warning
error
success
information

ガーデンシクラメンは、秋から春の花壇や寄せ植えを彩る小型のシクラメンです。一般的な大輪の鉢花より屋外で楽しみやすい一方、強い霜や凍結、夏の高温多湿には注意が必要です。
植えっぱなしで夏越しできるかは、日当たり・雨・水はけによって変わります。この記事では、植え替えの時期と手順、葉の状態に合わせた夏越し、水やり、しおれたときの確認方法を解説します。
ガーデンシクラメンは、屋外の花壇や鉢植えで楽しむ小型の園芸シクラメンです。シクラメン・ペルシカム系の園芸品種で、草丈は15~20cmほどのものが多く見られます。
地植えで育つ原種シクラメンと同じ耐寒性ではありません。「ガーデン」の名前でも、凍結や厳しい寒さに無条件で耐えるわけではないため、品種のラベルと地域の気候に合わせて管理しましょう。
| 作業・状態 | 時期の目安 |
|---|---|
| 開花 | 秋~春。寒さが厳しい時期は花が少なくなる場合があります。 |
| 購入苗の植え付け | 秋の暑さが落ち着いてから。10~11月頃が目安です。 |
| 夏越し後の植え替え | 9~10月頃の涼しくなった時期。残暑に合わせて調整します。 |
| 肥料 | 秋~春の生育・開花期。夏の休眠中は与えません。 |
秋から春は日当たりと風通しのよい場所で育てます。長雨や強い寒風を避けられる軒下などが向きます。夏は直射日光や西日を避け、風通しのよい涼しい日陰へ移しましょう。
冬は霜や雪が花に直接当たると傷むことがあります。寒波のときは鉢を保護できる場所へ移し、寒冷地では地植えより移動できる鉢植えが管理しやすくなります。室内へ入れる場合も、暖房の風が当たる場所や暑い部屋は避けてください。
水はけのよい草花用培養土やシクラメン用の土を使います。鉢底穴のある容器を選び、受け皿に水をためないようにしましょう。市販の土へ腐葉土を一律に追加する必要はありません。
水がたまらない場所を選び、土質に合わせて腐葉土などを混ぜて耕します。水はけが悪い場所では、植え床を少し高くするなど排水を改善しましょう。植え穴の底に石を入れるだけでは、周囲の土の排水不良は解消できません。
購入苗は、秋の暑さが落ち着いた10~11月頃を目安に植え付けます。寒くなる前に根付かせられるよう、地域の気温と苗の状態を見て判断してください。
夏越しした株の植え替えは、9~10月頃の涼しくなった時期が目安です。真夏や厳寒期を避け、根詰まりや土の劣化を確認して新しい土へ植え替えましょう。購入した鉢花が元気で根詰まりもなければ、すぐに根を崩して植え替える必要はありません。
葉がよく茂り、株元に傷みがなく、中心につぼみがある苗を選びます。葉がしおれていたり、球根が柔らかく腐っていたりするものは避けましょう。購入時期だけで良し悪しを決めず、株の状態を確認してください。
寄せ植えでは、成長後も葉が重なりすぎない間隔を取ります。球根や株元を隣の植物で覆ってしまわないようにしてください。
花や球根の上部へ水をかけず、葉を持ち上げて周りの土へ与えます。生育中の水切れにも、湿ったままの状態にも注意しましょう。
土の表面が乾いたら、鉢底から流れるまで水を与えます。受け皿の水は捨ててください。寒い時期は土の乾きが遅くなるため、毎日と決めずに確認します。
根付くまでは乾燥させすぎないように管理します。根付いたあとは降雨を基本としますが、雨が当たりにくい場所や乾燥が続く時期は、土の状態を見て水を与えましょう。
秋から春の生育・開花期に、草花用の液体肥料や緩効性肥料を与えます。元肥入りの培養土を使う場合は、肥料を重ねすぎないようにしてください。
量・希釈倍率・頻度は製品表示に従います。根が傷んでいる株や、夏に生育が鈍った株へ肥料を増やしても回復にはつながりません。休眠中は肥料を与えず、秋に生育が戻ってから再開しましょう。
夏の直射日光と長雨を避け、水はけと風通しを確保できる場所なら、植えたまま夏越しできる場合があります。ただし、地植えでは環境を調整しにくいため、夏に蒸れる場所では鉢へ移して管理する方法があります。
鉢植えなら季節に合わせて場所を変えられます。ただし、何年も同じ土のままでよいわけではありません。根詰まりや水はけの悪化があれば、秋に植え替えてください。
地植え株を鉢へ移す場合は、本格的な暑さの前に行い、根をできるだけ傷めず土ごと移します。球根を裸にして放置する必要はありません。
夏越しは、葉を残す方法と、葉が枯れて休眠した球根を乾かして管理する方法があります。5月になったからと健康な葉を全部取り除かず、株の状態に合わせて選びましょう。
葉がなくなっていても、球根が柔らかく腐っている場合は休眠とは異なります。休眠法なら必ず成功するわけではなく、株の健康状態と夏の置き場所が大切です。休眠した株は、葉を残した株より開花が遅れることがあります。
咲き終わった花や枯れた葉は、茎の付け根から取り除きます。健康な葉は残し、夏が近づいたら葉の状態に合わせて夏越しの管理へ切り替えます。
茎を途中で折って残さないよう、付け根を持って軽くねじりながら抜き取ります。球根を傷つけないよう、株を支えて作業しましょう。
日照不足、温度、水や肥料の過不足、夏越し後の生育の遅れなどが考えられます。球根に光が当たらないことだけで原因を決めつけず、置き場所と株の状態を見直しましょう。
秋以降は、中心部の葉を外側へそっと分ける「葉組み」をすると、株の中心に光が届きやすくなります。葉を引きちぎらず、花芽を傷つけないように整えてください。
ガーデンシクラメンは多年草で、夏越しできれば翌年以降も花を楽しめます。寿命を一律に4~5年、植えっぱなしなら2~3年と決めることはできません。球根と根を健康に保ち、季節に合う管理を続けましょう。
涼しい環境では春以降も花が咲くことがあります。夏に咲いたという理由だけで枯れるわけではありませんが、暑さで株が弱っているときは花やつぼみを取り、株の負担を減らします。
白いものが付いているだけでは、灰色かび病と断定できません。腐敗、異臭、葉や花の傷みも確認します。疑わしい株はほかの株から離し、傷んだ部分を取り除き、風通しと水やりを見直してください。
灰色かび病などは、夏だけでなく、涼しく湿った時期にも発生します。枯れた花や葉を株元に残さず、病気が疑われる場合は園芸店などへ相談しましょう。
鉢が軽く、土が乾き切っている場合は、水切れが考えられます。まず土へ水を与え、余分な水を排出させましょう。
土が水をはじいて吸わないときは、球根を水に浸けず、鉢の下部から短時間吸水させる方法もあります。数分ごとに土の湿りを確認し、吸水したら引き上げてよく水を切ります。何時間も浸けたままにしないでください。

土が湿ったまましおれている株に、さらに水を足すのは避けます。過湿による根傷みや球根の腐敗がないか確認してください。
健康な部分が残る株は、傷んだ根を取り除いて新しい土へ植え替えることで回復する場合があります。ただし、球根が柔らかく崩れるなど腐敗が広がった株は、植え替えだけでは回復が難しくなります。
強い日差しや暖房の熱風、霜や凍結も原因になります。寒さに比較的強い品種でも、冬のしおれから寒害を除外しないでください。急激な温度変化を避け、明るく風通しがよく、凍結しない場所で様子を見ます。
家庭では種まきで増やすのが基本です。通常の草花のように子株を分ける株分けには向かず、球根を無理に切り分けると腐敗の原因になります。
種を採る場合は花後に実が熟すのを待ちます。種から育てると開花まで時間がかかり、親株と同じ花色や姿になるとは限りません。親株の維持を優先するなら、採種用の花を残しすぎないようにしましょう。
秋冬は日差しを確保し、夏は暑さと蒸れを避けます。植えっぱなしにできるか、葉を残して夏越しするかは、栽培場所と株の状態を見て判断しましょう。夏を越したら秋の植え替えを検討し、次の花を楽しんでくださいね。


松原真理子

GreenSnap編集部