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肥料は、園芸において欠かせない資材ですが、さらに「元肥」と「追肥」に分けて考えることができます。家庭菜園やガーデニングでは当たり前に使う肥料ですが、そもそもなぜ必要なのか、どれだけの量をどのように施すのかをご存知でしょうか。
今回は肥料の基本的な知識から、元肥と追肥をする目的や、施し方について、詳しくご紹介いたします。
そもそも肥料はなぜ必要なのかというと、人工的につくった庭や畑では、本当ならあるべき栄養が足りないためです。
本来、自然界は虫の死骸や、動物の排泄物、落ち葉によって土に栄養が供給される、生命のサイクルを持っています。しかし、街や都市などの人間が開拓したエリアでは、このサイクルが回らないので、庭や畑などの土で植物を育てるには、栄養が足りません。
そのため肥料を与えることによって、植物が必要とする栄養を補い、成長につなげているのです。
肥料を施す際の考え方として、植物に必要な三栄養素を押さえておきましょう。
肥料は施肥(肥料を与える)タイミングによって「元肥」と「追肥」に分けることができます。それぞれ目的も違えば、適切な肥料の種類も変わるので、その役割を理解しておくことが重要です。
元肥には、本来自然界の土が持っている栄養を、再現する・補うという役割があるので、植物を植え付ける前に、あらかじめ土壌に混ぜ込んで使う肥料のことをいいます。元肥の読み方は、「もとごえ」です。他にも「基肥(きひ)」、まれに「原肥(げんぴ)」と呼ばれることもあります。
追肥とは、植物の成長過程にしたがって施すことで、生育中に足りなくなる栄養を追加で供給する肥料のことをいいます。追肥の読み方は、「ついひ」です。
例えばトマトの場合、1㎡に対して窒素25g、リン酸30g、カリ25gほどが収穫までに必要とされるので、元肥で窒素12g、リン酸30g、カリ12gを施し、追肥によって窒素とカリ4〜5gを3回にわけて数週間おきに与える、というふうに応用していきましょう。
元肥の施し方は、畑の場合と、プランターの場合で方法が異なります。ただし、いずれの場合にも、植物の根に肥料が直接つくと、そこから肥料焼けを起こして生育不良につながるので気をつけましょう。
元肥は、緩効性のゆっくり長く効くタイプの肥料が向いています。基本的に有機質肥料が使われることが多いです。
油かす、米ぬか、草木灰、腐葉土、魚粉、骨粉、緩効性化成肥料など。
全面施肥は畑全体に肥料をまいて、よく耕してて均一になるように土となじませる方法です。土と肥料が馴染みやすいので、比較的早く効果が阿田和れ、広い畝の畑に向いています。また、根が浅く広く伸びる葉菜類や根菜類が向いています。
溝施肥とは、畝を立てる前に、畝の中央部分に溝を掘って、そこへ肥料を施してから埋め戻し、畝を立てる方法です。全面施肥よりも肥料の量が少なくて済むのが特徴です。
容器に対して、土1:元肥2:土2の比率・順番でいれ、植物の成長にしたがって、元肥の栄養が供給されるように施します。
容器をまず用土でみたし、両側から規定量の元肥を流し込んでおく方法です。ゆっくりと土に養分がしみでて、植物の根の全体に栄養を送ることができます。
追肥の施し方には、穴肥、溝施肥、バラまきなどの方法があります。いずれも、追肥の施し方のポイントとして、株元ではなく、樹冠の端の真下や、これから根が伸びる株の間、畝の両側の肩・通路に施すといいでしょう。植物の根の先端に行き渡らせることが大事です。
追肥には、一般的には速効性があり、すぐに養分が土に供給される化成肥料や、液体肥料などが向いています。ただし、施すタイミングによって、もしくは樹木などの長期間生育する植物については、緩効性の肥料がいいとされる場合もあります。
穴肥とは、株から20〜30cm離れたところに穴を掘って、そこに肥料を施して埋め戻す方法で、「待ち肥」とも言われています。果菜類や生育期間の長い野菜に向いています。
溝施肥での追肥は、条状に植えた時に、株の20〜30cm離れたところに溝を掘って、肥料を施して埋め戻す方法です。
一株のときは、株の根元の周囲20〜30cm部分に溝を掘って、そこへ粒状の肥料をまいて埋め戻します。
バラまきは、まだ作物が生育初期段階のときにおすすめの方法で、肥料をそのまま適量土の上にばらまくように施します。なお、肥料が直接植物に当たらないように注意しましょう。肥料をまいたところには、まんべんなく土をかけておくといいです。
置肥は植物の根元に、固形、もしくは粒状の肥料を置く方法です。基本的には、固形の緩効性化成肥料や有機肥料を使います。水やりとともに肥料成分が少しずつ溶け出していくので、効果がより長期間あらわれます。主に鉢植えの観葉植物や、プランター栽培の草花に有効です。
製品にもよりますが、だいたい1ヶ月に1回ほど与えます。
液肥は、規定量水で希釈した肥料を、そのまま水やりと同じやり方で植物に施す方法です。水やりの代わりに与えましょう。主に草花などに有効です。
製品にもよりますが、だいたい7〜10日に1回ほど与えます。
育てる植物によって、栄養の必要量や、施すべきタイミングは異なります。またもちろん個体差もあるので、育て方図鑑などを参考に、植物の状態をみてあげながら、施肥しましょう。元肥と追肥のコツがつかめれば、より園芸を楽しめると思います。
GreenSnap編集部