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紫陽花は樹高2〜3mほどまでに成長する低木ですが、剪定は必ずしも必要というわけではありません。ただし、毎年美しい花を楽しむためには、紫陽花の性質を考えながら、地植え・鉢植えともに、剪定をすることをおすすめします。
今回は、花を毎年美しく咲かせるための、紫陽花の剪定方法や適した時期をご紹介します。
紫陽花は品種によっては樹高2〜3mほどまで伸びていく、とても生命力の高い落葉低木です。
また、枝先にのみ花をつける性質があるので、剪定をしないまま花期を迎えると、高い位置にのみ花がつき、鑑賞しづらくなってしまいます。剪定をして、コンパクトに樹形をとどめ、鑑賞しやすい紫陽花にする必要があります。
紫陽花は、花が終わってもなかなか散らない性質をもっています。いつまでも終わった花がついていると、株全体の風通しが悪くなり、翌年の花を咲かせる体力もなくなってしまうので、花が終わったら剪定をして、落としてあげる必要があります。
紫陽花の剪定の時期は、花が終わったあと〜7月下旬頃です。樹形が乱れていたら、11〜3月の休眠期に不要な枝を剪定することもできます。
とくに、紫陽花の花芽は夏の終わりから秋にかけて形成されるので、なるべく早めに花後に剪定することが大切です。剪定が遅くなると誤って花芽を切ってしまう可能性もあるので気をつけましょう。
紫陽花の剪定は、花が咲き終わるタイミングを見計らっておこないます。
なお、私たちが紫陽花の花と思って鑑賞しているのは、花びらではなく萼(がく)の部分であり、「装飾花」と呼ばれるものです。「真花(しんか)」と呼ばれる本当の花は、装飾花の中央にある粒のようなごく小さな部分のみになります。
紫陽花の花が終わったサインは、この真花が開いた頃ですが、早めに剪定してドライフラワーにしたり花瓶に飾ることもできるので、装飾花が色褪せてきたら剪定しましょう。
紫陽花の花後剪定で切るのは、その年に花がついた枝だけです。
そもそも紫陽花は、その年に生えた新しい枝には翌年花をつけず、そのさらに翌年に花を咲かせるといった、2年生の枝にのみ花を咲かせる性質があるのです。
つまり、その年に花が咲かなかった枝には翌年花がつく可能性が高いので、剪定はしません。
紫陽花の花後剪定で切る枝の位置は、花から2〜3節下にある、葉の付け根にはえる芽の2cmほど上です。
紫陽花は花のすぐ下の節には花芽がつかず、2〜3つ下の葉の付け根にできます。4〜5節下になると花芽がつくか不安定になるので、確実に来年も花を咲かせたい場合は2〜3節下の花芽上で剪定しましょう。
2節目か3節目かで迷ったときは、葉の付け根を確認してみるといいです。よく見てみるとぷっくりふくらんでいたり、すでに芽が出ているので、ふくらみや芽があるほうを選んで剪定しましょう。
剪定したあとはこの芽がどんどんと伸びて、翌々年に花がつきます。
冬の休眠期になったら、細い枝や、混み合った交差枝、地面から細く生え上がってきたひこばえなどを、根元から切り落とすようにしてください。
冬の剪定は花後剪定ほど必要不可欠なわけではなく、花芽を誤って切ってしまう可能性もあるので、初心者は枯れ枝を取り除くくらいでいいでしょう。必要に応じておこなうようにしてください。
あまり樹高を高くしたくないという場合は、花後に思い切って根元から深く切り戻す、強剪定をします。全ての枝を1/3〜1/2ほど切っていきましょう。
このとき花芽も切ってしまうと、翌年以降に花がつかなくなってしまいます。花芽を落とさないように注意しながら、全ての枝を根元からバッサリ剪定しましょう。
紫陽花の花後の剪定で切り落とした枝は、挿し木で増やすこともできます。挿し木用の土や水栽培で発根させてから植えるとぐんぐん伸びます。
ただし、生育は不安定なので、翌年に開花する可能性は低いです。再来年の開花を楽しみに、気長に育ててみてください。
鉢植えの紫陽花は、花後の剪定と一緒に植え替えをしましょう。また、休眠中も植え替えができるので、剪定と植え替えは同時と覚えておくといいです。紫陽花は成長が早いので、年1回の植え替えが目安です。
紫陽花は、しっかりと剪定のタイミングを逃さずにお手入れすることで、長年にわたって美しい花を楽しむことができますよ。強く切っても、切り口から青い芽を生やしてくれるので、思いっきり剪定していきましょう。早めに切り取って切り花でも楽しめますよ。
皆さんも紫陽花の剪定をマスターして、来年も美しい花をお楽しみください。
藤原正昭
GreenSnap編集部