるので避けたほうがいいでしょう。
球根部分の白い胞子のようなものはカビです。「灰色カビ病」という病気にかかっている状態です。
ガーデンシクラメンの病害虫は、開花している生育中はほとんど発生しませんが、夏越し中の高温多湿の状態になると、灰色カビ病や萎凋病にかかりやすくなります。また、水やりのときに球根に水をかけてしまうのも原因のひとつです。
夏の間は日陰かつ、風通しの良いところで管理して、水やりは球根に水がかからないように気をつけるといいでしょう。
シクラメンがしおれる原因は主に次の3つが考えられます。はやめに対処すれば復活させることもできるので、諦めずに育ててみましょう。
あまり水やりをしていないのにしおれている場合は水切れをうたがいましょう。水切れからの復活方法は、一度水をはったバケツに鉢ごと沈めてしまう方法がおすすめです。
このとき、球根が水に浸らないように、鉢の8割くらいの高さまで沈めるようにしてください。そのまま2〜3時間浸してよく水を吸わせたら、日当たりと風通しのいい場所に移動させておくと、次第に葉にハリがでてきます。
ガーデンシクラメンは水やりのしすぎ、もしくは水やりのときに球根に水がかかることが原因でしおれることもあります。
この場合、球根を押してゴムボールぐらいの弾力があるなら、新しい土に植え替えすることで復活する可能性があります。また、植え替えをするときは、根腐れして茶色くなった根やカビは必ず取り除いてください。
ガーデンシクラメンの栽培適温は10〜20度ほどですので、寒すぎる場所や暑すぎる場所においている場合、しおれてしまうことがあります。とはいえ、耐寒温度は-5度ほどとかなりの寒さに耐えられるので、冬にしおれてしまった場合は上記の2つの原因である可能性が高いです。
逆に冬でも室内の暖房が効いた部屋で管理している場合は、暑すぎてしおれることがあるので、戸外の風通しがよく適度に寒い場所に移動してください。
ガーデンシクラメンは分球しませんので、株分けで増やすことはできませんが、種を採取し、種まきすることで増やせます。
種はシクラメンを2株用意し、人工授粉させることで採取できます。ただし、種から球根が発達し花が咲くようになるまでは2〜3年かかるので、かなり時間がかかります。
とはいえ、こぼれ種でも増えていくほど丈夫な植物ではあるので、気長に育ててみるのもいいかもしれません。
ガーデンシクラメンは冬のガーデニングの定番の花で、冬の寄せ植えにもおすすめの花です。特徴的な、葉が下にドーム型につき、花が中央に密集するキレイな株姿は、葉組みによってつくることができるので、ぜひ実践してみてくださいね。
松原真理子
GreenSnap編集部